アメリカ国債だけでなく米ドル社債にも投資した方がいい理由を解説!

皆さんこんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。本日のテーマは「アメリカ国債だけでなく米ドル社債にも投資した方がいい理由」です。

はじめに

最近、よく「アメリカ国債だけに投資してもいいのではないか」というご相談をいただきます。
その背景・理由としては、アメリカ国債の利回りが再び上昇してきたことが挙げられます。
昨年、利回りが高い時で4%を超える水準だったのですが、最近同じくらいの利回りに戻っています。
こういった背景から、今回はアメリカ国債だけではなく、社債にも投資した方がよいと思う理由について話をしていきたいと思います。

アメリカ国債だけでなく米ドル社債にも投資した方がいいと思う理由

今回はシンプルな内容なので、まとめから入りたいと思います。
アメリカ国債だけでなく、米ドル社債にも投資した方がいいと思う理由について、4つのポイントにまとめます。

発行体リスクは米国債といえど分散させた方がいい

まず、一つ目のポイントは債券の発行体リスクについてです。
投資対象が米国債だとしても、発行体を一つに絞るというのは、発行体の集中リスクが高いと思います。

それ以外の発行体、例えば社債などへ投資して、発行体リスクをいろいろな企業に分散させた方いいと考えています。
米国債がデフォルト扱いになると、米ドル建ての社債もデフォルト扱いとなり、「米ドル建て債券すべてが終わりになるのでは」と考える人も多いのですが、そんなことはありません。

例えば、今年は2023年ですが、アメリカの債務上限問題というのがあって、「アメリカ国債がデフォルト扱いになるのではないか?」という事象がありました。

実際には、デフォルトが回避されたのですが、これがデフォルト扱いになったとしても、米国債だけがデフォルト扱いになって、その他の米ドル建て債券、企業が発行している社債がデフォルト扱いになることはないわけです。

リスクという点では、米ドル国債と米ドル社債では、発行体リスクが異なるので、分散する意味があるということになるわけです。
したがって、同じ米ドル建て債券だけとはいえ、米国債もあるし、社債として企業AがあるしBもある、そしてCもある。いろいろな社債に分散投資するというのが、やはり良いのかなと思います。

そういう中で、米国債というのは格付けが限りなく最上位で、信用力がかなり高いため、投資割合を増やすのは良いと考えています。
具体的には、米国債の割合を債券ポートフォリオ全体の1割とか2割に設定し、他の債券の割合を8割や9割にするというのはいいと思います。
しかし、債券ポートフォリオの中身を、すべて米国債だけにするというのは、発行体が集中しすぎだと思います。

仮にバイアスをかけて米国債の割合を高めるにしても、2割とか3割とか、それくらいの割合にとどめ、社債などに分散した方がよいと考えます。

米国債だけだと期間分散が十分できない可能性がある

二つ目のポイントは、期間分散についてです。

アメリカ国債だけに投資した場合、若干問題があるのが債券の期間分散です。

通常、証券会社を利用して米国債に投資すると思うのですが、 米国債自体のラインナップがたくさんある証券会社は少ないので、期間分散が十分にできないという問題が生じるわけです。

例えば5年の米国債とか、10年の米国債とか30年国債とか、 証券会社がどれくらいの種類を扱っているかわかりませんが、仮に5種類の米国債を扱っていたとしても、その5つの債券だけに投資するということになりますので、期間が十分に分散されないわけです 。

可能であれば、数年ごとに償還を迎える債券でポートフォリオを組むというのが理想的ですが、そのようにうまくポートフォリオを組めない可能性が出てくるわけです。

このような理由から、いろいろな期間の社債まで組み合わせたら、かなり期間分散ができると思います 。

そういった意味でも米国債だけでなく、米ドル社債もポートフォリオに組み入れた方がいいと考えています。

社債の上乗せ利回りを得ないのはもったいない

三つ目のポイントは、社債の上乗せ利回りについてです。

これも、そもそもの話にはなるのですが、やはり社債の上乗せ利回りを得ないのは、非常にもったいないことだと思います。

仮に、米国債の利回りが4%だとして、格付けがそれなりに高い企業の社債に投資を行い、少ないリスクを取れば、利回りが4%から5%になるわけです。

このように聞くと、たかが1%の差と思われる方がいらっしゃるかもしれないですが、債券の利回りの4%と5%ではかなり違います。
割合で言えば2割も違うわけですので、収益性が2割違うということになり、かなり大きな利回りの差になると思います。

