2021
01/25
資産運用入門

はじめに

今回は個人投資家に人気の新規公開株(IPO)投資の魅力と注意点についてご案内します。
マネー雑誌やインターネットサイトでもIPOについての記事が増えており、興味のある個人投資家も増えています。ただ興味はあるけれども一般的な株式投資との違いがよくわからないという方もいらっしゃるようです。

IPOとは?

IPOとは「Initial Public Offering、イニシャルパブリックオファリング」の略で企業が新規に株式を公開することを指します。株式を公開することにより投資家はその企業の株式を証券取引所などで自由に売買出来るようになります。

株式を公開するには、証券取引所による一定基準の審査をクリアすることが必要です。上場企業になるということは、企業の内部管理体制や法令遵守に対しても非公開企業に比べて、きちんとした対応が求められます。

そのため株式を公開し、上場するということは知名度や企業の社会的な信用力が大きく向上します。

また、株式公開により資金調達もしやすくなります。新規公開時やその他のタイミングで新たに株式を発行(公募増資)することにより、資金を投資家から調達して設備投資や研究開発、事業の運転資金とすることが出来ます。

IPO投資の魅力とは?

IPO投資の魅力は、成長が期待されるスタートアップやベンチャー企業などに投資が出来るためうまく行けば大きなリターンが見込めることです。また取引所などでの公開済みの株式投資と異なり、IPO投資は人気がある銘柄の場合は、抽選による配分となる場合もあります。抽選の倍率が高く、人気の銘柄は公開時の初値も公開価格に比べて高くなる場合もあります。

よく未公開株投資とIPOを混同される方がいらっしゃいますが、未公開株は取引所の審査も経ておらず株式公開するスケジュールも未定のままの企業に対して投資を行います。対してIPOは取引所の審査を経て、株式公開のスケジュールも決まっている、いわば「公開直前」の株に投資するという明確な違いがあります。

投資する方法

IPOへの投資の方法は、通常の上場株と同じように証券会社の口座が必要です。IPOのスケジュールは証券取引所や証券会社などのサイトでも公開されています。それをもとに投資したいIPO銘柄が決まったら、幹事証券と呼ばれる取り扱いの証券会社に申し込みます。

現在は仮条件の範囲内で希望の価格と株数を申し込むブックビルディング方式と呼ばれる方法が一般的です。ブックビルディングにおいて需要が多い場合は抽選となります。(一部証券会社によっては取引実績などを考慮した裁量による配分)。

抽選に当選するなどして配分を受けることが出来たら、購入の意思表示をして代金を支払います。あとは公開日以降であれば、通常の上場銘柄と同じように売却することが出来ます。

デメリット

IPOのデメリットは、あくまで株式投資なので値上がりは保証されたものではなく値下がりによる損失の可能性があります。IPO株は新興成長株であることが多く東証1部に上場する大型株に比べて、時価総額や売買高などがはるかに小さいケースも多いので値動きが大きくなる傾向にあります。

また、投資に関する情報や企業の情報開示も大型株に比べると見劣りすることが多いので、投資判断にはある程度の投資経験が必要となる場合もあります。

IPO株が人気で抽選となって場合は、外れてしまうとIPOでの投資が出来ません。もちろん上場後に取引所で買うことも出来ますが、そのような人気のIPO株は公開価格に比べて高めに初値で取引が行われる場合も多い点には留意が必要でしょう。

2020年はIPO活況の年だった

2020年は、多くの企業がIPOを行った年でした。IPOに対する投資成績も例年を上回っていたと思われます。

例えば2020年2月に東証マザーズ市場に新規上場した地元に特化した掲示板サービスの「ジモティー」は、公開価格が1000円に対して初値は2300円とおよそ2.3倍になりました。
その後は一旦値下がりする場面もありましたが株高の流れもあり年末にかけては4000円を超える場面もありました。

もうひとつ、2020年12月に同じように東証マザーズ市場に新規公開した資産運用を全自動のロボアドバイザーにより手掛ける「ウェルスナビ」も好調な推移となりました。

ウェルスナビは唐沢寿明さんなどの有名俳優を起用したテレビCMなどにより個人投資家の間でも知名度が高かったことも背景にあると思われます。公開価格は、1150円に対して初値は1725円とおよそ1.5倍になりました。

その後も上昇を続け、一ヶ月足らずで年末には3000円を超えるなど順調な株価の推移が続いています。

まとめ

今回は、IPO(新規公開株)投資についてご案内しました。株高や低金利の中、リスクを取って株式投資で値上がり益や配当によるインカムゲインを狙いたいという個人の方が増えています。

新型コロナウイルスによって生活や産業のあり方が変わる中で新たな成長株を探す動きも加速しており、株式市場で値上がりする成長株も多く見られるようになってきました。
ただしご案内したようにIPO投資はあくまで株式投資なのできちんとリスクとリターンについて理解した上で、投資を行うようにしましょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者14万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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