皆さんこんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
この動画チャンネルでは、資産運用に関するさまざまな情報を発信しております。
目次
はじめに
本日のテーマは「海外移住する場合の正しい資産運用方法について解説」という内容でお届けしたいと思います。
最近、このような相談をいただくことが多くなってきました。
やはりコロナが収まったということで、 海外移住をペンディングしていた方が、また新たに海外へ移住し始めたということで、このような相談をいただくことが多いのかなと思います。
ただし、やはり海外移住を前提とすると、日本国内に住んでいるのとは少し別の次元で資産運用を考えなくてはいけなくなってきます。 そのようなわけで今回は、海外移住を前提とする場合の正しい資産運用について説明できればと思っています。
早速ですが、海外移住する場合の資産運用についてポイントをお伝えできればと思います。 ポイントは4つあると考えています。
日本の金融機関より海外のプライベートバンクを利用
1つ目は、金融資産運用の話になるのですが、海外へ移住するという前提であるのであれば、日本の金融機関との取引は一切やめて、海外のプライベートバンクであったり、 金融機関との取引に振り切った方が基本的には良いのかなと思います。
そもそもですが、基本的に日本の金融機関は海外居住者、つまり日本の非居住者の資産を運用できないというルールになっています。
今の時代、投資できる対象などは、海外のプライベートバンクと日本の金融機関ではそこまで変わらないのですが、日本では非居住者の資産を運用できないという厳しいルールがあります。このため、海外に移住するという場合は、基本的に海外のプライベートバンクや金融機関での運用を前提として、全てを組み立てていく必要があるのかなと考えています。
一つのやり方として、日本で資産管理会社を作って、親御さんに代表者になってもらい、その資産管理会社で資産運用を行うということであれば、日本の金融機関で運用し続けることも可能であると考えられます。ただし、「そこまでやるメリットがあるのか」と考える方が多いのではないでしょうか。
このように、何かを残さなければいけないという理由がないのであれば、基本的に金融機関は、海外金融機関に振りた切った方が良いと思います。これが、金融資産運用に関する一つ目のポイントです。
日本の不動産ではなく、移住先の不動産
二つ目のポイントは、実物資産の不動産についてです。
これも、海外に移住して、その国に永住することがある程度決まっているのであれば、日本の不動産は持っていない方が良いケースも多いと思います。
この点も面倒なことが多く、日本の不動産を持ったまま海外に移住すると、日本の不動産を利用しているテナントから受け取る賃料の一部を源泉徴収しなくてはいけない、またマンションを借りてる人に迷惑をかけるという謎の状況になってしまうなどということがあります。
海外に住みながら日本にいるということですので、日本で税金を支払って、海外現地でも税金がかかるというわけです。非常にデメリットが多いので、移住するのが決まっているのであれば、日本の不動産は売却するなど、何らかの形で処分をして、基本的に移住先の不動産を保有することで良いと思います。
この移住先の不動産を保有するということについては、その国のインフレに対するリスクをヘッジするという非常に大きな目的もあります。これは日本の不動産を持っていても、移住先の国のインフレの対策にはなりませんので、やはり移住先の不動産へ投資をしないと意味がありません。特に最近ではマレーシアなど、東南アジアをはじめとした新興国に移住される方も多いのですが、このような国は経済成長やインフレが凄まじいものがあります。
このようなインフレについていくためには、やはり現地の不動産を持っておいた方が良いわけです。逆に、現地の不動産を持っておかないと、インフレについていけずに、将来生活ができないといったリスクがありますので、日本の不動産を持つべき理由は、ほとんどありません。したがって、基本的には実物資産の不動産も、海外移住を前提とする場合は、日本の不動産ではなく、移住先の海外で不動産に投資することを考えた方が良いと思います。
ただし、例外として日本の不動産を持った方が良い場合が、相続対策を目的とする場合です。「移住するので関係がない」と思われる方もいるでしょうが、そうは日本の政府が許さないです。これが日本の相続税の厄介なところです。
仮に、相続人と被相続人の両方が相続税のない国に移住したとしても、移住から10年経過しないと日本の相続税の対象外となりません。
移住してから10年という期間は長すぎるので、なかなかないことだと思います。したがって高齢の方など、10年経つ前に亡くなった場合は日本の相続税がかかり、資産の半分が税金になってしまう場合があります。
このような場合に、日本の不動産が全くないと、相続税の評価軽減効果が全く得られないということになるので、相続対策を想定してる方やご高齢の方、富裕層の方などは、日本の不動産をある程度持っていった方が良い可能性が高いと思います。
したがって、基本的には海外移住する場合は日本の不動産よりも、移住先の海外の不動産を保有した方が良いのですが、相続税対策を考えているご高齢の方の場合は、日本の不動産を持っておいた方が良い可能性もあります。
正直な話をいえば、移住して10年経てば日本の不動産は売却して良いと思いますが、10年以内であれば保有しておいた方が良い可能性もあると考えています。
二つ目のポイントが不動産についてという話でした。
運用主体の日本の資産管理会社ではなく法人は海外現地法人
三つ目のポイントは、運用主体の法人についてです。
資産運用をする場合、資産管理会社など法人で運用する場合が多いと思います。
この点についても、海外移住するわけなので、今まであったものを含めて日本の資産管理会社で運用するメリットはほとんどなくなります。それよりも海外の現地の法人の方が基本的に税率が低い場合が多いので、移住先に法人を作り、資産運用することの方が基本的にはメリットが高いと思います。
ただし、これも例外としてあるのは、日本の資産管理会社で日本の不動産に投資を行っていて、かなりの額の借り入れがあり、借り入れを解消するのが大変であるという場合や、不動産を売却するのが難しいなどの理由がある場合は、資産はそのまま日本の資産管理会社で持ち続け、管理会社も維持し続けた方が良い可能性があります。
このような例外を除いた場合は、海外の現地法人での運用に振り切った方が基本的に良いと思います。
三つ目のポイントは、運用主体の法人についてでした。
帰国可能性がある場合は日本に資産や法人を残すのもあり
四つ目のポイントは、まとめになります。
ここまでは、日本に帰ってこないつもりで海外へ移住する場合、金融機関や不動産も海外に振り切って、資産管理会社も海外の現地で作ることを前提でお伝えしています。
ただし、将来的に日本へ帰ってくる可能性があるという方も結構いらっしゃいます。帰国するかもしれないし、半々の状態という方も結構いらっしゃるのですが、その場合は日本に一部の資産や法人を残しておいた方が、戻ってきたときは便利ですし、戻ってきやすいと思います。
したがって、帰国可能性がある場合、資産や法人を日本に残すというのは「あり」だと考えます。
本日は、「海外移住する場合の正しい資産運用方法について解説」という内容でお届けさせていただきました。

株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中