はじめに
「給与は現金でもらうのが当たり前」そう考える方が多い今、給与のデジタル払いが解禁されるとの話題がありました。
昨今、世界中のみならず日本国内でもキャッシュレス決済が普及し、現金を持たない方も増えてきました。そのような現状を踏まえ、給与をキャッシュレスで支払う「給与デジタル払い」が解禁されることとなりました。
今回は、給与デジタル払いとは何か?そのメリットやデメリットは?など、あらゆる疑問についてお伝えしていこうと思います。現代だからこその「給与デジタル払い」、ぜひ参考にしてください。
給与デジタル払いとは?
給与のデジタル払いとは、給与の受け取りを電子マネーやプリペイドなどで支払ったり受け取ったりすることを言います。
昨今、キャッシュレス化が急速に進み、スマートフォン1台あればほとんどの決済が可能となり「現金」を持つことが少なくなってきました。ところが、給与はかならず銀行口座で現金で振り込まれるため、銀行口座等からチャージして利用するなど、手間がかかることも問題点のひとつとして挙げられています。
中には「給与も電子マネー等で受け取れたら楽なのに」と考えたことがある方もいるでしょう。その「こうなれば良いのにな」が現実になったので話題になっているのです。
具体的なデジタル払いの中身は、コード決済や電子マネー、国際ブランドプリペイドが挙げられています。給与デジタル払いでは現状、仮想通貨での支払いは認めていません。これは、価格変動が大きいことが懸念されているためです。
給与のデジタル払いが解禁
日本の労働基準法では給与の支払いについて以下の5つのことを基本原則としています。
通貨で
直接労働者
全額
月に1回以上
一定の期日を定めて支払うこと
実際には、労働者が同意したときに限っては銀行振込を認めているため、安全性なども考慮したうえで銀行振込が主流となっています。この法律で言う「通貨」は基本的に法定通貨のことを指しているため、今まではデジタル払いが認められることはありませんでした。
ところが、キャッシュレス決済の普及や菅新政権の「デジタル化」などを考慮してデジタル払いを解禁する流れとなりました。早ければ2021年春から開始される見込みのようです。
従業員・企業側のメリットとデメリット
給与をデジタル払いで受け取る従業員側のメリットは「利便性」につきるでしょう。とくに、キャッシュレス決済を普段から利用している従業員にとっては、わざわざチャージをする手間が省けるので、その利便性は高いでしょう。
企業側のメリットとしては、外国人労働者への利便性や、振込手数料の軽減、事務作業の効率化、福利厚生などが挙げられます。希望した従業員にのみデジタル払いを行っていれば、双方にメリットを得られることでしょう。
一方で、資金移動業者が経営破綻したときはどうなるのか?といった部分は、従業員・企業側双方で懸念しなければいけない部分です。もっとも、資産の保全やスムーズな出金等を行えるのか?など、利便性がある反面で不安も残ります。
また、給与の受け取りを確実に行うための本人確認もどう行っていくのか、不正等が発生したときはどうするのかなど、課題は山積みでしょう。ただ、給与のデジタル払いによって、キャッシュレス決済がさらに活気づき、新規参入が増えることは言うまでもないでしょう。
まとめ
今回は、給与のデジタル払いについてお伝えしました。
経済産業省によると2019年の日本のキャッシュレス普及率は30%弱で、世界的に見ればとても低いです。しかし、確実にキャッシュレス決済へ移行している方が多いのも事実です。
キャッシュレス化の推奨、利便性の向上などを考えれば給与デジタル払いもとても良いことでしょう。まだまだ課題は山積みですが、給与デジタル払いに伴うキャッシュレス決済の増加、新規参入も含め要注目しておきたいところです。