2026
02/06
債券 債券投資 米ドル債券

はじめに

皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
今回のテーマは、「今、富裕層が米ドル債券への投資を“急ぐ”理由」です。

当社には日頃から米ドル債券に関するご相談を多くいただいており、特に2025年後半から2026年年始にかけて、さらにその件数が増えています。実際に私が富裕層の方とお話をさせていただくなかで、「できるだけ早く米ドル債券に投資したい」といった声を耳にする機会が増えてきました。

なぜ今、富裕層の方は米ドル債券の投資を“急いでいる”のでしょうか。今回は、その理由についてお話しします。

本内容は、資産運用に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘、売買の推奨、または投資助言を行うものではありません。
内容には作成者の見解や分析が含まれる場合があり、その正確性、完全性、将来の成果を保証するものではありません。
最終的な投資判断につきましては、ご自身の状況や目的を踏まえたうえで、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

今、富裕層が米ドル債券への投資を“急ぐ”理由

では、本題である「今、富裕層が米ドル債券への投資を“急ぐ”理由」を一つずつご説明します。主な理由は次の4つです。

理由1)米ドル債券の利回り低下を予想する富裕層が多い

これが、富裕層が米ドル債券への投資を急ぐ最大の理由と考えています。アメリカの政策金利が米ドル債券利回り形成の大元となっています。この政策金利に関しては、2024年に5.25%~5.5%をピークに7回の利下げをして、2025年末には3.50%~3.75%まで、1.75%程度下がりました。

さらに2026年にも追加で2回、0.5%程度の利下げが予想されています。トレンドとしては2024年をピークに政策金利は低下傾向にあるというのが大方の見方です。

それに伴い、アメリカ10年国債利回りも低下傾向にあります。この利回りは国が決めるものではなく、投資家の需給によって変動します。2025年の4.7%をピークに、現在の水準は4.1%程度です。2026年は未来のことなので断定はできませんが、さらに下がって4%を切ってくるタイミングもあるのではないかというのが私の見立てです。

富裕層の方が米ドル債券に投資する際、債券ポートフォリオを組んで運用を行うことが一般的です。しかし、政策金利がここまで下がってくると、残存期間が短い債券はすでに利回りが低下しており、残存期間が長い債券はまだ高い利回りを確保できているものの、ポートフォリオ全体で見たときの平均利回りは当初と比べると確実に下がり始めています。

さらに今後も政策金利が下がり、国債の利回りまで下がってくると、ポートフォリオの平均利回りは一段と低下する可能性があると、多くの富裕層が予想しています。そのため、「利回りが下がる前に、今の水準で債券ポートフォリオを組んで運用を始めてしまおう」と考え、米ドル債券への投資を“急いでいる”のではないかと考えられます。

理由2)日本のインフレを実感した富裕層の資産防衛策

日本は長らくデフレが続いていました。物価が下がり続ける現象を10年~20年と体感してきたため、インフレに対する感覚はどうしても鈍りがちでした。しかし最近は、「インフレを強く実感している」という富裕層や経営者の方が増えていると感じます。

特に都心に住む富裕層の方ほど、その変化を感じているのではないでしょうか。不動産価格や賃料の上昇をはじめ、車、絵画、ホテル代、その他全ての商品に至るまで、あらゆるモノの価格が軒並み上昇しています。いわゆる“スーパーインフレ”ではないものの、かなりのインフレを感じている方が多いと思います。

富裕層の中でも経営者の方の場合、人件費、資材価格、設備投資費用の上昇など、物価の高騰を肌で感じているのではないでしょうか。そして、多くの富裕層や経営者の方は、このインフレは一時的なものではなく、長期化すると予想しています。

戦争や原油価格の高騰による一時的な物価上昇ではなく、慢性的な人手不足による人件費上昇、円安による輸入物価の上昇といった要因が重なり、このインフレは長期化するのではないかと考えている富裕層の方が増えているのです。

そのようななか、預金だけで資産を保有していると、実質的な資産価値は2%、3%と目減りしてしまいます。「何かをしなければ資産が減っていくだけ」という危機感が富裕層の間で強まっているのでしょう。

その点、米ドル債券に投資すれば、年間で4%~5%の利回りを得られる可能性が高いので、インフレに勝ってなお余りある程度の余裕を持った運用も狙えるでしょう。日本のインフレを実感して、その対策として「米ドル債券に早く投資したい」という富裕層の方が増えていると考えられます。

理由3)中長期的な米ドル高・円安を予想する富裕層の相場観

日本円の「弱体化」を肌で感じている富裕層の方が多いのではないでしょうか。特に2022年以降、日米の金利差拡大を背景に米ドル高・円安が進みました。しかし現在、日米金利差は縮小しているのにもかかわらず、米ドル高・円安は依然として継続しています。

「日米金利差で為替は動いていたのではなかったのか」と感じている方もいらっしゃるでしょう。その現実を見て、多くの富裕層は円の力を見限り、諦め始めているように感じられます。

背景にあるのは、日本の構造的な問題です。日本の金利が上昇すると、国債の利払いが大きく増えて日本の財政を圧迫します。それが為替、通貨にとってはマイナス要因になってしまい、円がなかなか上がらないわけです。

一方で、社会保障問題や少子高齢化問題といった現実を考えると、日本国債を減らし、財政を抜本的に改善するのは容易ではありません。こうした状況を踏まえ、「日本円は強くなりにくい」と、論理的に考えている富裕層の方は一定数いらっしゃいます。

そして、この米ドル高・円安が構造的な問題であると考える以上、長期化する可能性が高く、局面によってはさらに進むのではないかと予想する富裕層の方も少なくありません。こうした中長期的な見通しを持つ富裕層の方にとって、米ドル債券は合理的な選択肢となり、今、米ドル債券投資を“急いでいる”大きな理由の一つになっているのではないかと思います。

理由4)値上がり続ける株式、不動産から安全資産への移行

2012年のアベノミクス以降、日本株式や不動産も基本的には上昇基調が続いてきました。さらに米国株などは、それ以上の上昇を見せています。しかし、こうした状況を、多くの富裕層は「さすがに上がりすぎているのではないか」と感じ始めています。

ジェットコースターのように上がり続けたものが、「あるとき一気に下落するのではないか」と警戒感を強めています。そこで、そろそろ安全資産である債券に移しておいた方がいいという判断が広がっているのです。

実際に株式や不動産を売却し、米ドル債券に移行する富裕層の方が増えています。特に米国株を運用している富裕層の場合、米ドル建ての株式を売却し、そのまま米ドル債券へ安全に移すことができるため、資産の切り替えはスムーズです。

また、2025年に入ってからは、多くの株式市場が15%~20%程度上昇しており、短期的に見てもかなりの値上がりとなっています。この状況を見て、「そろそろ切り替え時である」と考える富裕層が増えていると考えられます。このような意識の切り替えが、急いで株式や不動産を売って米ドル債券へ投資する理由の一つになっているのではないでしょうか。

本日は「今、富裕層が米ドル債券への投資を“急ぐ”理由」という内容でお届けさせていただきました。
私たちウェルス・パートナーでは、富裕層の方お一人おひとりの資産状況や将来設計を踏まえたうえで、米ドル債券を含む最適なポートフォリオをご提案しています。「米ドル債券投資を急ぐべきか」お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者20万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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