目次
はじめに
資産が増えるにつれ管理や運用に困っている方も多いのではないでしょうか。リスク分散のために資産を別々の銀行に分けて管理するのも大変ですよね。そういった方には、富裕層向けの銀行であるプライベートバンクがおすすめです。この記事では日本のプライベートバンクの特徴やメリットについて紹介します。資産の管理や運用に悩んでいる方は参考にしてください。
プライベートバンクとは?
富裕層の増加にともない、「プライベートバンク」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。プライベートバンクと聞くと海外の富裕層が利用する特別なイメージがありますが、日本にも富裕層を対象にしたプライベートバンクが存在します。
ここでは、プライベートバンクの特徴やプライベートバンキングとの違い、大手銀行や証券会社との違いを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
プライベートバンクの特徴
プライベートバンクは、経営に無限責任を負うプライベートバンカーが経営する銀行です。スイス発祥の銀行形態の一種で、王族・貴族・富裕層などを対象にし、資産管理や資産運用をおこないます。
おもな業務内容は、資産保全や運用について助言や代行をおこなうことです。顧客一人ひとりに対してじゅうぶんな時間をかけてカウンセリングをおこない、ニーズを汲み取ったうえでプレミアムな商品・サービスを提供します。
プライベート・バンキングとの違い
プライベートバンクと似たような言葉でプライベートバンキングがあります。どちらも富裕層を顧客対象としていますが、両者には違いがあるので注意しましょう。
プライベートバンクは資産運用もおこないますが、資産保全をメインにしています。一方、プライベートバンキングは金融機関における資産運用のサービスです。プライベートバンクよりも積極的な資産運用を目指しています。
大手銀行や証券会社との違い
プライベートバンクと大手銀行や証券会社などの違いは顧客対象と金融商品です。一般的にプライベートバンクの顧客対象は富裕層ですが、大手銀行や証券会社の場合は、富裕層未満であるマスリテール層を顧客対象としています。
大手銀行や証券会社などの金融機関では、一般的に出回っている株や債券などが販売対象商品です。プライベートバンクでは、私募ファンドや優先出資証券など限られた方しか購入できないプレミアムな商品を組み合わせて運用しています。
日本と海外のプライベートバンクの違い
日本と海外のプライベートバンクでは、富裕層を対象にしている点ではほとんど変わりがありません。しかし、言語や法律など、使いやすさや対応できる範囲が異なっています。
実際に日本と海外のプライベートバンクでどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
日本のプライベートバンク
日本のプライベートバンクは日本人を対象としているため、日本語でのサポートや手続きが可能です。そのためコミュニケーションにストレスを感じることもなく、スムーズにやり取りできるでしょう。また、日本の法務・税務に対してもアドバイスを受けられる点も大きなメリットです。
反面、日本のプライベートバンクは海外のプライベートバンクと比べると歴史が浅く、資産運用には保守的であるといわれています。以上のことから、堅実的に資産を管理したい方やスムーズな手続きをおこないたい方、日本の法務や税務のアドバイスを受けたい方は日本のプライベートバンクがおすすめです。
海外のプライベートバンク
海外のプライベートバンクは、その国の使用言語あるいは英語が話せないとスムーズなコミュニケーションが取れないデメリットがあります。手続きにおいては、英語の知識を身につけるか、場合によっては英語ができる知人に仲介してもらうことも必要です。また、日本の法務や税務に関しての助言は期待できません。
しかし、海外の有名なプライベートバンクでは、実績や運用のノウハウを持っていることが多いため、資産を増やすことに長けているといわれています。日本ではある程度制限されているレバレッジをかけた提案をしてくれる場合もあるため、積極的に資産を運用していきたい方は海外のプライベートバンクがおすすめです。
日本で有名なプライベートバンク
日本のプライベートバンク事業には、メガバンク系・信託銀行系・証券会社系・外資系の大きく4つに分けられます。
ここでは業態ごとにどのような特徴やメリットがあるのか見ていきましょう。
メガバンク系
日本国内でプライベートバンク事業をおこなっているのは、みずほ銀行・三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行などがあげられます。メガバンクの強みは、融資を絡めた資産運用の提案ができる点でしょう。
証券会社と比べると対象となる金融商品が少ないものの、資産継承・相続対策として融資を活かした不動産担保ローンが有効活用できるメリットがあります。
信託銀行系
信託銀行では三井住友信託銀行や三菱UFJ信託銀行などがあげられます。
信託銀行の強みは、資産保全や資産運用で信託機能が利用できるところです。信託法という信託制度によって資産の安全性が担保されているので、富裕層からも人気のプライベートバンクといえます。
