今注目の出向起業とは?出向起業等創出支援事業のメリットとデメリット

はじめに

「出向」と言えば、出向元企業に籍を置きながら、他の企業に出向することを指すのが一般的です。しかし、最近では「出向起業」として、出向という名の起業を始める企業が増えています。

そこで今回は、出向起業とはなにか?経済産業省が行っていた事業「出向起業等創出支援事業」とは?について、お伝えします。ぜひ参考にしてください。

出向起業とは

出向起業とは、大手企業などに勤めながら自ら起業をしたり、スタートアップに出向したりすることです。出向と言えば、出向元企業との雇用契約を維持しながら、従業員が別の企業へ異動することを指します。

一方で、出向起業は出向元起業と雇用契約を維持しながら、従業員自らが「起業」する点で大きな違いがあります。

大手企業などは、業績へ与える影響を最小に抑えながらも、新規事業の創出ができるなどのメリットがあるでしょう。一方で、従業員もスキルアップや人材育成と言った観点でメリットがあるでしょう。

さらに、大企業へ籍を置いているため、万が一のリスクにも備えられる点も大きいです。日本人はリスクを取ることを嫌う傾向にあるため、この出向起業という働き方が重宝されるのではないかとの見方も強まっています。

出向起業支援でサポート

経済産業省では出向起業支援サポートとして、「出向起業等創出支援事業」を行っています。この事業では、出向起業を目指す企業をサポートし、起業家の創出を後押ししています。

出向起業等創出支援事業では、最大500万円を限度に新規事業の1/2~2/3までの経費を補助しており、下記の条件を満たさなければいけません。

・フルタイムで経営者として従事すること
・設立後は独立もしくは買い取りの計画が立てられていること
・所属企業以外の資本が80%以上であること

以上3点の条件を満たすことで「出向起業」として認められます。

なお、2020年4月~6月に第一次公募が行われ、同年8月~9月に第二次公募が行われましたが、今後の予定は未定です。

出向起業のメリット・デメリット

出向起業では、企業側及び従業員側双方でメリットがあります。その一方で、両方にデメリットもあるので注意しなければいけません。次に、出向起業のメリット・デメリットについてお伝えします。

【メリット】

出向起業の一番のメリットは、リスクを最小にしながら新規事業を創出したり、起業を始めたりできることです。企業側は、不確実な事業への資金導入などを嫌いますが、出向起業では始めやすいと言ったメリットがあります。

また、従業員も「会社を辞めて起業」するよりも、リスクを最小に抑えられるメリットがあります。万が一のことがあっても、「大企業に籍を置いている事実」が最大の強みになるでしょう。

企業・労働者双方でリスクを最小にしながら、新しいことを始められる出向起業は、日本人の性格にぴったりな事業と言えるでしょう。

【デメリット】

出向起業のデメリットは、公募しにくい点でしょう。先にもお伝えしましたが、第一次、第二次の公募は終了しており、今後の予定もありません。

とても魅力の多い事業でありながら、今後の予定がないのはとても残念なことです。また、公募期間も2か月に満たない短期間であるため、時間的に余裕のない印象を受ける事業と言えるでしょう。

まとめ

今回は、出向起業についてお伝えしました。出向起業とは、大企業に籍を置きながら、起業に挑戦できる。企業は、リスクを最小にしながら新規事業を創出できるなど、とてもメリットの多い事業です。

経済産業省では、出向起業等創出支援事業の事業も行っており、出向起業を後押しするような事業を開始しています。現時点では、次回以降の公募予定は決まっていませんが、次回以降の予定が発表されれば、注目しておきましょう。

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