2023年後半のドル円相場の動向と予想について解説

はじめに

2023年の前半における為替の動向を振り返り、2023年後半のドル円相場について予想を探ります。経済の変動により、為替相場は大きく影響を受けますが、2023年後半ではどのような要因がドル円相場に影響を与えるのでしょうか。この記事では、過去の動向と現在の経済情勢を考慮し、2023年後半のドル円相場の見通しを解説します。為替取引や経済に関心のある方々にとって、今後の為替の展望を知る上で有益な情報となることでしょう。

2023年前半のドル円相場の動向

インフレ率の上昇とドル高・円安方向の修正

2023年の前半、ドル円相場はどのような動きを見せたのでしょうか。まず、国内のインフレ率の上昇による金利上昇懸念から、ドル高・円安方向の修正が行われました。ただ、米国の利上げが継続されたことや米国金利が高止まりしていることから、、年末の予想着地水準は1ドル=149円と予想しています。

米利上げ終了と年末の予想着地水準

FRBは7月25~26日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、5.25-5.50%としました。これは昨年3月以降で11回目の利上げとなります。この決定には、米国経済の強さが背景にあり、また、米国経済の成長率が高く、失業率が低いことも考慮されました。しかし、利上げのペースは緩やかなものとなっています。

リフィニティブのデータによれば、来年3月には利下げが開始される可能性も示唆されています。これは、米国のインフレ率が鈍化し、ピーク水準の約9%から6月の3%に下がったことによるものです。利上げは、利回り上昇につながり、通貨の需要を促す傾向がありますが、その逆もまた同じように言えます。つまり、利下げは利回り低下につながり、通貨の需要を抑えることになります。

2023年後半のドル円相場の要因

2023年後半のドル円相場にはどのような要因が影響を与えるのでしょうか。まず、経済の変動が重要な要素となります。景気や雇用の動向、貿易関係の変化などが相場に大きな影響を及ぼします。また、日米の長期金利の動きも注目されます。

経済の変動と為替相場への影響

日本が経済的に安定していると、海外の投資家は日本の国債や株式に投資しやすくなります。そのため、為替相場が円高になる傾向があります。逆に、日本の景気が悪化すると、海外からの投資が減少するため、為替相場は円安に向かう傾向があります。このように、景気状況が為替相場に影響を与えることがあるのです。

日米長期金利の予想

米国の長期金利上昇には、アメリカ国債の格下げによるマイナス面もあります。アメリカ国債の格付けが引き下げられることで、市場は不安を感じ、長期金利が押し上げられたからです。

2023年8月1日、大手格付け会社の「フィッチ・レーティングス」は、アメリカの財政悪化への懸念などを理由に、アメリカ国債の格付けを1段階引き下げました。この発表は、金融市場に衝撃を与え、10年もののアメリカ国債が売られるきっかけとなりました。

このような状況を受けて、市場は国債の価値が下がることに懸念を感じ、長期金利を押し上げる方向に向かいました。長期金利が上昇することで、企業や個人の借り入れコストが上がることになるため、マイナス面もあります。

しかし、アメリカ国債の格下げだけが、必ずしも長期金利上昇の原因ではありません。景気回復や物価上昇など、様々な要因が金利変動に影響を与えるため、市場や投資家は慎重に動く必要があります。

一方、日本の長期金利について考えてみましょう。
日本の金融政策の一環として、2016年9月から日銀は「イールドカーブ・コントロール(YCC)」政策を実施しています。この政策では、長期と短期の金利を操作しています。最初は、長期金利を0%から上下0.1%程度の幅で動かないように抑え込んでいました。

しかし、2021年3月には、変動幅を0.25%程度に拡大し、2022年12月には0.5%程度にまで拡大しました。そして、2023年7月28日には金利操作の運用を柔軟化し、事実上1%まで容認することになりました。

この政策によって、日本の長期金利は0.6%台まで上昇し、以前よりも大きく動くようになっています。しかし、将来的に景気が良くなったり、悪くなったり、あるいは突然マイナス材料が浮上した場合には、日本の長期金利がどこまで上昇するのかに注目が集まっています。

過去の動向と現在の経済情勢の考慮

市場の見越しと実際の利上げの違い

2023年8月、米国10年債利回りが4%を超え、今年最も高い利回りに達しています。この上昇により、日本とアメリカの金利差が広がり、円安が進むことになりました。実際、円相場は1ドル=146円を超える水準まで円安が加速しました。

ただ、アメリカ国債の長期金利が上昇傾向にある主な要因は、アメリカ経済の安定性によるものです。アメリカはこれまでに利上げを猛烈な勢いで行ってきましたが、景気減速が予想されていたところ、好調な経済指標が相次いで発表され、景気後退に陥ることはありませんでした。

2023年後半のドル円相場の見通し

2023年後半のドル円相場は、底堅い米国経済指標を受けて、今後数カ月は米国の金利が高止まりする恐れがあります。一方、日本の10年金利も上昇していますが、日銀が利回りの上昇ペースを抑えているため、金利上昇幅は想定よりも小幅にとどまっています。

ですから、年末の予想着地水準は1ドル=149円と予想しています。ただ、日本の金融政策の一環として、日銀は「イールドカーブ・コントロール(YCC)」政策を実施しており、長期金利を操作しています。この政策の変更によって、日本の長期金利は0.6%台まで上昇し、以前よりも大きく動くようになっています。

将来的に景気が良くなったり、悪くなったり、あるいは突然マイナス材料が浮上した場合には、日本の長期金利がどこまで上昇するのかに注目が集まっています。このような状況下で、市場や投資家はアメリカ国債と日本国債の金利差を注意深く見極める必要があるでしょう。

まとめ

2023年後半のドル円相場は米国経済の動向や日銀の政策次第で大きく変動する可能性があります。ぜひ、この情報を参考にして今後の為替取引や経済の動向を把握してください。

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