保有純資産別の最適な投資物件をプロが解説!

はじめに

(世古口):皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。

本日のテーマは、「保有純資産別の最適な投資物件【不動産アカデミー#5】」です。富裕層の方の不動産投資についてご説明していく不動産アカデミーの5回目です。富裕層の方が持っている純資産ごとに、最適な投資物件金額、投資物件種類が存在していると私たちは考えています。今回も弊社の不動産アドバイザーの中武と共に具体的にご説明していきます。

(中武):我々も、数多くの方に不動産の取引をしていただいているので、今回はその中から見えてきた傾向や特徴をお伝えできればと思っています。

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▼プロフィール
世古口俊介(せこぐちしゅんすけ)
株式会社ウェルス・パートナー代表取締役
資産数億円以上の富裕層を対象に資産運用コンサルティングを行う。株式や債券、不動産などすべての資産クラスを扱い資産全体を最適化。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者2万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」を通して日本の富裕層に資産運用の情報を発信。

▼経歴
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱東京UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベート・バンキング本部の立ち上げに参画し同社の成長に貢献、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。

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保有純資産別の投資物件種類・金額

(世古口):早速、保有純資産別の物件種類・物件金額を見ていきましょう。こちらの表の一番左の縦の列が保有純資産です。その純資産ごとに、私たちが考えている最適な物件種類・物件金額があるので、それをまとめた表になっています。保有純資産ごとに、上から1億円未満、1億円から3億円、3億円から10億円、10億円以上と分類しているので、保有純資産ごとに一行ずつ見ていきましょう。まず、保有純資産が1億円未満の方の場合、物件種類・物件金額はどのようなものが最適になるのでしょうか。中武からご説明します。

(中武):1億円未満は、区分RCマンションが一番適していると思います。これは、一つのマンションの1部屋だけを購入するという投資の仕方です。物件の金額はミニマムで2,000万円くらいから、少し広めのお部屋だと5,000万円くらいまで、物件としては少し幅広くなっています。

(世古口):そうですよね。5,000万円持っている方が2,000万円の物件を2個買うと純資産と同じくらいになりますので。

(中武):そうですね。実際のところ、保有純資産1億円未満の方は、年収が高くない限り、若干借入がしにくいところと、自己資金が出しにくいというポイントがあると思います。仮に、借入がうまくできたとしても、資産に対して不動産の割合が大きくなってしまうという事態を招きかねません。ですから、我々は日ごろからバランスよく持つことが大事と伝えていますが、このぐらいの幅がベストな選択ではないかと思っています。

(世古口):保有純資産1億円未満の場合は、区分RCマンションですね。次のカテゴリーの1億円から3億円の方はどうでしょうか。

(中武):1億円から3億円の方に関しては、一棟ものも検討の土台になると思っています。このくらいの資産規模の方であれば、一棟木造のアパートを選ぶ方が多いです。物件金額は場所によりますが、1億円から1億5,000万円くらいに収まることが多いと思います。利回りも少し高めで、都内ではありませんが、千葉・埼玉・神奈川あたりの一棟木造アパートになります。

(世古口):なるほど。1億円から3億円くらいになると、ようやく一棟ものに投資できるくらいの資産背景になってくるというイメージですね。では次に、保有純資産が3億円から10億円、ここまでくるとかなり富裕層の方というイメージですが、このような方々の場合はどうでしょうか。

(中武):3億円から10億円の方の場合、いわゆる超富裕層に入ってくるレベルだと思いますが、一棟ものを選ばれる方が多く見られます。具体的には、一棟もののマンションタイプです。先ほどはアパートでしたが、マンションタイプを選ぶ方が多く、物件金額も少し増えて、1億5,000万円から3億円くらいまでの物件をメインに考えている方が多いという印象です。これは、先ほどの一棟木造アパートが収益性をメインとして考えられるものに対し、今回のものは資産性も重視しつつ収益性も重視するという、両輪で考えられるというところで、このような物件を選ぶ方が多い傾向になっています。

(世古口):なるほど。では最後の保有純資産10億円以上はどうでしょうか。

(中武):10億円以上になってくると、ほとんどの方が一棟RCマンション、資産性がかなり高い物件を選ばれることが多いです。物件金額としては3億円以上、実際には3億円前後くらいが多いです。資産規模が大きいので、逆に区分RCマンションの2,000万円を購入しても、リターンに対して投資のインパクトが少なくなってきます。ですので、ある程度大きい物件、かつ長期的に保有できて、売却益も狙えるような物件というところが一番の王道的な投資になってくると思います。

(世古口):こちらの表を一通りご説明させていただきましたが、これに基づくと、保有資産1億円を超えて一棟にチャレンジできる、10億円を超えて一棟RCにチャレンジできるというイメージになるかと思います。では、保有純資産1億円未満の方から、一棟鉄骨造マンションや一棟RCマンションに挑戦したいというご相談があった場合はどうしますか?

