2018
11/29
最終更新日:2018/12/20
経済・マーケット

みなさんは「シカゴIMM通貨先物ポジション」という言葉はご存知でしょうか?初めて耳にするという方もいらっしゃるかもしれません。

シカゴIMM通貨先物ポジション(以下、IMMポジション)は、先物取引で有名なアメリカのCME(シカゴマーカンタイル取引所)が発表している通貨先物のポジションのことをいいます。CMEには世界中の金融機関やトレーダー、ヘッジファンドが参加しています。IMMポジションについても、ファンド勢などがいわゆる投機筋のポジションを多く保有しており影響力が大きくなっています。

外国為替相場については、貿易を通じた実需の売り買いがありますが、投機筋による売り買いが相場動向に大きな影響を与えているのも事実です。世界中の投資家がIMMポジションを見て投機筋の動きをチェックして行動しているため、市場全体の流れを表す指標となっています。

全米先物取引委員会(CFTC)は、各取引所に先物商品のポジション情報の公開を義務付けており、CMEは毎週金曜日の取引終了後に、その週の火曜日時点での数値を発表しています。リアルタイムでの指標ではありませんので、その指標にすぐに反応するというものではありませんが、トレンドを把握する意味では重要な指標です。
【参考】
https://www.central-tanshifx.com/market/finder/popn-cicago-imm-position.html

IMMポジションは「ドル円」「ユーロ円」という形での発表ではなく、ドルに対して各通貨がどのように取引されているかが発表されます。

例えば上の表を見ると
2018年10月23日(火)時点
円売り(JPY Short)・・・▲122,726
円買い(JPY Long)  ・・・29,922 
差引(JPY NET)   ・・・▲92,804

円/ドルのポジションで見ると「売り」のポジションの方が多くなっているので、ドル/円に置き換えると「買い」のポジションの保有割合が伸びています。

IMMポジションでは「円/ドル」となっていますが、通常私たちがニュースで目にするのは「ドル/円」の相場なので、気を付けなければなりません。

ドル金利が上昇する中で、ドルが買われ円を売る動きが続いたため、円を売る(Short)ポジションが大きい状態です。ただし10月に入り徐々にその流れは変わりつつあります。今後「売り」に傾いた場合は、損切りで一気に円高に動く可能性が高いともいえます。トランプ大統領のFRBや金利に対する発言からも「これ以上は円安になる余地が少ない」と考えられます。

先物取引はシンプルに考えると、次の動きがわかります。すなわち先物で買いのポジションをとれば、どこかのタイミングで決済しなければならないからです。特に投機筋の場合は短期間で収益を求められるビジネスですので利益確定や損切りは素早く行われます。

買いポジション 大 → 少しのきっかけで下降トレンドに転じる可能性
売りポジション 大 → 少しのきっかけで上昇トレンドに転じる可能性
買いポジション 小 → 上昇トレンドであれば継続
売りポジション 小 → 下降トレンドであれば継続

買いポジションが大きければ売りで決済する圧力が高まり、少しのきっかけで相場は下降トレンドに転じる可能性があります。
売りポジションが大きければ買いで決済する圧力が高まり、少しのきっかけで相場は上昇トレンドに転じる可能性があります。
ポジションが小さければ現状のトレンドが継続します。

まとめ

IMMポジションは世界中の投資家が注目しており為替相場動向を見るうえで重要な指標です。主に投機筋の動向を示しており、ポジションの積み上げ具合により、今後の相場のトレンドが見えてきます。
ポジションの偏りが小さいときは現状のトレンドが伸びていくと判断されますが、とくにポジションの偏りが大きくなったときは注意が必要です。今後少しのきっかけでトレンドが転換する可能性があります。
FXを行う人だけでなく為替に関心のある方はIMMポジションに注目してください。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

<ご注意事項>

  • 当社の所属金融商品取引業者等は株式会社SBI証券、東海東京証券株式会社、エアーズシー証券株式会社です。
  • 当社は所属金融商品取引業者等の代理権は有しません。
  • 当社はいかなる名目によるかを問わず、その行う金融商品仲介業に関して、お客様から金銭および有価証券のお預かりを行いません。
  • 各商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

[金融商品仲介業者]

商号等:株式会社ウェルス・パートナー

登録番号:関東財務局長(金仲)第810号

[所属金融商品取引業者]

商号等:株式会社SBI証券

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会

商号等:東海東京証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:東海財務局長(金商)第140号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人日本STO協会

商号等:エアーズシー証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第33号

加入協会:日本証券業協会

ご相談はこちらから
お名前*
お名前カナ*
メールアドレス*
電話番号*
第一希望日*
ご希望のお時間*
第二希望日*
ご希望のお時間*
面談場所*
ご相談を希望するアドバイザー
当日は代表の世古口が同席する場合がございます。
大まかな保有資産額を教えてください。*
ご年収を教えてください
当社を知ったきっかけ*
ご相談内容
利用規約*
上記でご入力いただいた内容は、当社からの連絡や情報提供などに利用するためのもので、それ以外の目的では使用いたしません。
また、その情報は、当社以外の第三者が利用することはございません。(法令などにより開示を求められた場合を除きます)
詳しくは、個人情報規約をご覧ください。
https://wealth-partner-re.com/policy/