皆さんこんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
目次
はじめに
本日のテーマは「世古口も最近投資した米ドル債券のオススメ発行会社5選」という内容でお届けしたいと思います。
皆さんが米ドル債券を選ぶ際に重要な要素の一つとして、発行している会社というのがあるかと思います。
債券は、その会社が倒産しない限り利金が入ってきて、最後に元本が返ってくるので、倒産しない発行会社を選ぶことが非常に重要となってきます。
皆さんが発行会社を選ぶときに、どの会社が良いか、倒産しないだろうか、業績が良さそうだとか、なかなか選ぶのは難しいと思いますので、私自身が最近投資をした米ドル債券を発行してる会社の中で、おすすめできる発行会社を紹介できればと思います。
発行会社5選
それでは早速お伝えしていきたいと思います。
発行会社5選ということで、会社名も出して表にしてありますが、一番左の列が発行してる会社名で、その次の列が発行体の格付けです。
これは発行体自体の格付けで、会社自身の信用力を表しています。
その次の列が株式の時価総額で、その会社の株式市場での価値であったり、価値の大きさを表しています。
株式の時価総額が大きいほど会社の企業価値も高いので、債券投資においても望ましいといえると思います。
一番右側は会社の業績です。会社も赤字にならなければ、基本的倒産することはありませんので、黒字の方が好ましいです。
このような意味で、簡単ではありますが、業績も表に載せています。
続いて、一番左側の発行会社5選がどのような会社なのか見ていきたいと思います。
バンクオブアメリカ
1社目は、バンクオブアメリカという会社です。どのような会社といえば、アメリカの銀行で、商業銀行や投資銀行といった、さまざまな銀行業務を行っている総合銀行です。
規模でいうと、アメリカの銀行の中でも2番目に大きな銀行です。発行体の格付け、信用力だとシングルA-なので、格付けは非常に高いと思います。
日本でいえば、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、これらメガバンクの発行体格付けがシングルA-なので、同じくらいの格付けです。
株式の時価総額については32兆円なので、非常に時価総額の大きな会社といえます。
三菱UFJ銀行の時価総額が現在15.7兆円くらいなので、2倍くらいの価値があり、三菱UFJ銀行の倍ぐらい株式市場において評価されてるいるということです。
直近の業績ですが、直近の過去3期では純利益ベースで黒字です。
これが1社目のバンクオブアメリカです。アメリカで2番目に規模の大きな銀行で、格付けシングルA-で、株式もこれくらい評価されていて、直近の過去3期も黒字であるということで、おすすめの債券発行会社といえます。
ゴールドマンサックス
2社目がゴールドマンサックスです。また、アメリカの銀行になりますが、こちらは商業銀行ではなく、投資銀行だけやっています。投資銀行といって企業のM&Aを仲介したり、会社の株式発行IPOを手伝ったり、このような業務に特化している銀行になります。
ゴールドマンサックスは、投資銀行としては、世界で一番大きな規模がある銀行です。
世界で一番成功してる投資銀行といえます。発行体の格付けはトリプルB+で、バンクオブアメリカよりも1ランク発行体格付けで低いのですが、これはゴールドマンサックスがどうかではなく、投資銀行という業務自体が、マーケットの状況や、企業の状況によって若干波があるということです。このような業種の特徴をみて、格付けが若干低くなっているという側面があるものと考えています。
株式の時価総額も14.7兆円くらいなので、三菱UFJなど日本のメガバンクで一番大きな銀行と同じくらいの規模感です。
直近の業績は過去3期最終黒字なので、バンクオブアメリカと同じようなイメージです。
オラクル
3社目はオラクルです。こちらは、アメリカのインターネット系の会社です。
オラクルは、IT系の会社でソフトウェアの会社なのですが、特にデータベース関連のソフトウェアに強い会社で、比較的歴史のある会社です。
発行体格付けはBフラットなので、ゴールドマンサックスからみると1ランク格付けが低くなっていますが、株式時価総額で見るとかなり評価が高く44.5兆円という規模感です。
業績も過去3期最終黒字なので格付けは若干低いですが、株式市場で非常に評価されています。また、ソフトウェア関連の会社なので、これまで積み上げた実績や顧客がありますので、今後も安定的に利益を生み出し続ける可能性が高いという点でおすすめできます。
ちなみに、44兆円の時価総額というのは、日本で一番時価総額が大きいトヨタ自動車の42兆円を上回っています。
