2023
03/30
資産運用入門

はじめに

2024年からNISAの恒久化がはじまります。現状すでにNISAという制度があります。
旧制度(現行の制度)であるNISAと恒久化後のNISAでは何が違うのでしょうか。
2024年のNISA恒久化について、旧制度と比較しながらわかりやすく解説します。

現行のNISA制度の概要

NISAとは少額からの投資に使える非課税制度です。

現行のNISAには3つの種類があります。

・一般NISA
・つみたてNISA
・ジュニアNISA

3種類のNISAはそれぞれ非課税期間や保有限度額などが違っています。

一般NISA

一般NISAとは株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。NISAで保有している株式・投資信託等の配当金や分配金、売却時の利益が非課税になる制度です。

つみたてNISA

つみたてNISAとは一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。
つみたてNISAと一般NISAはどちらか片方しか選べません。

ジュニアNISA

ジュニアNISAは未成年者を対象にした小額投資非課税制度です。
ジュニアNISAの対象は株式や投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。

2024年にはじまる恒久化NISAの概要

現行のNISAは3つの種類の中から年齢やニーズに合わせて選ぶようになっています。

たとえば、株式に投資して非課税の恩恵を受けたいということであれば一般NISAの活用が考えられます。投資信託にこつこつと長期投資したい場合はつみたてNISAを活用する方法が考えられるでしょう。このように、投資の方針や投資したい金融商品に合わせてNISAの種類を選んで利用するわけです。

ただ、現行のNISA制度は2024年に恒久化が予定されています。2024年のNISAの恒久化により、制度の概要が変わってくるため注意が必要です。2024年のNISA恒久化によって次のようなポイントが現行のNISAと変わってきます。

・2024年のNISA恒久化後は非課税保有期間が無期限になる
・NISAの恒久化後は年間の投資枠が増える
・NISAの恒久化後は限度額が拡大される
・現行のNISAと投資対象の金融商品が異なる
・NISA口座の開設が恒久化する

以上のようなポイントが現行のNISAと2024年の恒久化後のNISAでは変わってきます。
5つの主な変更点についてもう少し詳しく説明します。

【参考記事】
金融庁「新しいNISA」

2024年以降ではNISAの非課税保有期間が無期限化する

現行のNISAには最長非課税保有期間が定められています。一般NISAは最大で5年間が非課税保有期間です。つみたてNISAは最長で20年間になっています。
2024年以降にNISAが恒久化すると、この期間が撤廃され無期限になります。金融商品を何年保有しても非課税の恩恵を受けられるということです。期間が無期限になることで、より柔軟な投資が可能になります。

恒久化後のNISAでは投資枠と限度額が拡大される

2024年にNISAが恒久化すると、投資に使える非課税枠が変化します。

現行のNISAは、一般NISAで非課税枠は年120万円です。枠の最大金額は600万円になっています。つみたてNISAは年40万円が非課税枠で、最大の枠は800万円です。

2024年にNISAが恒久化した後は最大1,800万円(うち、1,200万円が成長投資枠)になっています。現行のNISAと比較して非課税枠がかなり大きくなったと言えるでしょう。
非課税枠を使ってより多く投資できるようになると共に、投資に柔軟性が生まれるというメリットがあります。

現行NISAと2024年以降のNISAでは投資対象が一部変わる

現行のNISAで投資対象になる金融商品の一部について、2024年のNISA恒久化では対象外になります。2024年のNISA恒久化後には次の金融商品は投資対象外になる予定です。

・整理、監理銘柄
・信託期間20年未満、高レバレッジ型および毎月分配型の投資信託  など

これらの金融商品はNISAによる長期投資には向かないものとして、2024年のNISA恒久化後は投資対象から外される予定になっています。

2024年以降はNISA口座の開設が恒久化する

現行のNISAは口座の開設期限があります。2024年以降のNISA恒久化では口座開設期間に制限はありません。いつでもNISA口座の開設が可能です。文字通り口座開設が「恒久化」します。

現行のNISAと2024年の恒久化NISAをわかりやすく比較

現行のNISAと2024年のNISA恒久化についてわかりやすく比較します。

・現行のNISAは口座開設に期限があるが、2024年以降のNISAでは口座開設期限がなく恒久化する
・2024年の恒久化後のNISAでは非課税枠が現行のNISAと比較して拡大される
・つみたてNISAや一般NISAに定められていた期限が撤廃されて非課税期間が無期限になる

2024年のNISA恒久化により全体的にNISA口座活用時の柔軟性が増すと言えるでしょう。NISA口座を使って投資をする際は2024年の恒久化NISAと現行のNISAを比較し、ポイントをわかりやすく把握して利用することが重要です。

まとめ

現行のNISAは2024年に内容が変更される予定です。口座の開設に期限がなくなり恒久化するなど、より利用しやすいNISAになります。
NISAのかたちが現行と変わるということは、利用のポイントも変わってくるということです。IFAなどのプロに相談し、金融商品や投資についてあらためて考えてみてはいかがでしょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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