このように、若干のリスクを取ることで1%の差、つまり2割の差を得に行かないというのは、とてももったいないことだと思います。

やはり、発行体でリスクの分散を図るとか、期間の分散を図るとか、社債の上乗せ利回りを得るということも考え、米国債だけではなく社債にも投資した方がいいのかなと思います。

米国債と格付A-以上の社債の組み合わせがおすすめ

四つ目のポイントは、「おすすめはどうなのか」という点についてです。

債券投資を行う中で、米国債だけに投資したいと考える方はかなり保守的な考えをお持ちだと思います。

すでにお伝えした理由で、やはり米国債だけに投資するというのは、それなりに発行体の集中リスクもあって、利回り的にももったいないという側面がありますので、これからは、米国債と他の社債を組み合わせるという運用の方法がいいと考えています。

具体的には、米国債プラス格付けがシングルA以上の債券であれば、かなり信用力が高い債券なので、だいぶ保守的な米ドル債券運用ということになり、いいのかなと思います。

この米国債と社債の割合に関しては、最初の方でお伝えした通り、米国債の割合が高くてもだいたい2割または3割ぐらいに留めて、格付けA-以上の社債の割合を7割とか 8割くらいにするポートフォリオの組み方がいいのかなと考えます。

そういったところで、本日は「アメリカ国債だけではなく米ドル社債にも投資した方がいい理由」という内容をお届けしました。

今回の内容については「世古口俊介の資産運用アカデミー」でも視聴できます。

<ご注意事項>
・当社の所属金融商品取引業者等は株式会社SBI証券、エアーズシー証券株式会社です。
・当社は所属金融商品取引業者等の代理権は有しません。
・当社はいかなる名目によるかを問わず、その行う金融商品仲介業に関して、お客様から金銭および有価証券のお預かりを行いません。
・各商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。
[金融商品仲介業者]
商号等:株式会社ウエルス・パートナー  登録番号:関東財務局長(金仲)第810号
[所属金融商品取引業者]
商号等:株式会社SBI証券 金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者 
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会
商号等:エアーズシー証券株式会社 金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第33号
加入協会:日本証券業協会

債券に関するご注意事項
(1) 個人向け国債
個人向け国債を募集により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
個人向け国債は、原則として、発行から1年経過すれば中途換金が可能です。なお中途換金する際、原則として「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」の中途換金調整額が、売却される額面金額に経過利子を加えた金額より差し引かれます。ただし、発行から一定期間の間に中途換金する場合には、中途換金調整額が異なることがあります。
(2) 円貨建債券
円貨建債券を募集・売出し等又は各金融商品取引業者との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。
債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。
(3) 外貨建債券
外貨建債券を募集・売出し等又は各金融商品取引業者との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。
外貨建債券を円貨で購入される場合、為替取引には為替スプレッドがかかります。
外貨建債券の利金・償還金の円貨での受取を指定した場合、為替スプレッドがかかります。
外貨建債券の途中売却は、外貨決済のみの受付となります。
外貨から円貨への為替取引には、各金融商品取引業者の定める為替スプレッドがかかります。為替スプレッドについては各金融商品取引業者のWEBサイト等をご確認ください。 。
債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営、財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがあります。詳しくは「外国証券の国内店頭取引について」及び「公社債の売買取引について」をご覧ください。
外貨建債券は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
詳しくは、各金融商品取引業者のWEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

関連記事

米ドル債券の投資タイミングで迷わなくなる秘訣をお伝えします 米ドル債券の投資タイミングで迷わなくなる秘訣をお伝えします 米ドル債券の売却はいつなのか?売却方法と注意点 米ドル債券の売却はいつなのか?売却方法と注意点 CoCo債(AT1債)をリバランスする富裕層が増えている理由 CoCo債(AT1債)をリバランスする富裕層が増えている理由 【債券投資初心者必見】利回り5%の債券投資をするには? 【債券投資初心者必見】利回り5%の債券投資をするには?
ご相談はこちらから
お名前*
お名前カナ*
メールアドレス*
電話番号*
第一希望日*
ご希望のお時間*
第二希望日*
ご希望のお時間*
面談場所*
ご相談を希望するアドバイザー
当日は代表の世古口が同席する場合がございます。
大まかな保有資産額を教えてください。*
ご年収を教えてください
当社を知ったきっかけ
ご相談内容
利用規約*
上記でご入力いただいた内容は、当社からの連絡や情報提供などに利用するためのもので、それ以外の目的では使用いたしません。
また、その情報は、当社以外の第三者が利用することはございません。(法令などにより開示を求められた場合を除きます)
詳しくは、個人情報規約をご覧ください。
https://wealth-partner-re.com/policy/