皆さんこんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
本日のテーマは、「世古口がここ1年で投資した米ドル債券ポートフォリオを公開」という内容でお届けしたいと思います。
目次
はじめに
私自身もここ1年くらいで、米ドル債券に2億円くらい投資を進めてまいりました。
今回は、私自身がどういった債券に投資をして、どのような債券ポートフォリオを組んでいるのかということをお話しさせていただいて、皆様の米ドル債券投資の参考にしていただければと思います。
米ドル債券ポートフォリオ設計
早速ですが、米ドル債券ポートフォリオを見ていただきたいと思います。
こちらが、主に2023年、今年に入ってからが多いですが、この1年間に投資をした米ドル債券のポートフォリオです。
主に18銘柄くらいに投資をしています。こちらの表は、いつもと同じですが、左側①が発行会社、個別の銘柄・発行体名まではお伝えできませんので、発行会社の業種と国を記載しています。
割合としては、銀行の債券が多いかなと思います。保険会社とか金融機関が過半数くらい占めていて、それ以外はITや小売、サービス系、石油系、そういった企業に分散して投資しているイメージです。
国でいうと、アメリカが過半数くらいで、残りがその他の国というイメージです。
アメリカの割合は少し多くて、6割ぐらいでしょうか。その次の列が債券の種類で、こちらはCoCo債や期限付きの劣後債、いわゆる劣後債と呼ばれる債券の種類が半分くらい、残り半分が普通社債というイメージになっています。
続いて②の格付けです。債券の格付けは、BBB-からBBB+くらいのものが多く、たまにA-以上のものが含まれているイメージとなっています。
債券の平均格付けはBBB+ですが、発行体格付けだと少し劣後債が多いので、格付けが債券より上がって、平均でA-になっています。
③の債券の残存年数、お金が返ってくるまでの期間ですが、意識的に分散をしていまして、10年以内のものが8銘柄、10年から20年が3銘柄、20年以上の債券が7銘柄です。
よくこのチャンネルでお話させていただくように、今の高金利は歴史的なチャンスであると考えていますので、できるだけ長い債券で高
い利回りを長期間享受したいということで超長期債、期間が10年以上とか20年以上の債券を比較的多めに債券ポートフォリオに取り入れています。
これによって、平均残存年数も15年となっていますので、比較的期間が長い債券のポートフォリオといえるのではないかと思います。
一番右側④の年利回りはどうなってるかといいますと、基本的に5%以上の利回りがある債券にターゲットを絞って投資をしています。
それプラス、CoCo債であったり、一部リスクが高い業種の債券もあったりするので、利回り全体も底上げされていて、債券ポートフォリオ全体の利回りで6.3%になっています。
こういったところが、私がここ1年くらいで投資、買い増ししてきた債券ポートフォリオということになります。
ポイント
債券の年利回りは単体で5%、平均で6%以上を目標
1つ目のポイントですが、私の債券投資の考え方として、基本的に債券単体で年利回り5%以上という債券だけソーシングして選んでいます。
そういった債券のポートフォリオを作り、利回りが高めの債券も組み入れることで、債券ポートフォリオ平均で6%以上の利回りを目標に運用していて、そこをできるだけ維持できるに運用しています。
これが1つ目のポイントです。
CoCo債や劣後債を活用して利回りを底上げ
2つ目のポイントです。このように、債券ポートフォリオ全体の平均利回りが6%なので、今の米国10年国債の利回りが4.7%とか基本金利が高い状況であれば、これくらいの利回りを追求するのは、そこまで難しくないのですが、平常時だとこれは非常に難しいです。
したがって、先ほどの表にあったようにCoCo債や劣後債といわれるような、普通社債より比較的リスクが高いような債券をポートフォリオに組み入れることによって、平均利回り6%以上を実現している状況です。つまり、利回り全体を底上げしているわけです。
これが2つ目のポイントです。
銀行債は金融不安で利回りが高い時期に投資
3つ目のポイントです。この債券ポートフォリオでは、銀行社債の割合が多かったと思いますが、私自身がマーケットを毎日見てるという関係で、今年かなり金融不安で銀行の債券価格が軟調、つまり下落するタイミングがあり、利回りが高いタイミングで投資できたということです。
良いタイミングで銀行の社債に投資できたことが、債券ポート全体の利回り上昇に寄与しているという側面があるのかなと思います。
これが3つ目のポイントです。
円安時は期間の長い債券、円安時は短めの債券に投資
最後の4つ目のポイントは、「こういった考えで投資をしている」という話になりますが、為替がここ1年ドル高・円安のときは、140円台とか150円近くに行っていたと思います。こういうタイミングのときは、私は期間が長い債券に投資をします。
期間が長い債券は、今のようにアメリカの金利が高まって、為替がドル安・円高のときは、逆に債券の価格は安く、利回りがそれなりに高くなっているという状況なので、円安のときであればあるほど、期間が長い債券に投資をしています。
逆に、円高のときもあります。2023年も円高のときは130円前後くらいまで行きました。そういうときはもれなくアメリカの金利も低くなっていますので、円高のときは期間が短めの債券に投資をするわけです。
このように、アメリカの金利や為替の関係によって、投資する債券の期間をコントロールして、債券のポートフォリオを作っていくということを行ってきました。
まとめ
こういったところが私の債券ポートフォリオ、ここ1年間で構築してきたポイントになります。
というわけで、本日は「世古口がここ1年で投資した米ドル債券ポートフォリオを公開」といった内容でお届けさせていただきました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中