複雑な相続ケース「数次相続」とは?代襲相続との違いなどを事例で解説

はじめに

国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、日本の平均年齢は2000年の時点で約41歳になっています。
2010年の時点で44.6歳、2020年では約47歳です。
日本の少子高齢化がこのまま進むと、2030年の日本の平均年齢は49歳ほどになり、2040年では50歳を超える予想です。
平均年齢の推移からは日本の急激な少子高齢化が読み取れます。

日本の平均年齢が上がるということは、周囲の死の場面に直面する機会が増えるということではないでしょうか。
死に接する機会が増えることで、いろいろな相続ケースに接する可能性も増えると考えられます。
相続知識を深めておくことは、今後さらに重要になるはずです。

複雑な相続ケースとして「数次相続」「代襲相続」について解説します。

数次相続とは?

数次相続は複雑な相続ケースのひとつです。

最初の相続が起きて相続手続きが終わらないうちに次の相続が起きてしまうことを「数次相続」といいます。
相続手続きが終わらないうちに次の相続が起きて、相次いでさらに次の相続が起きる。
このように、相続手続きが終わらないうちに相次いで次の相続が起きていれば、相続の回数に関わらず数次相続になります。

数次相続では最初の相続を一次相続といい、次の相続を二次相続といいます。
さらに相続が起きると三次相続です。

数次相続の具体例

父親が亡くなり、母親とひとり息子が相続人になりました。
母親と息子が相続手続きを進めようとしていた矢先、今度は相続人のひとりである母親も亡くなってしまいました。
父親の相続が一次相続で、母親の相続が二次相続です。

仮に息子に子供(孫)がいて、母親の相続が終わらないうちに、さらに息子も亡くなったとします。
立て続けに3つの相続が起きたケースです。
このケースも数次相続になります。

数次相続はなぜ複雑な相続ケースなのか

数次相続は相続ケースの中でも複雑なケースです。
なぜなら相続手続きが終わらないうちに次の相続が起きてしまうため、「誰が相続人なのか」「どのような相続手続きをすればいいのか」が分かりにくくなってしまうからです。

たとえば前述の例で考えると、最初の相続人は母親と息子でしたが、父親の相続が終わらないうちに母親が亡くなったら、一体どのように相続を進めればいいのでしょうか。
さらに息子が亡くなり息子の相続人である孫まで関係してくると、誰が相続人になるのか判断が難しくなるわけです。

代襲相続とは?

代襲相続とは、本来相続するはずだった人が相続できないときに「代わって相続すること」です。
相続するはずだった相続人が亡くなっており相続できないときに、その子供が代わって相続人になるケースなどが代襲相続になります。

代襲相続の具体例

祖父が亡くなり父親が相続をするはずでした。
しかし父親はすでに亡くなっているため、相続できません。
父親には息子がいたので、父親に代わって相続することになりました。

代襲相続と数次相続の違い

代襲相続は数次相続と混同されることがあります。
しかし、代襲相続と数次相続は違った相続ケースです。

数次相続は相続手続きが終わらないうちに次の相続が起きてしまう相続ケースを指します。
対して代襲相続は次々に相続が発生するわけではなく、相続人に相続できない事情があるため代わって子供や甥、姪などが相続するケースを意味します。
このように数次相続と代襲相続では意味が違っているのです。

まとめ

数次相続とは相続手続きが終わらないうちに次の相続が起きてしまう相続ケースのことです。
次々と相続が起きてしまうため、相続人の特定が難しく、相続手続きも困難になるという点で複雑な相続ケースになります。
数次相続の場合は弁護士や司法書士などの専門家に相談し、相続人の特定や相続手続きのアドバイスを受けた方が無難です。

数次相続はよく代襲相続と混同されることがあります。
代襲相続も複雑化しやすい相続ケースになります。
混同すると相続がさらに複雑化する原因になるため、基本的な意味の違いは理解しておくことが重要です。
分からないことがあれば、相続手続きをミスしないためにも専門家に相談してください。