目次
はじめに
富裕層の方々の中には、より高い収益性を求めてヘッジファンドへの投資を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、ヘッジファンドの詳しい内容や投資するメリットとデメリット、リスクなどについて詳しく知っている方は決して多くないはずです。
この記事では、ヘッジファンドとは何か、ヘッジファンドの種類や特徴、ヘッジファンドのリスクとリターン、日本で投資できるヘッジファンドについて紹介します。
ヘッジファンド投資に興味をお持ちの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
ヘッジファンド投資の特徴
ヘッジファンドは「他の人より高いパフォーマンスを得たい」という富裕層の方々の願望を具現化した投資対象といえるでしょう。
ヘッジファンド投資のおもな特徴は「高いパフォーマンスを期待できる」「マーケットの状況によらず収益を得られる」「株式や債券などと分散効果が期待できる」点にあります。
ヘッジファンドとは何か?その仕組みを解説
ヘッジファンドとは、さまざまな投資手法を用いて、リスクを避けながら高い収益を目指す富裕層向けの投資ファンドです。
投資家から集めた資金を運用会社がマーケットを通じて運用するため、仕組みはネット証券等で買える投資信託に似ていますが、次の点で異なります。
ネット証券等で買える投資信託は基本的に公募ファンドであるのに対して、ヘッジファンドは私募ファンドです。このため、規制がゆるく自由なファンド設計が可能という特徴があります。
ネット証券等で買える投資信託は、相対収益型(相場がある方向へ動いた場合にのみ利益が出る)なのに対して、ヘッジファンドは、相場の状況にかかわらず利益を追求する絶対収益型の金融商品です。
ヘッジファンドは、株式ロング・ショート戦略や先物取引、オプション取引などを活用して、「下げ相場」でも利益を追求できる点が大きな特徴です。
最低投資金額
最低投資金額については、ネット証券等で買える投資信託が百円単位からと少額なのに対して、ヘッジファンドは最低でも1,000万円以上となっています。
現在では、ヘッジファンドは小口化スキームによって、最低10万米ドル(1ドル160円換算だと1,600万円)から投資可能ですが、以前は最低数億円以上が投資基準でした。
このため、まさに富裕層のための投資手法といえるでしょう。
ヘッジファンドの戦略とその特徴
ヘッジファンドは、さまざまな投資戦略を駆使して高い収益を目指す投資手法です。
ここでは、ヘッジファンドのおもな投資戦略とその特徴について解説します。
株式ロング・ショート戦略
株式のロング(買い)とショート(売り)を組み合わせて、株価上昇時だけでなく下落時にも収益を獲得する戦略です。
昨今のヘッジファンドの戦略の中で3分の1以上を占めているとされ、ヘッジファンドの最も重要な戦略となっています。
グローバル・マクロ戦略
世界中の経済や金融市場、政治情勢などをマクロ(大局的)の視点から分析し、各国や地域のさまざまな資産に投資する手法です。大きな経済のトレンドや流れに乗った戦略といえます。
アービトラージ戦略
アービトラージ(裁定取引)戦略とは、同じ価値を持つ資産で一時的に価格差が生まれた場合に割高な方を売り、割安な方を買い、その後両方の価格差が収れんした時点で反対売買を行う「鞘取り戦略」です。
イベント・ドリブン戦略
企業の業績や株価に大きな影響を与えるM&Aや業務委託など、重要な出来事(イベント)で生まれる収益機会を活用する戦略です。
ヘッジファンドのリスクとデメリット
ヘッジファンドは、相場の状況にかかわらず高い利益を追求できる点が特徴ですが、次の通りさまざまなリスクを伴います。
また、ヘッジファンドに投資するデメリットもあるので、併せて解説します。
元本割れリスク
ヘッジファンドは元本が保証された金融商品ではないため、元本割れリスクがあります。
過去のパフォーマンスや実績を確認して適切なヘッジファンドを選ぶことが大切です。
流動性リスク
ヘッジファンドは現金化するまでに時間がかかるため、流動性リスクがあります。
投資信託や株式、債券などは解約すると、数日から一週間程度で現金化できるため、比較的大きなメリットといえるでしょう。
