2019
09/19

はじめに

資産運用と言うと、株式や投資信託に目が行きがちです。しかし、債券はあらかじめ条件が決められているため、安定した収益が見込めるミドルリスク、ミドルリターンの金融商品です。

資産運用を行うポートフォリオに債券を取り込むと、バランスの取れた安定した運用に期待できます。

そこで、債券の基本について3回シリーズでお届けしており、今回は債券シリーズ第2弾、具体的な債券の商品と取引のリスクについて、わかりやすく解説いたします。

具体的な債券商品

一般に債券と言うと、国債が一番初めに頭に浮かびます。しかし、現在の国債の利率は低く運用効率はよくありません。国債について少し触れた後に、相対的に利率の高い社債、外債、仕組債について触れてみたいと思います。

(1)国債

現在の国債の利率は低いですが、満期まで保有すれば元本割れリスクのほぼない債券ですので、個人投資家の方には人気があります。

ア 利付国債
満期時に元金が償還される国債で、半年ごとに利子が払われます。

利率が固定されている国債として、2年と5年ものの中期国債、10年ものの長期国債、20年、30年、40年ものの超長期国債があります。

一方、金率が変動する国債として15年ものの変動利付国債があります。

イ 個人向け国債と新窓販国債
個人向け国債は、金利の下限が決められており、発行後1年経過すると、いつでも国が買取ることにより中途換金ができます。

新窓販国債は、通常発行の国債を金融機関の窓口で売るもので、金利の下限もなく、途中売却は市場価格となるので、元本割れする可能性があります。

(2)社債について

民間企業が発行する債券で、設備投資や運転資金などを調達するために発行する債券です。

同じような資金の調達手段には株式がありますが、社債は債券のため、決められた期限に返済する義務がありますが、株式にはお金を返済する義務がありません。その点から見ると、社債の方がリスクは低いと言えます。

ア 公募債と私募債
不特定多数の一般投資家に募集を行うのが公募債で、特定少数の投資家が引き受けるものを私募債といいます。
社債においては私募形式で発行されることも多いのです。

イ 普通社債と劣後債
(ア) 普通社債
一般に社債というと普通社債を指します。定期的に決められた利息が払われ、償還されます。ただ、利率は会社の信用や発行時点の市場の金利状況で変わります。
(イ) 劣後債
これに対して、劣後債という、普通社債より相対的に利率の高い社債があります。

これは、普通債券よりも債務弁済の順が劣るため、「劣後」と言われています。

買付には大きな金額が必要になる場合が多いですが、長引く低金利環境下での投資先の1つとして魅力的な商品ですので、富裕層などを中心に人気があります。しかし、個人が購入する機会は限られます。

(3)外債について
一般に外国の政府や民間企業が発行する債券を「外債」と言います。

また、利子の支払いや償還金の支払いなどがどのような通貨で行われるかで区分したのが「円建て」「外貨建て」です。

外貨建て外債の利回りは円貨建て債券と比較すると高いのですが、為替リスクがあり、為替の変動で実質的に元本割れとなる場合もあります。
利回りの高い外債は、リスクが伴うため、投資初心者に適した商品ではないと言えます。

(4)仕組債
仕組債は、先物取引、オプション取引などのデリバティブ取引が組み込まれた債券で、利率や償還額が変動するのが特徴です。具体的にはデュアル・カレンシー債、株価連動債、EB債などがあります。

一般に高い利回りが設定されていますが、仕組みが複雑なうえ、予め定められた条件(例えば株価が一定の基準を下回るなど)になると元本割れを起こす可能性もありますので、注意が必要です。

入手しにくい債券、利回りの高い債券や外債は投資のプロに相談を

債券には魅力的な商品がありますが、投資初心者の方が購入し、運用するのが難しい場合があります。

そのような時は投資のプロにご相談ください。債券を最適な割合でポートフォリオに組み込み、効率的な運用が可能になると思います。

債券の取引でのリスクについて

(1) リスク

債券は、一般的に比較的安定した金融商品ですが、いくつかのリスクがありますので、ご紹介します。

ア 信用リスク
債券を発行した国や地方自治体、民間企業等が、経済破綻や経営破たんして、債券の利子や償還金が約束通りに返ってこなくなる債務不履行(デフォルト)リスクがあるので注意が必要です。

この信用リスクをみるために使われるものが「格付け」です。
これは債券の信用度を専門的な第三者(格付会社)が評価して段階的に表示したものです。

イ 価格変動リスク
債券には新発債と既発債があり、新規で発行される債券は「新発債」と呼ばれ、募集期間が決められており、その間に応募して当初の設定価格で購入することになます。

他方「既発債」は既に発行された債券をいい、市場実勢で価格が決められて売買されます。

債券は日々取引されて価格が動きます。時価で購入した債券の価格が、売却時に購入時より下がっていた場合には、損失を被る可能性があります。

ウ 流動性リスク
債券の発行体の経営不振情報が流れたりすることで取引が出来なくなることを言います。多くの場合は「信用リスク」と関連があります。

まとめ

今回は具体的な債券の商品と取引のリスクについて解説いたしました。現在の債券の利率は低く、株式に比べると魅力がないように思いますが、投資のプロが扱う社債や外貨建て外債の中には利率の高いものもあります。

プロのアドバイスを貰いながら、このような債券をポートフォリオに加えましょう。きっと効率的な資産運用が可能となることでしょう。
次回の債券シリーズ第3弾は商品の選び方と税金について解説いたします。

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本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者20万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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