証券会社系
日本国内の証券会社でプライベートバンク事業をおこなっているのは、野村證券や大和証券などがあげられます。証券会社の強みは、IPO株式の優先的割り当てや投資対象が豊富な点です。
銀行のプライベートバンク事業と比べると、資産運用の幅が広くなるのもメリットといえます。
外資系
プライベートバンク事業をおこなっている外資系企業にはクレディ・スイスやUBSなどがあげられます。外資系の強みは、経験や実績が豊富な点です。
クレディ・スイスはスイス発祥で、プライベート・バンキングとして150年以上の長い経験と実績があります。また、日本のベストプライベートバンクを受賞し、他にも数々の賞を受賞し評価されました。
UBSも数々の賞を受賞している実績があり、世界最大級のプライベートバンクといわれています。
プライベートバンクを利用するメリット
プライベートバンクを利用するメリットは以下の3つがあげられます。
・経験豊富なプライベートバンカーによる資産運用が可能
・情報秘匿性・信頼性が高い
・高い利回りを期待できる
それぞれ詳しく解説します。
プライベートバンカーによる総合的な資産マネジメントが受けられる
プライベートバンクの営業員は、顧客の膨大な資産を預かり運用するので、経験や実績を積んだエキスパートが多くいます。そのため資産運用に関する知識やノウハウが豊富です。
また、資産の保全だけでなく事業継承や相続対策なども絡めた資産運用の相談も受けられるのが大きなメリットです。
情報秘匿性・信頼性が高い
プライベートバンクの営業員は、顧客一人ひとりに対してじゅうぶんな時間をかけてカウンセリングをおこない、顧客の資産状況を熟知します。そのため一人の営業員が担当する顧客数は多くありません。
営業員をパートナーとして長期的な関係構築ができるのもプライベートバンクならではのメリットです。また、一般的に第三者に口座情報が掲示されることはないため、情報秘匿性が高いといえます。
高い利回りを期待できる
経験豊富なプライベートバンカーが資産の運用をおこなうため、一般の銀行に資産を預けるよりも高い利回りを期待できます。
また、顧客一人ひとりのニーズを汲み取りオーダーメイドされたサービスを提供しているため、利回りや運用コストに関してはプライベートバンカーに相談してみるといいでしょう。
プライベートバンクを利用するデメリット
プライベートバンクは魅力的なメリットがある一方、以下のような2つのデメリットもあります。
・多額の資産が必要なため利用できる人は限られる
・手数料が高い
それぞれ詳しく解説します。
多額の資産が必要なため利用できる人は限られる
プライベートバンクを利用するにあたり、一般的に預け入れる金額は数千万以上が必要です。ゆえに多額の資産を保有している限られた方のみ利用できます。
また、一般的な銀行と違って口座開設も簡単にはできません。プライベートバンカーとコンタクトを取り、審査に通る必要があるため、口座開設のハードルは高いといえるでしょう。
手数料が高い
プライベートバンクは、資産の管理や運用コストによる手数料で利益を上げています。顧客一人ひとりに対してオーダーメイドされたプレミアムな商品を提供するため、その分手数料が高いのがデメリットです。
しかし、高い専門性を活かした資産管理・運用ができるので、相応の対価といえます。
プライベートバンクはこんな人におすすめ
これまでプライベートバンクの特徴やメリット・デメリットなどを紹介しました。プライベートバンクの口座開設はハードルが高く、誰でも簡単に利用できるわけではありません。
ゆえに膨大な資産を保有している資産家やその資産を管理・運用していきたい方はプライベートバンクを利用するといいでしょう。また、企業のオーナーで事業継承や相続対策に悩んでいる方にもおすすめです。
無限責任を負った経験豊富なプライベートバンカーが、顧客一人ひとりに合わせたプレミアムな商品を提供してくれるため、安心して資産を任せられます。
プライベートバンクで悩んでいる方はIFAに相談を
膨大な資産の管理・運用先で悩んでいる資産家の方も多いのではないでしょうか。プライベートバンクも業態ごとにさまざまなタイプがあり、特徴やメリット・デメリットも変わってきます。
安心して資産を預け入れるためには、プライベートバンク事業をおこなっている企業をしっかりとした見極めが必要です。しかし、プライベートバンクに関してはネット上でも情報が少ないため、企業の見極めは難しい部分もあります。
企業の見極めに不安を感じている方は中立的な立場からアドバイスを受けることがおすすめです。もし多額の資産を安心して預ける先で悩んでいる方は、当社IFAにぜひご相談ください。中立的な立場から、お客様に合わせた的確なアドバイスをおこないます。
まとめ
プライベートバンクの特徴やメリット・デメリットなどを紹介しました。プライベートバンクは口座開設のハードルが高く、誰でも利用できるわけではありません。しかし、経験豊富なプライベートバンカーが顧客一人ひとりのニーズを汲み取り、オーダーメイドされた商品を提供してくれるのが大きなメリットです。
多額の資産の運用パートナーに悩んでいる方はプライベートバンクを利用するといいでしょう。また、プライベートバンク選びに悩んでいる方は、ぜひ当社IFAにご相談ください。