2018年 世界の料理専門家1000人が選んだ世界で最も美味しいレストラン10選! 

世界中の一流レストランを巡り最高のグルメ料理を食べつくした富裕層の方でも、世界で最も美味しいレストランを10店選ぶのは至難の業です。各国に無数の美食レストランがあり、人によって嗜好は異なり、新しい美食レストランも次々に登場しており、10店に絞るのはほぼ不可能でしょう。そんな中で美食レストラン厳選の参考となるのが、毎年スペインのビルバオで行われる「世界のベストレストラン50」のランキングです。全世界26か国のフードジャーナリスト、フーディ、シェフ1080人が投票して選ぶベストレストランで、その信頼性は高く評価されています。今回は2018年に選出された最新のランキングから上位ベスト10をご紹介してまいります。

1位 オステリア・フランチェスカーナ/イタリア

北イタリアのモデナにあるミシュランの3つ星レストランで、シェフのマッシモ・ボットゥーラ氏は余分な装飾や色彩を極力排除すべく、最先端の技術を駆使してミニマリズムの粋を追求し、伝統料理に革新の道を開いたことで「イタリア料理の破壊者」と異名を持ちます。28席のレストランで厨房には常時40人以上の料理人がいるのも、料理への真剣な取り組みがうかがわれます。

また同氏は食料廃棄問題に積極的に取り組み、2015年のミラノ万博で自ら手掛けた「レフェットリオ」活動では、廃棄対象食品を逸品料理に変え恵まれない人々に無償提供するなど、世界的にも高く評価されています。映画や書籍にも取り上げられ、現在もその活動は続いています。

2位 アル・サリェー・ダ・カン・ロカ/スペイン

スペインのカタルーニャ地方でロカ3兄弟が営むミシュランの3つ星レストランで、分子ガストロノミー技術を駆使して伝統的なカタルーニャ料理をクリエイティブに表現し、「伝統的料理とシュルレアリスムの筆致の融合」と絶賛されています。

料理には同地方で採れる食材を使い、6万本あるワインセラーから料理にあったワインを提供し、コースの最後には世界最優秀パティシエに選出された三男ジョルジュによる芸術的なデザートで締められます。

3位 ミラズール/フランス

南フランスのイタリア国境に近いマントンの、小高い丘から地中海を臨むミシュラン2つ星レストランで、自然に囲まれた、リゾート感たっぷりのゆったりくつろげるレストランです。

アルゼンチン出身のイタリア系シェフ、マウロ・コラグレコ氏は、地元の海や山の自然食材や自家栽培の野菜や果物などを使って、アルゼンチンとイタリアの伝統と感性を活かし、大胆かつ芸術的に表現し絵画のような逸品料理を提供しています。

4位 イレブン・マディソン・パーク/アメリカ

アメリカ、ニューヨークに5店あるミシュランの3つ星レストランの中でも最高と言われるレストランで、全米で最も実力のあるシェフ、ダニエル・ハム氏が完璧な世界観を創り出しています。近郊で採れる新鮮な食材を使って季節感を活かした料理を提供し、珍しい機材を使った給仕方法など、独創的で娯楽性の高い演出でも注目を集めています。

2017年に改装されよりエレガントにリニューアルされた店内は、メインダイニングとバーラウンジに分かれ、著名アーティストに特注した芸術作品が飾られたダイニングで、目にも舌にも極上の時間を過ごせることでしょう。

5位 ガガン/タイ

タイのバンコクの静かな立地に佇む真っ白な一軒家のレストランで、コロニアル調のシックなインテリアで癒しの空間を演出しています。オーナーシェフを務めるインド人のガガン・アナンド氏は、世界一予約が取れないスペインのレストラン「エル・ブジ」で働いた経験を活かし、分子料理「モラキュラー・キュイジーヌ」をインド料理にフュージョンし、実験的で前衛的なインド料理を開花させ話題となりました。

液体窒素で食材を急速冷凍、冷凍粉砕でピューレ、窒素を使って食材を泡状にするエスプーマなど、化学的なアプローチでエンタメ感を演出するメニューは、20皿のコースで約1万円とコスパ抜群でアジアNo.1の評判もうなづけます。

6位 セントラル/ペルー

ペルーのリマで2008年に店をオープンしたオーナーシェフのビルジリオ・マルティネス氏は、地形の高低差が生み出す250種類以上の豊かなペルーの食材を使った、ヘルシーで色彩豊かなペルー料理で訪れるお客様に感動を与えています。

特産フルーツ、樹高2mの木から取れるトマト、10年間寝かしたポテト、香り高いペルーカカオなどの珍しい食材が、油を使わないヘルシーで酸味と唐辛子の効いた、ペルーのエネルギーを凝縮した料理へと生まれ変わります。

7位 マイド/ペルー

日系企業が多く日系人も多く暮らすペルーのリマで、日系2世のシェフ、ミツハル・ツムラ氏が繰り広げる「ニッケイ料理」が話題となっています。ニューヨークや大阪で経験を積み、元来の日本料理を自由な発想で独創的に進化させたフュージョン和食です。

リマの沖合で獲れる新鮮な魚介類を、チリ料理で用いるライムなどの柑橘類を巧みに使い、和食とは違う味覚体験を楽しめる「ニッケイ料理」として確立し、独自のグルメスタイルを生み出しているのです。

8位 アルページュ/フランス

フランスのパリにあるミシュラン三ツ星レストランの中でも最高峰と評され、1996年からずっと三ツ星を保持しています。オーナーシェフのアラン・パッサール氏はその絶妙の火加減から「肉の魔術師」といわれています。

2000年に入ると同氏は野菜に傾倒し、ノルマンディやルマン郊外に土地を購入し、そこで育てたこだわりの農作物を使い野菜のみのフルコースを提供するなど、近年は野菜料理のスペシャリストとしてその名を高めています。

9位 ムガリッツ/スペイン

スペインのバスク地方のエレンティアにあるレストランで、オーナーシェフのアンドニ・ルイス・アドゥリス氏は、世界のシェフが憧れる名だたる「エル・ブジ」のシェフから「この惑星における2人の偉大な料理人」と絶賛された天才シェフです。

醤油やみりんなど日本の調味料も駆使し、野生の花や香草を料理に散りばめ、科学・舞踊・音楽・映画といった文化的要素を吸収し独自に解釈し、その感性が料理に反映されています。

10位 アサドール・エチェバリ/スペイン

美食地方としても有名なスペインのバスク地方の、静かな自然の中に佇む隠れ家的な一軒家のレストランです。オーナーシェフのビクトル・アルギンソニス氏は科学的な調理法に背を向け、伝統的な薪を使ったバスク伝来の調理を展開し、極上の薪焼きレストランとして「究極のバーベキュー」を提供しています。

まるで錬金術師の如き熾火使いの達人は、流行りのガストロノミーとは一線を画す独自の料理を生み出し、世界中の食通を魅了しています。右腕の日本人副シェフ前田哲郎氏も、美食の評判を支えています。

まとめ

世界中に無数に存在する美食レストランの中で10位内に入選するというのは、並大抵の完成度ではなさそうです。彼らの料理にはシェフの徹底したこだわりや探求心が溢れ、ゆるぎない情熱が込められています。一皿に込められたトップシェフのエネルギーを五感で味わい、食べる=生きる悦びを再確認したいものですね。

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