オラクルはこれだけの規模の会社なので、確かに格付けはゴールドマンサックスやバンクオブアメリカより1段階低くはなりますが、株式の評価や業績の安定感を考えると、非常におすすめできる債券発行会社だと思います。
マクドナルド
4社目もアメリカの会社で、マクドナルドです。
皆さんが大好きなマクドナルドですが、米ドル債券を発行しています。格付けはトリプルB+で、株式の時価総額は28.2兆円です。
したがって、格付けも高くて時価総額でみても、かなり大きな規模の会社といえます。
業績も過去3期黒字なので、新型コロナが流行した2020年もしっかり最終黒字になってるので、非常に素晴らしい会社ということがいえると思います。
つまり、米ドル債券の発行会社としてもしっかりおすすめできる会社ということです。
ウォルト・ディズニー
最後の5社目はウォルト・ディズニーということで、皆さんもご存知のディズニーランドを運営している会社です。
発行体格付けはシングルA-なので、バンクオブアメリカと同じ格付けです。時価総額は22.8兆円で、業績は過去の直近2期は黒字ですが、3期前の2020年は最終赤字でした。
しかし、2020年は新型コロナの流行があり、エンターテイメント系の会社はほとんどが赤字だったので、突発的な赤字といえると思います。
つまり、慢性的に続くものではないと考えていますので、他の会社は直近の過去3期黒字で、ウォルト・ディズニーだけ2期黒字になるのですが、例外的な赤字と考え、特に問題ないと判断して投資を行っています。
これらが、「世古口も最近投資した米ドル債券のオススメ発行会社5選」ということです。
まとめ
最後に、今回の話をまとめたいと思います。
皆様が、米ドル債券投資するときの発行会社を選ぶ基準として、参考にしていただければと思います。
格付けはトリプルB-以上で年利回り5%以上を確保
1つ目は、先ほどの会社の格付けの話のとおり、私が投資している債券は、比較的格付けが高めの会社が多いです。基本的に、発行体格付けトリプルB-以上で、あとは年利回り5%以上を確保できる発行会社に投資しています。
もちろん、低格付け債券に投資することもあるのですが、直近では、アメリカの基準金利がかなり上昇しているので、格付けが低い会社に投資をしなくても、比較的高い利回りが確保できるということです。
基本的に投資適格債と呼ばれる、トリプルB-以上の格付けの債券に投資をしているという傾向です。
私自身、債券投資をする場合は年利回り5%以上を確保できる債券に投資をすることが多いのですが、現在は格付けが低い債券に投資をしなくても、5%以上の利回りを確保できる状況だと思います。
特に、投資にそこまで詳しくなく、初めて債券投資するような方であれば、基本的に格付けトリプルB-の投資適格といわれる格付けの債券に投資していくのが良いだろうと思います。
株式時価総額は10兆円以上あれば安心感高い
2つ目のポイントです。株式の時価総額についても言及しましたが、個人的には時価総額が10兆円以上あると安心感が高いといえるのではないかと考えています。
時価総額が3兆円、4兆円だから駄目というわけではありませんが、10兆円以上であればかなりの企業規模で、株式市場から評価されており、利益も安定的に出てることが多いです。
このため、株式市場の状況にもよりますが、時価総額10兆円は1つの基準にしていただければと思います。
業績は直近3期連続で最終黒字
ポイントの3つ目です。業績も非常に重要だと考えています。やはり、直近3期連続で最終黒字というのが望ましいと思います。
新型コロナの流行があって、一時期の赤字などイレギュラーな赤字は仕方ないと思いますが、過去2期から3期赤字という会社より、直近3期連続で最終黒字というのは、投資先を選ぶ基準にした方が良いと思います。
期間が長い超長期債はアメリカの発行会社が多い
最後に4つ目のポイントです。オススメ発行会社5選で紹介したように、アメリカの発行会社が多いと気づかれた方もいらっしゃるかと思いますが、これには理由があります。
現在、世界中の金利がとても高い状態なので、私は超長期債と呼ばれる、期間が非常に長い10年〜20年、30年という期間の債券に投資をしています。
このような超長期債を発行してる会社はアメリカに多いため、超長期債に投資する場合は、必然的にアメリカの発行会社となることが多いです。
皆さんも、超長期債へ投資する場合は、アメリカの会社の中から選んでいくことになると思います。
その中で、どの会社が良いのかということを、今回紹介した基準で選んでいくというのが良いと思います。
本日は「世古口も最近投資した米ドル債券のオススメ発行会社5選」という内容でお届けさせていだきました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中