富裕層が利用する証券担保ローンとは?メリット・デメリットについて解説

はじめに

証券担保ローンは、富裕層の方々が資金を調達するための手段の1つです。この記事では、証券担保ローンの基本的な仕組みやメリット、デメリットについて解説します。証券担保ローンを利用することで、富裕層の方々は、手持ちの有価証券を担保に資金を借り、レバレッジを効かせた効率的な資産運用が可能になります。しかし、証券担保ローンには、デメリットやさまざまな条件も存在するため、利用する場合は適切な判断が求められます。証券担保ローンの有効な活用方法について、詳しくみていきましょう。

証券担保ローンの基本的な仕組み

証券担保ローンは、株式や債券、投資信託などの有価証券を担保にした資金調達方法です。

借入れた資金の使途は原則として自由なため、他の有価証券や不動産を購入して資産運用を行うこともできます。

証券担保ローンのメリット

証券担保ローンの利用には以下のようなメリットがあります。

迅速に安定した資金調達が可能

証券担保ローンは手持ちの有価証券を担保にするため、迅速に安定した資金調達をできることが大きなメリットです。
申し込み手続きが簡単で、当日または翌日融資に対応している金融機関が多いことから、急な資金需要に対応できます。

レバレッジをかけた資産運用が可能

証券担保ローンは、原則として資金使途が自由なため、借入れた資金を運用にあてることもできます。つまり、レバレッジをかけた運用が可能になります。

例えば1億円の自社株を保有している企業オーナーの場合、得られるのは株式の配当金だけです。

もし、この自社株を担保に5,000万円を調達した場合、借入金を運用に回せば、自社株の配当金に加えて、5,000万円分の運用益も得られる可能性があります。

低金利での借り入れが可能

証券担保ローンは、有価証券を担保にしているため、金利が低い点も大きなメリットです。
金利は有価証券の種類や金融機関によって異なりますが、1.0%〜3.0%程度が一般的です。

引き続き配当や株主優待を受けられる

証券担保ローンは、株式や債券を保有したまま資金調達できます。

このため、株式の場合は配当や株主優待、債券の場合は利息受け取りが引き続き受けられることもメリットです。

証券担保ローンのデメリット

証券担保ローンの利用には以下のようなデメリットも存在します。

担保とした有価証券の価値変動リスク

証券担保ローンでは、担保となる有価証券の価値変動リスクがあります。もし担保となる証券の価値が下落した場合、追加の担保提供が求められる可能性があります。

また、追加担保の差し入れができない場合や借入比率の高さによっては、有価証券が強制売却される可能性もあります。

借入可能額や担保種類の制約

証券担保ローンは、担保となる有価証券によって「借入れできる割合」(LTV)が定められており、証券会社によって異なります。

また、シングルストックローン(株式1銘柄のみを担保としたローン)に消極的な証券会社があるほか、担保にできる有価証券の幅も証券会社によって異なります。

このため、証券担保ローンの利用にあたっては、各証券会社の貸出条件や基準を比較することが必要です。

証券担保ローンの活用にあたっての注意点

証券担保ローンを活用するにあたっては、以下のような注意点があります。

借り入れ金利や返済計画の検討

証券担保ローンには、証券会社所定の金利がかかります。また、自己保有の有価証券を担保にしているとはいえ、借入れであるために返済計画を検討していく必要があります。

また、証券担保ローンは、一般的に契約更新時の審査が必要となる点にも注意が必要です。

取扱い金融機関が限られる

証券担保ローンは、すべての金融機関が取り扱っている訳ではありません。

このため、有価証券を他の金融機関へ移す(移管する)必要が生じる場合もあります。

また、金融機関によって担保にできる有価証券の種類が異なったり、有価証券の種類によっては、「借入れできる割合」(LTV)が低く設定されている場合もあります。

まとめ

証券担保ローンは、富裕層の方々が資金を調達するのに最適な手段です。

保有している有価証券をもとに、レバレッジをかけた運用ができる点は大きな魅力といえるでしょう。

しかし、利用する際には、注意点やデメリット、条件に留意し、適切な判断を行うことが重要です。証券担保ローンを活用して効率的な資産運用を実現しましょう。

なお、ウェルス・パートナーでは、証券担保ローンを活用した資産運用の相談にも応じております。ぜひ気軽にお申し込みください。

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