また、ヘッジファンドの中には四半期に一度しか解約できないなどの条件が付されている場合もあるので、投資前に解約の条件を確認することが重要です。
破綻リスク
ヘッジファンドは、高い利益を追求するためにレバレッジ取引を行います。このため、大きな損失が生じて、ファンドが破綻するリスクもあります。
運用コストが高い
ヘッジファンドは、プロがさまざまな投資手法を活用して高い運用成果を目指す金融商品です。
このため、投資信託や他の金融商品に比べて運用コストが高いというデメリットがあります。
ヘッジファンド選びのポイント
ヘッジファンドは、高いパフォーマンスが期待できるため魅力的な投資対象といえるでしょう。
ただし、ヘッジファンドは私募ファンドであり規制も緩いことから、どのヘッジファンドを選ぶかは大切なポイントになります。
国内では投資できるヘッジファンドが少ないため、特に慎重に選ぶ必要があります。
日本で投資ができるヘッジファンド
続いて日本で投資できるヘッジファンドの内容や、投資する際の注意点を解説します。
現在、数は多くないものの、ヘッジファンドは日本の証券会社数社でも取り扱いがあります。
本来は最低でも数億円以上の投資が必要でしたが、小口化スキームによって最低10万米ドル(1ドル160円換算だと1,600万円)から投資可能になっています。
また、海外の有名なヘッジファンドにも、FOF(ファンド・オブ・ファンズ)で投資可能となっています。
そして注意点としては、海外のファンドということで、運用会社の免許や財務局への届け出、信用補完(運用資金と運営会社の資産が分別管理されているか)、監査法人について確認しておくことが重要です。
IFAを通して相談することも可能
ヘッジファンドへの投資を考える場合に、「どこで投資できるか」「信用できるヘッジファンドか知りたい」と悩まれる方も多いでしょう。
先述の通り、ヘッジファンドは日本の証券会社で取り扱っていますが、「投資できるヘッジファンドが少ない」「内容が分かりにくい」という問題があります。
ヘッジファンド運用は、IFA(資産運用アドバイザー)へ相談することもできるので、ぜひIFA会社のセミナーや相談会を活用しましょう。
ウェルス・パートナーでは、ヘッジファンド運用を検討している方からの相談を承っております。
相談は無料となっていますので、ぜひ気軽にお問い合わせ下さい。
ヘッジファンドのご相談はこちらから
ヘッジファンドをポートフォリオへ組み入れる効果
ヘッジファンドは、高いリターンを追求できる点が魅力ですが、リスクもあります。ポートフォリオへ組み入れることでさまざまな運用効果を得ることができます。
リターンの底上げが可能
運用成果の高いヘッジファンドは、リスクもありますが高いリターンが期待できます。
このため、ヘッジファンドをポートフォリオへ組み入れることで、リスクを抑えたままリターンを底上げすることが期待できます。
高い分散効果を得られる
株式や債券などの資産は、市況が悪化すると価格下落は避けられません。
一方、ヘッジファンドは市況が悪化する局面でも、ショート(売り)戦略を活用するなどの方法で収益を得ることが可能です。
このため、株式や債券など伝統的資産とヘッジファンドを組み合わせることで、高い分散効果を得ることが期待できます。
まとめ
ヘッジファンド投資には、「高いパフォーマンスを期待できる」「マーケットの状況によらず収益を得られる」「株式や債券などと分散効果が期待できる」などさまざまなメリットがあります。
ただし、投資する際にはファンドの運用体制や過去のパフォーマンスのほか、ファンドの破綻リスクや流動性リスクなども考慮する必要があります。
初めてヘッジファンドへ投資する方であれば、IFAなどプロのアドバイスを受けるのもよいのではないでしょうか。
株式会社ウェルス・パートナー
ポートフォリオマネージャー
早稲田大学商学部卒業後、株式会社群馬銀行へ入社。富裕層と会社経営者を中心とした資産運用のコンサルティング業務に従事。銀行での提案には限界があると感じ、もっと付加価値の高い提案をしたいと思い株式会社ウェルスパートナーに入社。富裕層、会社経営者の資産配分最適化や具体的な金融資産の投資実行サポートを行う。