目次
はじめに
本⽇のテーマは⽶ドル建て劣後債の⼈気発⾏会社TOP5(2023年)最新版といった内容で株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口俊介に解説いただきます。
劣後債とは
外国債券の種類の中に 劣後債と⾔われる債券がございます。
劣後債とは会社が倒産した際に、その残った財産からお⾦が返ってくる順番が普通の社債よりも遅いのが劣後債になります。その代わり普 通の債券よりも⾼い利回りを得ることができ、富裕層に⼈気の投資対象となっております。
劣後債を発⾏している会社が重要です。債券にとって⼀番のリスクは、倒産リスクです。発⾏会社を選ぶのが重要ということになります。
今回は2022年下半期にお客様とお話する中で感じられた富裕層に⼈気の発⾏会社TOP5を今回お伝えしていきます。
第5位:楽天グループ
まず5位は、楽天グループになります。
インターネット関連を中⼼にサービスを展開しております。 2020年から始まったモバイル事業の⾚字がかなり⼤きくなっている点がメディアでも報道され「本当に⼤丈夫なのか」と⼼配される⽅が多いですが、⼈気はまだ⾼いです。
楽天グループが発⾏する債券の利回りが⾼い点が、「倒産まではしないのでは?」と考えてる⽅が多いで す。
発⾏格付けにおいては、BB(ダブル・ビー)となり、投資⾮適格の分類になりますが、楽天グループという会社の知名度や絶対的な経営者の 三⽊⾕社⻑の信頼感などそういったところが⼈気の理由なのかなと思います。
会社の時価総額は約1兆円ぐらいになりますので、⽇本の企業の中では⾼い⽔準の時価総額、会社の規模、会社の価値になると思います。
第4位:ソフトバンクグループ
第4位はソフトバンクグループとなります。現在は投資会社でございまして、あらゆるベンチャー企業に投資をしています。
このような投資会社は株価のリスクに晒されているっていうこともあり、ソフトバンクグループのに関する批判など賛否両論がありますが、やはり孫社⻑に対する会社経営者としての絶対的な信頼感や、ソフトバンクグループなら倒産しないのではという絶対的な安⼼感を持たれている⽅が多いです。
また、時価総額の規模としても約10兆円はあり、⽇本のトップクラスの会社価値を誇っています。
発⾏格付けはBB+(ダブル・ビー・プラス)というところで、楽天グループと同じBB(ダブルビー)ではありますが、ひと段階高めの格付けになっています。
第3位:ソシエテ・ジェネラル
3位はソシエテ・ジェネラルになります。フランスで3番⽬の⼤⼿銀⾏となります。⽇本でいうと、みずほ銀⾏のようなイメージで す。
会社の規模は時価総額2.9兆円と世界的に⾒ても⼤きな銀⾏グループと⾔えます。
発⾏体格付けでいうとA(シングル・エー)なので、かなり⾼い格付けにはなっております。
第2位:クレディ・アグリコル
2位はクレディ・アグリコルです。同じくフランスの銀⾏となります。ソシエテ・ジェネラルよりも規模は⼤きく、フランスで2番⽬の⼤⼿ 銀⾏です。⽇本でいうと三井住友銀⾏になります。
発⾏体格付けはA+(シングル・エー・プラス)ということになりますので、⾼い格付けの⼤銀⾏グループということになります。
時価総額 は4.5兆円にはなります。ソシエテ・ジェネラルより約1.5倍ほど⼤きいです。
第1位:HSBCホールディングス
1位はHSBCホールディングスになります。HSBCホールディングスはイギリスの大手銀⾏グループになり、世界の銀⾏の中でもトップ5に⼊るぐらいの銀⾏グループの規模になっております。
時価総額でいうと18兆円ぐらいあります。2位のクレディ・アグレコルの約4倍の時価総額があります。
発⾏体の格付けもA+(シングル・エー・プラス)となります。
1位から3位がグローバルな⾦融機関であったということで、垣間⾒える傾向としては⾮常に安⼼感がある会社に投資をされています。
このような欧州の⾦融機関が倒産をするリスクは、なかなか考えづらいと思われていますが、⼀昨年(2021年)までだと、このような会社 が発⾏している債券は信⽤⼒が⾼い代わりに利回りも相当低かったけいこうがありました。
そのため、そこまで実は⼈気がありませんでした。ソフトバンクグループや楽天グループの⽅がそこそこの利回りが得られるということで⼈気でしたが、 2022年はアメリカの基準⾦利が上がりましたので、それによりグローバルな⾦融機関の利回りも全体的に底上げされました。
劣後債を投資をする上での4つのポイント
改めて今回のポイントを4つ解説させていただきます。
①基準⾦利の上昇
基本的に2021年のアメリカの10年国債の⾦利が1.5%で、平均で3.5%ぐらいまで2022年は⾼まり、それにより発⾏さ れている劣後債の利回りも底上げされました。リスクを取らなくても利回りを得ることができるということです。
格付けが⾼い会社に投資しても6%〜7%以上の利回りを得ることができるようなマーケットが2022年の下半期でございましたので、そういった⾼格付けの発⾏体が相対的に⼈気だったということが⾔えるのかなと思います。
②欧州の⼤⼿⾦融機関がセンターポジション
劣後債を発⾏している会社が欧州の⾦融機関が多いというのもありますが、ロシアのウクライナ侵攻やインフレなどの理由があり、⼤⼿⾦融機関の信⽤リスクも少し下がりました。
元々⾦利上昇、債券価格下落、利回りが上がっていましたが、信⽤リスクが⾼まったことにより、さらに債券価格が少し下がり、利回りが 上がりましたので、投資家の⽅からは魅⼒的な商品だと感じられたのではないでしょうか。
③ソフトバンクグループと楽天グループは根強い⼈気
ソフトバンクグループと楽天グループは富裕層の経営者には⾮常に根強い⼈気があります。
⽇本の経営者の⽅からすると、ソフトバンクグループや楽天グループが倒産することはないのではと思っている方が多くいらっしゃいました。
利回りが⾼まっており、2022年は10%以上得られる債券もありました。
④劣後債投資の基本は発⾏体の⽬利きとリスク分散
まずは倒産しない会社を選ぶのが⼤事です。しかし、リスクはゼロにはもちろんなりませんので、ちゃんと投資する債券の分散・保有をし て万が⼀に備えておくというのが⼤切です。
⽶ドル建て劣後債の⼈気発⾏会社TOP5最新版という内容でお届けさせていただきました。
株式会社ウェルス・パートナー
広報・マーケティング・採用担当
「WEALTH JOURNAL」編集長
学卒業後、野村證券株式会社へ入社。主に富裕層の個人顧客や中小企業の経営者を対象に新規開拓営業、資産運用のコンサルティングに従事。FP2級、相続診断士保有。
現在は、株式会社ウェルス・パートナーでプレスリリースの配信、テレビや雑誌の取材対応や原稿チェック、自社SNSの更新、メルマガ配信 、イベントの企画・進行
富裕層向け金融WEBメディア「WEALTH JOURNAL」編集長。YouTubeチャンネル「資産運用アカデミー」の運営。チャンネル登録者数は1万人を突破(2023年8月現在)