劣後債について解説の前に
国債や社債については知っていても、劣後債については知らない人もいるのではないでしょうか。劣後債は普通社債とは異なり、発行体の債務不履行時の返済優先度が低く、普通社債に比べリスクが高い債券です。しかし、一般的に普通社債に比べ高い金利が設定されているため、大きなリターンが期待できます。本記事では、劣後債の仕組みや市場環境、メリットについて解説します。
IFA(資産運用アドバイザー)とは?
資産運用アドバイザーとは、資産運用や投資のアドバイスをする人のことで、銀行や証券会社に所属していることがほとんどです。そして、IFAは資産運用アドバイザーの一種ですが、銀行や証券会社から独立した人が多くいます。IFAは市場動向の分析や資産配分の方法に関するアドバイスや、債券や株、投資信託といった金融商品の説明とその販売と仲介を行います。また、IFAは金融商品取引業者ではなく金融商品仲介業者となります。
返済優先度が低い劣後債とは?
劣後債とは、普通社債に比べて返済優先度が低い債券のことです。例えば、企業などの発行元が破綻した場合、普通社債保有者が優先的に返済された後、残りの財産が劣後債保有者に配分されます。劣後債は、普通社債と株式の中間的な性格を持ち、残余財産の配分優先度は普通社債よりも低く、株式よりは高いです。金融機関が発行する劣後債は、自己資本の計算に使うことができるため、自己資本を増やすための手段として利用されることがあります。
SBI証券「劣後債とは、何ですか?(動画説明あり)」
金利上昇リスクに注意の劣後債市場
劣後債は2022年以降、苦境に立っています。高い利回りが魅力ですが、普通の社債に比べてリスクが高く、金利が上昇すると価格が急落することがあるからです。このため、投資家からの需要が減り、発行量が急減しています。さらに、2023年以降大量償還が控えており、借り換えができない可能性もあるため、不安がくすぶっています。
劣後債は、表面的には数十年など長期間の償還期限があるように見えますが、実際には5年や10年などの一定期間後に早期償還されることが多いようです。そして、これまでに大量に発行された劣後債が次々と早期償還の時期を迎えているのです。つまり、劣後債には早期償還のリスクがあるため、投資家は償還期間に加え、早期償還の可能性も考慮する必要があります。
現在、米国では政策金利が当面年4~5%台に高止まりすると予想されており、さらに、日本では日銀が政策を変更する可能性があるとの観測が強まっています。劣後債は常に金利上昇圧力にさらされているため、今後の金利動向によっては、劣後債の価格が下落する可能性があります。
現在の市場環境では、金利上昇のリスクに対する注意が必要であり、劣後債への投資判断をする際には、金利動向を十分に把握する必要があります。
劣後債のメリットは金利が高い
劣後債のメリットの1つは、一般的に普通社債に比べて金利が高い点です。劣後債は返済順位が低く、元利金が回収できないリスクが普通社債に比べて高いため、高い金利が設定されています。そのため、劣後債に投資することで、普通の社債よりも大きなリターンが期待できます。
また、劣後債は、多くがドル建てで発行されるため、リスク分散の効果があります。特に、円安時には、ドルで資産を保有することが有利であり、劣後債に投資することでドル建ての運用が可能となります。
ただし、高い金利にはリスクがあるので、劣後債への投資は慎重に行う必要があります。劣後債の利回りが高い理由を理解し、リスクとリターンのバランスを考えて投資判断をすることが大切です。
まとめ
劣後債は返済優先度が低く、リスクが高い債券ですが、高い金利が設定されているため、大きなリターンが期待できます。また、多くがドル建てで発行されるため、リスク分散の効果もあります。
ただし、早期償還や金利上昇のリスクがあるため、投資判断は慎重に行う必要があります。そのため、資産運用の専門家であるIFAに相談することをおすすめします。IFAは豊富な業界知識と経験を持ち、市場動向の分析や資産配分の方法などについてのアドバイスを行い、投資家にとって最適な選択肢を提供します。金利上昇局面での劣後債の投資には、IFAのアドバイスを受けて慎重に判断することが重要です。
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