2022
12/07
最終更新日:2022/12/20
税金

はじめに

2021年にアメリカのファミリーオフィスであるアルケゴスが破綻し、世界各国の金融機関や投資家に影響を及ぼしました 。

日本ではファミリーオフィスの名前や概念はあまり知られていなかったため、アラケゴス問題でファミリーオフィスを知ったという富裕層は少なくないはずです。

日本で注目されるようになったファミリーオフィスとはどのような組織なのでしょうか。ファミリーオフィスの種類やサービス例なども併せて解説します。

ファミリーオフィスとは

ファミリーオフィスとは「一族や同族の資産管理や資産運用、ファミリーにとって有益なサービスを提供するプライベートバンクのような集団」のことです。

資産承継、金融や法律、税務、ビジネスなど、その一族や同族をサポートする、一族や同族のためのプライベートバンクのような存在がファミリーオフィスになります。

富裕層の資産運用のための組織としては、資産管理会社などがあります。資産管理会社は富裕層の株式や債券、投資信託、不動産といった資産の受け皿としての性質が強い組織です。

ファミリーオフィスは、資産の受け皿としての役目だけでなく、その一族のために有用なサービスの提供や管理、将来に亘って一族や同族であるファミリーが繫栄することも目的のひとつです。

ファミリーオフィスは資産の運用や管理以外にも、その一族や同族の社会的な信頼や看板など、かたちのない財産も守るという役目も負っています。

一族(ファミリー)による一族(ファミリー)のために資産運用や承継、社会的な信頼など多岐に亘ってサービスを提供するプライベートバンクのような存在がファミリーオフィスです。

なぜ必要?ファミリーオフィスがいま日本で注目を集める背景

ファミリーオフィスが日本で注目を集める背景は「サービスを一極集中したい」「自身や一族に特化したサービスを受けたい」などのニーズが富裕層にあるからだと言われています。

富裕層は債券や預金、不動産などさまざまな資産を持っています。それぞれの資産に関するサービスの提供先に個別で足を運んで相談し、契約していたのでは煩雑です。

その点、自身や一族のビジネス、事情、方針を理解した専門家集団がいれば、資産運用や法律、税務、ビジネスなどのサービスを一極集中で管理できます。

有益なサービスや求めるサービスは富裕層とその一族によって異なります。ファミリーオフィスは資産運用以外にもさまざまなサービスを管理、提供する存在です。

ファミリーオフィスにより、日本の富裕層は自身や一族に特化した有益なサービスを受けられます。

ファミリーオフィスで提供されるサービスの例

ファミリーオフィスは資産運用以外にも一族や同族(ファミリー)に必要なサービスや有益なサービス、ニーズにあったサービスを提供します。
ファミリーオフィスで提供されるのは次のようなサービスです。

・資産運用や投資のアドバイスやサポート
・資産運用やビジネスの法務や税務のサポート、アドバイス
・資産管理に関するアドバイスやサポート
・一族や同族のビジネスに関するアドバイスやサポート
・経理や事務に関するアドバイスやサポート
・事業承継や資産承継、相続のサポートやアドバイス、承継や相続の計画策定や実行
・一族の生活や学びに関するサポートやサービスの管理
・一族や同族の人間関係の調整

たとえば、一族が何時でも質の高い医療を受けたいと考えていれば、ファミリーオフィスは質の高い医療を提供している病院を探し、何時でもサービスを受けられるように調整しておきます。

また、一族の中に事業を承継する後継者や、将来的に事業の中核を担う子供がいれば、後継者教育が必要になります。このようなケースでは、ファミリーオフィスが後継者教育や一族の子供の学びに必要な教育機関などを探し、必要な調整や監督などを行うわけです。

資産運用、教育、生活、医療など、そのファミリーのために特化したサービスを準備し、何時でも提供できるように調整や管理をしておくことが、ファミリーオフィスの役目になります。

ファミリーオフィスの主な種類

ファミリーオフィスには主に3つの種類があります。

シングル・ファミリーオフィス
マルチクライアント・ファミリーオフィス
コマーシャル・ファミリーオフィス

シングル・ファミリーオフィスは特定の一族だけのファミリーオフィスです。一族や同族の資産規模は100億円が目安のファミリーオフィスになります。

マルチクライアント・ファミリーオフィスやコマーシャル・ファミリーオフィスは、複数の一族にサービスを提供するファミリーオフィスです。
マルチクライアント・ファミリーオフィスは資産50~100億円が目安で、いくつかの一族にサービスを提供する種類のファミリーオフィスです。

コマーシャル・ファミリーオフィスは10~50億円が目安で、プライベートバンクや金融機関がサービスの提供先になっています。

これからファミリーオフィスを設立する方法

日本でこれからファミリーオフィスを設立する方法は主に2つ考えられます。
ひとつは資産管理会社にファミリーオフィスの機能を付加する方法です。もうひとつは、ファミリーオフィスのサービスを提供している企業や専門家を活用する方法になります。
どちらの方法がより自分や一族に向いているかよく検討することをおすすめします。

まとめ

ファミリーオフィスは一族や同族といったファミリーのためのサービスを提供しています。自身や一族に特化したサービスを受けたい場合は、ファミリーオフィスを検討しても良いかもしれません。
ファミリーオフィスを利用するにあたって、まずはどのようなサービスが必要か考えてみてはいかがでしょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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