2021
03/17
経済・マーケット

はじめに

NISAを知っていますか? NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)とは「少額投資非課税制度」のことです。2014年にスタートした個人投資家向けの株式や投資信託などの非課税制度です。

もともとは英国の投資非課税制度(ISA)をモデルにして日本でも個人の投資による資産形成を促進させるために導入された経緯があります。我が国でも銀行・証券会社などによるキャンペーンのほか、スマホでの投資など、投資のハードルが低くなってきたこともあり、少しずつNISAの認知度が上がっています。

実はこのNISAですが、2024年に制度が一部変わってリニューアルします。これまでのNISAとどう変わるのか、ポイントなどについてご案内していきます。

現行NISAの制度

現行のNISAは、20才以上の方であれば「一般NISA」、長期の積立て投資を目的とした「つみたてNISA」の2つのどちらかを利用できます。また、0〜19才の未成年の方は「ジュニアNISA」が利用できます。

一般NISA

現行の一般NISAは日本国内に住所のある20才以上であればだれでも利用できます。一般NISA口座で購入した上場株式や株式投資信託なとの譲渡益や配当金などにかかる税金(およそ20%)が最長5年間非課税となります。

年間120万円まで購入が可能なので5年間で合計600万円の非課税枠となります。NISAで購入した株式や投資信託が非課税期間の5年を経過した場合は、あらたに非課税枠にロールオーバーするか、通常の課税口座に移管するかどちらかを選ぶことが出来ます。

つみたてNISA

長期の積立投資による資産運用に向いているのがつみたてNISAです。一般NISAと同じく日本国内に住所のある20才以上であればだれでも利用できます。

投資対象は金融庁が定めた基準をクリアした厳選された株式投資信託から選ぶことが出来ますが、株式には投資できません。年間40万円まで購入が可能で最長20年間と合計800万円の非課税枠となります。

ジュニアNISA

ジュニアNISAは0才〜19才までの未成年者を対象とした非課税口座で、投資対象は株式や投資信託で年間80万円を最長5年間投資出来るので最大400万円の非課税枠となります。親権者が代理で運用・管理を行い、長期の資産形成を目的としているので18才までは途中の払い出しに制限があります。

2024年からスタートする新たなNISA制度のポイント
このように便利なNISA制度ですが、2024年から制度が一部変わります。

ジュニアNISAが廃止

まずジュニアNISAは2023年12月で廃止され、2024年以降は新規の口座開設ができなくなります。※廃止前に投資した非課税枠は継続出来ます。また、新しく制度をリニューアルする一般NISAでは利用できる年齢がこれまでの20才から18才に引き下げられます。

一般NISAは制度が大幅変更される

2024年からは一般NISAの制度は大幅に変更されます。新たな一般NISA(新NISA)は、
2階建ての構造となり、1階部分は年間20万円まで積立て投資が可能です。積立投資できるのは、株式投資信託やETF(上場投資信託)に限られ、個別株への投資は出来ません。

2階部分は、これまでの一般NISAと似たような性質となり、個別株や投資信託、ETFなどに年間102万円までの投資が出来ます。非課税となる期間は最長5年間で2028年まで毎年1階部分と2階部分の合計122万円まで非課税枠を利用出来ます。

原則として1階部分を利用せずに2階部分の非課税枠を使うことは出来ません。ただし株式などの投資経験のある方やNISAの利用経験のある方はこの限りではありません。

つみたてNISAは期限が延長される
つみたてNISAは現状では新規の投資は2037年まで最大20年間の積立投資が出来ましたが、今回の制度変更に伴い、2042年まで5年間期限が延長されます。

NISA口座の注意点

NISA口座の注意点として、すでに一般口座や特定口座で購入済みの株式や投資信託をNISA口座に移すことは出来ません。NISA口座での購入は、株式や投資信託の注文のさいに「NISA口座での購入」の意思を明示することが必要です。
NISA口座で購入した株式や投資信託が値下がりした場合は、一般口座や特定口座との損益通算は出来ません。
このためNISAで投資する対象はよく検討して非課税枠を利用するようにしましょう

まとめ

2024年からスタートする新NISAではこれまでの一般NISAに積立て投資の1階部分が新設され、より長期での資産形成に使いやすくなります。また、現行のつみたてNISAについても投資期間が延長され、制度に特に変更はありませんので引き続き、長期での積立て投資を行うことが出来ます。
新たな制度の周知のため制度変更までには、若干の余裕があります。

ただ、現行のNISAで投資を考えている方は、制度が変わるからと言ってNISAでの投資をためらう必要はなさそうです。特に長期の投資では、時間を味方に付けることが有効となるため、現行のNISAで投資を初めて問題ないと思われます。

NISA口座の開設には、手数料や口座管理料はかかりません。銀行や証券会社によってはNISA口座の開設に対してキャンペーンを実施している金融機関も多くあります。NISA口座の開設には、マイナンバーのわかる書類などマイナンバーの届け出が必要となるほか、通常の口座開設よりもやや日数が係るため、NISAでの投資をお考えの場合は早めの手続きをおすすめします。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者14万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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