(中武):そうですね、難しいと伝えざるを得ないと思います。この表自体は、おおよそのイメージで作っています。例えば、保有純資産5億円の方が一棟RCマンションに投資するのは現実的ですし、逆に資産1億円の方が一棟鉄骨造マンションに投資するのも現実的です。しかし、資産1億円の方が一棟RCマンションに投資するのは、借入と自己資金の観点から、なかなか現実的ではない可能性が高いので、この1行差くらいであればチャレンジできるといえるのではないかと思います。

(世古口):なるほど、1行飛ばしはいけるけれど、2行、3行飛ばしは少し無理ではないかということですね。

(中武):はい、そうです。

(世古口):保有資産10億円以上の方は、一番上の区分RCマンションに投資はできますが、保有純資産に占める割合は2%から3%なので、逆に現実的ではないと思います。不動産は区分だとしても、結構取引や管理が面倒くさいので、そう考えると現実的ではないのです。

(中武):そうですね。2億円や3億円のタワーマンションであれば、区分RCマンションだとしても全く違和感はないですが…

(世古口):普通のワンルームの物件などはないという感じがします。私たちは、固定観念にとらわれているわけではありませんが、ご相談いただいた富裕層の方のニーズに基づいた物件がどれかを考えて提案していくと、やはりこのような保有純資産ごとの物件種類・物件金額に行き着きますよね。

(中武):そうですね。

(世古口):仮に保有純資産が1億円から3億円であっても、特別な事情があるケース、例えば、年収がものすごく高かったり、実家が資産をたくさん持っていたり、親御さんの資産背景など考慮すべき要素がある場合は、一棟木造アパートではなく、一棟鉄骨造マンション1億5,000万円から3億円のものに投資する場合もあります。基本は保有純資産ごとの物件種類と物件金額の考え通りでよいと思いますが、リスク許容度や年収など考慮する要素も考えて、その前後1行ずつくらいにするという、大体そこに収まるイメージではないでしょうか。

(中武):はい。物件金額も大まかなものではあるので、これも前後1行くらいの差になることが多いです。ですから、この表に書いている物件金額が全てではないという点を補足させていただきます。

(世古口):以上が、私たちが考える保有純資産別の最適な物件種類・物件金額ですので、ご参考にしていただければと思います

まとめ

今回のテーマである「保有純資産別の最適な投資物件【不動産アカデミー#5】」を最後にまとめます。ポイントは4つです。

保有純資産にあった物件種類・金額の選定

(中武):先ほどもありましたが、1行くらいの差であれば全くおかしくはないですが、2行や3行飛ばしの物件に投資されることは違和感を覚えるところがあります。リスク過多になっている特徴があるので、保有純資産にあった物件を選ぶようにしましょう。

(世古口):不動産は、物件を検討したり内見したりすること自体大変で、手間も時間もかかるので、ご自身の保有純資産の背景から外れた物件投資の検討にあまり時間を使うべきではないと思います。保有純資産に適した物件から検討していって、投資するかどうかを考えていくことが一番合理的で早いのではないかと考えられます。

資産詳細や年収・属性・年齢・法人財務なども変数

(中武):今まで散々説明させていただきましたが、様々な変数はあります。資産詳細や年収、その方の社会的な属性、例えば高年収の大企業に勤める会社員などです。また年齢や、経営されている方であれば法人財務状況など、かなり多くの変数があるので、もちろん一概には言えませんが、目安として先ほどの資料は参考までに見ていただければと思います。

(世古口):その方が1,000万円しか持っていなくても、例えばソフトバンクの孫社長の息子であれば、「RCに投資しないと意味ないですよ」というような話になりますよね。

(中武):そうですね。年収がかなり高いけれども、まだ若くて資産としてはそこまで積み上がっていない方であっても、高い年収がかなり先まで見据えられるような会社であれば、1段飛ばしや2段飛ばしでも全く問題ないと思います。いろいろ変数はあるかと思います。

(世古口):確かに一番多い変数は年収かもしれません。純資産はそこまでではないですが、ものすごく高年収の方は結構いらっしゃるので、そのような諸々の変数も考慮するという感じです。

ex.純資産5億円×年収1億円なら一棟RCマンション

(世古口):仮に変数を考慮したとすると、その純資産だったとしても、最適な物件はこのように変わってくる可能性がある、という例えが3つ目のポイントです。

(中武):例として、純資産5億円で年収1億円であれば、一棟RCマンションで全くおかしくないと思います。年収1億円の方であれば、おそらくお医者様や弁護士の方など、かなり属性がよいと思いますし、将来に渡ってその年収が維持される可能性が高いと思われます。であれば、少し大きめの物件に投資するのも全く問題ないでしょう。

(世古口):先ほどの資料で、純資産が5億円の場合、最適な物件は一棟鉄骨造マンションでしたが、年収1億円を考慮することによって、一棟RCマンションまでランクアップしてもいいというイメージです。一棟鉄骨造マンション、一棟RCマンション、どちらでもよいという風に考えられるわけです。

ex.純資産8億円×40代なら一棟RCマンション

(中武):こちらも例としてあげさせていただいています。純資産が8億円で40代であれば、一棟RCマンションがいいと思います。資産としては、先ほどの表の10億円には届いていませんが、年齢が比較的若い方なので、リスク許容度が大きいです。これからも20年くらいは働けるので、リスク許容度が大きいという点もあって、一棟RCマンションが一般的な選択肢になってくると思います。

(世古口):本日は「保有純資産別の最適な投資物件【不動産アカデミー#5】」という内容でお届けさせていただきました。

(中武):今回は、保有純資産別で投資用の物件を分けて表を作ってみました。もちろんその方の年収や年齢、属性で最適な物件は変わってきますので、いろいろとヒアリングさせていただいて、最適解を一緒に見つけていければと思います。ぜひお気軽にご相談ください。

今回の内容については「世古口俊介の資産運用アカデミー」でもご視聴いただけます。

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