2020
07/10
最終更新日:2020/07/13
不動産

はじめに

日本では、20代~60代の生命保険加入率は8割に上っており、今や日本人にはかなり身近な保険となっています。

そんな生命保険ですが、子どもにかける必要はあるのでしょうか。

ほとんどの人は、教育費等を積み立てるために、なんとなく子どもに積立型の生命保険をかけた方が良いような気がしているのではないでしょうか。

しかし、実は、子どもに生命保険をかける必要性はそこまで高いとはいえません。

今回は、子どもに生命保険をかける必要性が乏しい理由について解説します。

1.検討の余地があるのは貯蓄目的での加入

そもそも子どもに生命保険をかける必要はあるのでしょうか。

生命保険には、主に2つの目的があります。

(1)死亡保障や医療保障のため
(2)将来への貯蓄のため

このうち、死亡保障についてはそもそも、遺された家族の生活を支えるためのものなので、子どもに死亡保険をかける意味はありません。

また、貯蓄目的で生命保険を使う場合でも、子どもにかけるというのは有効であるとはいえません。

貯蓄するために活用できる生命保険には以下のようなもの考えられます。

(1)養老保険
(2)学資保険
(3)終身保険

この中で、総合的に考えると終身保険が最も有用といえます。しかし、終身保険は子どもよりも親を被保険者にする方が、あらゆる面で有利です。

以下、詳しく見ていきましょう。

(1)養老保険

養老保険は、保険期間中に死亡すると遺族に死亡保険金が支払われ、何事もなく満期を迎えると満期保険金を受け取れる保険です。

昔は利率が高く、貯蓄ができる有用な保険でした。しかし、現在では利率がほとんどなく、払込保険料の総額が、満期保険金を下回るものがほとんどです。

最悪の場合、元本割れを起こしてしまうので、貯蓄目的で加入するのであれば、全くおすすめできません。

(2)学資保険

学資保険とは、子どもの将来の学費のため積み立てができる保険のことです。

加入し続けると、進学時など、一定のタイミングで進学資金・満期額資金などの名目で給付金を受け取ることができます。

昔は無難でしっかり増える保険として、養育費の貯蓄に活用されることが多かったのですが、養老保険と同じく、マイナス金利になってからは利率がきわめて低くなっており、元本割れするものが大半になってしまっています。

また、死亡保障は、せいぜい、それまでに払い込んだ額が戻ってくるだけで、大きなメリットにはなりえません。

現時点では、以下の終身保険の方がおすすめです。

(3)終身保険

最後に終身保険です。

代表的なものとしては、今なお根強い人気がある低解約返戻金型終身保険(円建て)の他、利率の高い米ドルで運用する米ドル建て終身保険、投資信託や債券等で運用する変額終身保険が挙げられます。

貯蓄目的で使用する場合、必要なタイミングで保険を解約し、解約返戻金を受け取ることで、まとまったお金を手に入れることができます。

共通していることは、解約しなければ死亡保障が一生涯続くことと、保険料払込期間満了まで解約しなければ、ある程度の利率による増額が望めるということです。

しかし、この終身保険は親にかけるべきであり、子にかけるメリットは乏しいと言えます。

なぜなら、親にかけておけば、お金が積み立てられる他にも、親に万一があった場合、死亡保険金が支払われるので、子どもの養育費に充てられるという効果があります。

また、子どもと親とでは親の方が死亡のリスクが高いのは明らかです。

したがって、もし、子どもの方が解約返戻金の返戻率が多少高かったとしても、親に万一のことがあった場合のことを考えて、親が加入する選択肢をとるべきです。

以上、貯蓄目的であっても、子どもに生命保険をかける必要性は乏しいと言わざるを得ません。

さいごに

子どもに生命保険をかける必要性についてご説明してきました。

生命保険の目的には、「保障」と「貯蓄」の2種類があります。

まず「保障」については、生命保険は遺族の生活を守るためのものなので、必要性は低いといえます。

次に、養育費等の「貯蓄」目的では、数ある商品のなかでも終身保険がおすすめですが、これも子どもにかける価値は乏しいと言えます。

なぜなら、親に万一があった場合の子どもの教育費を用意するには親に保険をかけた方が良いですし、親の方が死亡のリスクが高いからです。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

<ご注意事項>

  • 当社の所属金融商品取引業者等は株式会社SBI証券、東海東京証券株式会社、エアーズシー証券株式会社です。
  • 当社は所属金融商品取引業者等の代理権は有しません。
  • 当社はいかなる名目によるかを問わず、その行う金融商品仲介業に関して、お客様から金銭および有価証券のお預かりを行いません。
  • 各商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

[金融商品仲介業者]

商号等:株式会社ウェルス・パートナー

登録番号:関東財務局長(金仲)第810号

[所属金融商品取引業者]

商号等:株式会社SBI証券

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会

商号等:東海東京証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:東海財務局長(金商)第140号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人日本STO協会

商号等:エアーズシー証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第33号

加入協会:日本証券業協会

ご相談はこちらから
お名前*
お名前カナ*
メールアドレス*
電話番号*
第一希望日*
ご希望のお時間*
第二希望日*
ご希望のお時間*
面談場所*
ご相談を希望するアドバイザー
当日は代表の世古口が同席する場合がございます。
大まかな保有資産額を教えてください。*
ご年収を教えてください
当社を知ったきっかけ*
ご相談内容
利用規約*
上記でご入力いただいた内容は、当社からの連絡や情報提供などに利用するためのもので、それ以外の目的では使用いたしません。
また、その情報は、当社以外の第三者が利用することはございません。(法令などにより開示を求められた場合を除きます)
詳しくは、個人情報規約をご覧ください。
https://wealth-partner-re.com/policy/