自分に合ったプライベートバンクをどう選べばいいのか? 最新のプライベートバンク事情を解説!(後編)

はじめに

資産がたくさんある方であれば、一度はプライベートバンクの利用を検討されたことがあるのではないでしょうか。

私は日系、アメリカ系、スイス系の金融機関のプライベートバンク部門で11年間、プライベートバンカーという営業担当者としてお客様の資産を預かり、資産運用してきました。実際に働いていた私だからこそ知っている現在のプライベートバンク事情と自分に合ったプライベートバンクの選び方をご紹介します。

ここまでは日本人が取引可能なPBを紹介してきました。では、自分にあったPBはどのように選べばいいでしょうか。まずそもそもPBというくらいなので、取引するにはそれなりの資産規模が必要になります。自分の資産規模によって、取引するPBを選ぶというのは一つの基準になります。

自分にあったPBとは?

①預け入れ金額から選ぶ

私がいたクレディスイスやUBSの対象顧客は純金融資産が10億円以上です。また最低でも5億円程度以上の預け入れ資産がなければ、口座維持にコストがかかるようになっています。つまり5億円以上預けられないのであれば、顧客として認めないということです。

では最低の5億円を預けたら、すごく良いサービスを受けられるのかというとそんなことはありません。現在、PB業界は顧客を保有資産上位に絞り込んでいます。

5億円程度の預かりだと会社にとっても、担当者にとってもそこまで重要な顧客ではないという認識になります。ではどれくらい預けられればいいのかというと20億円から30億円が一つの目安になるかと思います。それくらい預けると優良顧客として、それなりに充実したサービスが受けられます。

では、預けられる資金が数億円の場合はどうでしょうか。日本の大手銀行、大手証券、信託銀行のPB部門は検討可能です。個人的には日系のPBは最低預け入れの基準が曖昧な会社が多いように感じます。

②目的別から選ぶ

次に目的別に考えたPB選びです。低いコストで、幅広い金融商品に投資したいのであれば、海外のPBが合うでしょう。日本と比べると海外のPBの方が効率的に資産運用をしています。

投資対象も日本のように規制が厳しくないので、非常に幅広くなります。しかし、問題は担当者が日本では商品勧誘ができない点です。これは日本の規制によるルールですが、海外でなければ詳細な提案を受けることができないので、海外にあまり行かないという方には向かないと言えます。

最も海外PBが向いているのが移住している、もしくは検討している富裕層です。海外のPBでは移住や永住権、ビザ、子供の学校選びについてもお手伝いしているところもあり、親切にいろいろ教えてくれるでしょう。

③ローンから選ぶ

次に、ローンの観点ではどうでしょうか。保有している株式や債券を担保に借入を起こすことができる証券担保ローンという機能がPBにはあります。そういったローンが強いのは一番は海外PB、次に日本のクレディスイスやUBS、最後に日系のPBです。

しかし、シングルストックと呼ばれる1銘柄の株式の証券担保ローンになるとこの順番が逆になります。1銘柄でそんなにたくさん株を持っている人がいるのかと考えるかもしれませんが、そういった方がたくさんいるのです。

それは上場会社の創業者や創業メンバーです。1銘柄の株式だけで数億円から数十億円保有している方は実はたくさんいます。

海外PBは様々な株や債券に分散されているポートフォリオにはとてもローンをつけやすいのですが、1銘柄になるとまるでダメです。外資系は全体的に弱いと言えるでしょう。

しかし、これが日系の銀行や証券会社では対応できるときがあるのです。日本の金融機関のPBを使う価値があるのは、理屈を超えて良い条件のローンが出ることがある点です。ローンを検討されている方は、一社打診するだけではなく、何社かに打診して、あいみつをとりましょう。

あと不動産を担保にしたローンに関しては日系の銀行PBしかできません。私の印象では特に国内4番手のりそな銀行のPBが富裕層向けの不動産担保ローンには強いと考えています。

後編では、資産規模や目的別に自分に合ったPB選びの基準を見てきました。世の中には多くのPBが存在していますが、その情報は公開されておらず、自分に合ったPBを選ぶのは大変な作業になります。この記事がそういった方のPB選びの参考に少しでも、お役に立てたら嬉しく思います。

当社は資産配分と資産運用設計の最適化のコンサルティングがメインの事業です。資産運用設計の中にはどこの金融機関を使うか、そもそも日本がいいか、海外がいいかという議論もあり、その方にとって最適なPBを選ぶお手伝いもしております。

もしPB選びにお困りになりましたら、いつでもご相談をいただければと思います。

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