2024
04/22
相続

はじめに

相続資産の適切な管理・運用は、財産を次世代に継承する際に重要な要素です。相続資産を適切な計画や考え方に則って取り扱わなければ相続面での失敗や運用での損失を招くことがあります。

本記事では、失敗事例から学ぶ相続資産運用方法に焦点を当て、相続資産を有効に活用する戦略や傾向事例まで解説します。また、相続資産を守り、将来の世代に繋げるための知識も共有していきます。

事例から学ぶ相続資産運用に失敗する2つの要因

相続に関わる資産運用で失敗してしまう要因には、大きく以下の2つが考えられます。

〈相続資産運用に失敗する2つの要因〉
・適切な運用計画でできていない
・リスク管理ができていない

それぞれの要因にもいくつかのパターンがあるので、それらを理解し、同じ失敗をしないための参考にしてください。

適切な運用計画でできていない

まずは適切な計画がないままに運用し、思うような成果が得られないパターンです。この場合、原因はさらに以下の3つのケースに細分化されます。

〈適切な運用計画でできていない3つのケース〉
・運用の目的や目標を明確にしていない
・自分のリスク許容度を把握していない
・税務面を考慮していない

自分が望む運用の結果を得るためには、そもそも自分が運用にどの程度のリターンを期待しているのかを知る必要があります。

例えば、「今ある資産1億円を、定年する5年後までに1億5,000万円まで増やしたい」といった具合です。この目標を達成する場合は年間10%以上の利回りが必要になるため、ある程度リターンが期待できる株式などに投資する必要があります。

運用の目的や目標が明確になっていると、それを実現するための適切な計画が立てられるようになります。

リスク許容度は、継続的に運用を続けていくために把握しておきたいものです。例えば前述のような1億円を1億5,000万円に増やすような運用は、当然1億円を1億100万円に増やす運用とはリスクの度合いが異なってきます。

自分が許容できないリスクの度合いで運用していると、相場急変時などに冷静さを欠き、最も悪い状況で売却してしまうなどの失敗をする可能性があります。

そして相続資産運用では、税務面に配慮することも欠かせません。例えば日本では相続時には最高税率55%の相続税がかかります。まったく対策をしていなければ、次の世代に引き継ぐ際に資産が大きく減少することは避けられないでしょう。

リスク管理ができていない

2つめは、適切なリスク管理を行わないために想定外の大きなリスクを取って運用してしまったり、反対にリスク許容度に対するリスクの度合いが低すぎてリターンが期待できないケースもあります。

この要因は、主に以下の3つのパターンに分類されます。

〈リスク管理ができていない3つのパターン〉

・ポートフォリオを作成していない
・ヘッジファンドなどの新たな選択肢に目を向けていない
・定期的な運用の見直しを行わない

ポートフォリオとは、運用する資産の組み合わせや配分のことです。この組み合わせや配分を調整することでリスクとリターンのバランスをコントロールでき、自身が望むリスクの度合いで運用できます。

またポートフォリオの中には、ヘッジファンドなど、株式や債券など従来の資産以外のものも組み入れることを検討しましょう。ヘッジファンドは新たな手法でリターンを狙うオルタナティブ投資の1つで、相場が上がっても下がってもリターンを狙えます。他にも太陽光発電への投資などでインカムゲインを狙う方法も考えられます。

そして、資産運用では運用中のポートフォリオの見直しも重要です。運用を続けていると、各資産の値上がりや値下がりによって、設定当初のバランスが崩れてくるからです。1年に1回などタイミングを決めて今の配分を確認し、大幅に変化している場合は売却と購入を行ってバランスを修正してください。

相続資産の有効な活用法と成功事例

ここまでは失敗事例から学ぶ資産運用のポイントについて解説してきましたが、実際に運用が成功しやすい資産の組み合わせや戦略について知りたい方もいるでしょう。

実際に当社でご相談をお受けした、お客様の事例を共有していきます。

実際の成功事例

〈お客様の属性〉
・50代男性
・職業:医師
・家族構成:妻、子ども3人
・年収:3,000万円
・資産状況:両親から相続した資産1億円を預金に預けたままにしている

この男性の場合、資産運用の目的は自身の老後資金の確保でした。一見すると潤沢な資産を持っているかのように思えますが、私立の医学部への進学を希望する子ども3人の教育費を考慮すると、老後に今までのような生活を送れるだけの資金の確保の目処は立っていない状態でした。

そこで両親から相続した1億円の資産を活用した、以下の運用計画を作成しました。

①リターン確保のための株式の組み入れ
②医師としての信用力を利用した不動産への投資
③ヘッジファンドの組み入れによるリスクヘッジと収益確保
④保険の非課税枠の活用

まずは子ども3人の教育費と自身の老後の生活費を確保するため、資産の10%に株式を組み入れました。内訳は日本株式:先進国株式:新興国株式=1:2:1とし、分散投資を意識しています。

また、あえて銀行からの借入を行い、不動産への投資も取り入れました。負債を抱えることになりますが、医師の信用力があれば有利な条件での借入が可能です。不動産は相続時に現金よりも20%程度安い価格で評価されるため、相続税対策にも有効です。

同じく相続税対策として、新たに終身保険にも加入しました。これは「500万円×法定相続人の人数」で算出される、保険の相続税非課税枠を利用するためです。この男性の場合法定相続人は妻と子ども3人の計4人なので、合計2,000万円もの非課税枠が活用できます。

将来の世代にも資産を継承する

相続では遺言などスムーズな資産の引き継ぎのための手続きも重要ですが、それと同様に運用も含めた相続計画が欠かせません。本記事で紹介した失敗事例から学び、失敗の要因を払拭していきましょう。

とはいえ、実際に資産運用をする中では分からないことや不安な点が出てくる可能性もあるでしょう。そのような際には、無料相談も承っているウェルス・パートナーにご相談ください。経験豊富なアドバイザーが、お客様一人ひとりの状況に合わせたご提案をいたします。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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