遺言書の検認とは?手続きの流れや目的など知っておきたい相続の基礎知識

はじめに

遺言書には裁判所の検認が必要だ。

このような言葉を耳にしたことはないでしょうか。
遺言書の中には見つけて即座に開封できず、裁判所での検認手続きを要するものがあります。
検認が必要な遺言書を勝手に開封してしまうと、過料に処される可能性があるのです。

富裕層は相続対策によく遺言書を利用します。
父や母の相続で困らないように、相続時の「検認」について知っておきましょう。

遺言書の検認とは?

遺言書の「検認」とは、裁判所の確認作業のことです。
遺言書がはじめて開封されることを相続人立ち合いのもとで確認する手続きが「検認」になります。

遺言書を勝手に開封してしまうと、開封した人が内容の書き換えなどを行うかもしれません。
相続人立ち合いのもとで遺言書の開封を行えば、偽造や変造を疑う必要がなくなるからです。
また、相続人たちを立ち会わせることで、一部の相続人だけ遺言書の存在を知っており、残りの相続人に存在を秘匿するなどの事態を防ぐことが可能になります。

自筆証書遺言などは、裁判所での検認を経る必要があります。
対して公正証書遺言などの公証役場で作成する遺言は、公証役場で作成と保管が行われる関係上、偽造や変造などの心配がないからです。
検認が必要な自筆証書遺言などに関しては、勝手に開封することはできず、裁判所で検認を受けなければいけません。

なお、検認手続きは遺言書の有効や無効を確認する手続きではないため、遺言書の有効や無効を主張するためには、あらためて裁判などで争う必要があります。

検認手続きの流れ

自筆証書遺言などを発見して検認が必要なときは、次の流れで検認手続きを進めることになります。

1.家庭裁判所の管轄を調べる
2.家庭裁判所に提出する書類を準備する
3.家庭裁判所へ検認の申し立てをする
4.家庭裁判所から検認の期日などが通知される
5.家庭裁判所から「検認済」の遺言書を返してもらう

以上が基本的な検認の流れになります。

検認を管轄する裁判所は「遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所」になります。
相続人の最寄りの裁判所ではありませんので注意してください。
裁判所の管轄については、裁判所のホームページで確認できます。

申し立てには、申立書や戸籍謄本などの書類が必要です。
書類の準備が難しいと感じたら、弁護士などに手続きそのものを依頼するといいでしょう。

適正に検認の申し立てが行われると、家庭裁判所から検認の期日などが通知されます。
通知に従って検認手続きを行い、最後に検認済の遺言書を返却してもらえば完了です。

遺言書原本が返却されたら、後は通常の相続手続きと同じになります。
検認が必要な遺言書を所持している場合のみ、預金や不動産などの相続手続きの前に遺言書の検認というワンステップを挟むことになるのです。

検認手続きの注意点

検認には3つの注意点があります。

検認には相続人全員が必ず出席する必要はない

申し立て人と相続人たちには、裁判所の方から検認日の連絡があります。
はじめに申し立て人に日程調整の連絡があり、日程が決まってから相続人たちに「検認日の通知」と出席するかどうかを確認する「回答書」が届くという流れです。

遺言書の検認手続きは相続人の立ち合いのもとで行われますが、必ず相続人全員が出席しなければならないわけではありません。
欠席しても特に問題ありませんし、相続人は後日「検認調書」によって検認の対象になった遺言書の確認が可能です。
ただし申し立て人については出席が必要になります。
注意してください。

検認の申し立てから手続き完了までは1カ月ほどかかる

検認が終わるまで預金や不動産などの相続手続きはできません。
では、検認を申し立てた場合、どのくらいの期間相続手続きを止めておくことになるのでしょう。

検認の目安は1カ月ほどです。
スムーズに申し立てて1カ月ほどで、裁判所の混雑状況などによってはさらに時間を要します。
相続手続きをスムーズに進めるためにも、検認の期間を視野に入れて動き出しましょう。
申し立て時に担当弁護士等にそのときの必要期間を確認しておくことをおすすめします。

まとめ

自筆証書遺言など、遺言の書類によっては検認が必要になります。
検認とは、相続人が立ち合い裁判所で行う遺言書の確認手続きのことです。
検認は有効や無効などは確認対象外であることや、1カ月ほどの期間を見る必要がある点に注意してください。
検認でわからないことがあれば、弁護士などの専門家に相談しましょう。

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