目次
はじめに
富裕層の方々にとって、相続対策はとても重要なテーマといえるでしょう。相続税の負担を軽減するためには、事前の適切な対策が必要です。本記事では、富裕層に必要な相続対策の基本ポイントについて解説します。資産の種類や評価額の考え方、相続対策としての分散投資、節税対策の選択肢など、具体的に役立つ情報をご紹介します。さらに、富裕層にとって特に必要となる注意点やポイントもお伝えします。富裕層の方々が円滑に相続手続きを進めるために、知っておくべき基本ポイントをしっかりと押さえましょう。
相続対策の重要性と基本ポイント
富裕層にとっての相続対策の重要性
富裕層の方々は、保有する資産の大きさから、相続税の負担が大きくなる傾向にあります。このため、相続税額を軽減するためには、事前の相続対策が不可欠といえるでしょう。ここでは、相続税の負担を軽減するための基本ポイントを紹介します。
相続税の負担を軽減するための基本ポイント
相続税の基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」と法定相続人数によって決まります。相続税の計算にあたっては、非課税財産や債務など、他に控除できる項目もありますが、資産の保有方法や資産配分を工夫することで、相続税の負担を減らすことができます。まず大切なのは、現金や預金だけでなく、他の資産への投資を検討することです。これは、資産を不動産や保険商品などで運用すると、非課税枠を利用できる可能性があるためです。
遺産の種別と相続税評価額の考え方
相続税評価額とは?
相続税評価額とは、相続税を計算するときの基準となる課税価格のことです。資産には現金や預金、有価証券、不動産などさまざまな種類がありますが、その評価方法は資産の種類によって異なります。
資産の種別による相続税評価額の違い
富裕層の方にとって、アパートやマンションの経営は大きな節税につながる可能性があります。これは、アパートやマンションを賃貸する場合、土地や建物の評価額が、現金や預金と比較して少なくなり、相続税の負担が軽くなるためです。富裕層の方々は、保有資産の種別によって相続税評価額がどのように違うか把握し、資産の種別や評価額の違いを考慮しながら、適切な配分で資産を持つことが重要です。
資産の分散投資と節税対策の選択肢
富裕層における資産の分散投資の重要性
すでに紹介したとおり、資産は種類によって評価方法が異なります。このため、現金や預金よりも評価額が低い種類の資産へ分散投資することで、相続税を大きく減らすことが可能です。
例えば生命保険の場合、死亡保険金は「500万円×法定相続人数」が非課税額として控除できるため、相続税額を減らすことができます(死亡保険金を法定相続人が受け取った場合)。
また、居住用の宅地を購入した場合、一定の条件のもとで「小規模宅地等の特例」が適用され、土地の相続税評価額は80%減額されます。
ただし、保険商品や不動産の非課税枠・特例を利用するにはさまざまな条件がありますので、IFA(資産運用アドバイザー)などプロに相談するのがよいでしょう。
節税対策の選択肢とその具体的な方法
相続税を節税するには、いくつかの選択肢があります。ここでは、例として2つの方法を紹介しましょう。
【タワマン節税】
タワーマンションを購入することで、資産の相続税評価額を下げる方法です。マンションの評価額は、土地と建物がそれぞれ計算されます。このうち、土地の評価額は各部屋の占有面積に応じて分割計算されるので、総戸数が多いタワーマンションは土地の評価額が小さくなります。また、建物の評価額は低層階も高層階も同じですが、市場価格は高層階の方が高いため、高層階を購入するほど節税効果があります。ただし、タワマン節税は節税効果が大きいため規制の動きがあるので、今後は注意が必要です。
【住宅資金贈与の特例】
お子さんやお孫さんが住宅を購入する際、最高1,000万円まで住宅購入資金の贈与が非課税となる制度です。通常、生前贈与(死亡日から3年以内の贈与に限る)は相続税の対象となりますが、本特例で贈与した資金は相続税の対象となりません。このため、住宅資金贈与の特例は相続税の節税手段としても利用できます。ただし、住宅資金贈与の特例は2023年12月31日までの期間限定特例となっているので注意してください。
富裕層に特に関連する注意点とポイント
富裕層が押さえるべき相続手続きの基本事項
相続手続きを円滑に進めるためには、事前に適切な準備と手続きを行うことが重要です。富裕層の方々は、遺言書の作成や納税資金対策など、相続に関するポイントを押さえておくことが必要です。また、相続へ備えた準備は、公的機関や税理士など専門家の助言を受けながら、適切に進めることが重要といえるでしょう。
富裕層における相続対策の特別なポイント
富裕層の方々は、相続対策をすでに行っていることも多いと思いますが、それでも注意を必要とするポイントがあります。例えば、海外資産や国際的な相続の場合は、海外の法律や税制にも注意が必要です。また、事業承継や家族信託など、富裕層ならではの相続対策も存在します。このため、専門家のアドバイスを受けながら、個別の状況に応じた相続対策を行いましょう。
まとめ
富裕層の方々にとって、相続対策は重要なテーマです。相続税の負担を軽減するためには、早い段階での適切な対策が必要といえるでしょう。遺産の種別や評価額の考え方、相続対策としての資産の分散、節税対策の選択肢など、基本ポイントを押さえておくことが重要です。また、富裕層ならではの注意点や必要な対策もあるため、専門家の助言を受けながら、円滑な相続準備と手続きを進めましょう。
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