新興国株式は圧倒的に割安?新興国の現状を読み解く3つのポイントとは | 株式会社ウェルス・パートナー

新興国株式は圧倒的に割安?新興国の現状を読み解く3つのポイントとは

2019/2/1

経済・マーケット

1.はじめに

米中貿易戦争、アメリカの金利上昇、トルコやメキシコにおける混乱など、世界情勢は引き続き新興国株式市場に対してアゲインストです。しかし、2019年9月は一部の懸念が後退したことから、これまで下落傾向が続いた新興国株式は若干の落ち着きを取り戻しました。今後もこの傾向は続くのか、本コンテンツで分析してみたいと思います。

2.新興国株式の現状を読み解くポイント

現在の新興国株式の値動きを考えるうえで、必ず外せない大きなポイントがいくつかあります。その代表的なものは、アメリカの動向・資源価格・政情です。

2-1_アメリカの動向

多くの新興国に共通している点は、対外債務のうち米ドル建てのものが占める割合が高いため、自国通貨に対する米ドル高がそのまま自国のファンダメンタルズに悪影響を及ぼし、ひいては株安につながる傾向があります。

この点、アメリカの金利上昇は為替レートを自国通貨安に導いてしまうため、新興国全般にとって好ましからざる動きなのです。個別国で見てみましょう。

米中貿易戦争の影響は今後の中国の貿易収支に好ましくない影響を与えることが予想されるため、中国の株価はネガティブに反応しています。

アメリカが中国に対する牽制として発表した万国郵便連合からの脱退方針も、中国の株価に少なからぬ影響を与えました。また、台湾もアメリカの通商政策に対する警戒感が強く、株価は値下がりしています。

ロシアとアメリカの関係は小康状態にあるものの、依然としてアメリカによるロシアへの追加制裁懸念は根強く、この懸念が現実化した際の株価へのインパクトは大きいものと予想されます。

2-2_資源価格

資源国が多いことも新興国の特徴です。直近は商品価格や原油価格が上昇傾向にあることから、特にロシア、ブラジルなどがこの恩恵を受けています。特にセクター別では新興国全般においてエネルギー関連銘柄の上昇が際立っています。逆に原油高がマイナス方面に影響している国が、インドやポーランドなどの東欧諸国です。

2-3_金融・経済政策

金融政策や経済政策は、様々な制約条件もあり多くの新興国で不安定で、これが新興国株式へ投資する際の大きなリスク要因となります。ただし、それが後退すると思わぬパフォーマンスが出ることもあります。

例えば9月のトルコ株式は9パーセントを超えるプラスでした。この要因を分析すると、これまで続いた金融緩和策の継続に否定的なエルドアン大統領の利下げ要求にもかかわらず、トルコ中央銀行は利下げに動くどころかマーケット参加者の予想を大きく上回る水準の利上げに踏み切ったことにあります。

トルコ中央銀行によるこの英断はトルコリラの大幅反発を招きました。それ以上にトルコの金融・経済政策への不安が後退したことを市場参加者が評価したことが、9月の大幅な株式上昇につながったものと考えられます。

3.今後の見通しはどうなる?

先進国株式と比較した新興国市場の株価は、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)ともに依然として割安な水準です。また、配当利回りについても新興国株式は先進国株式と比較して全般的に高く、バリュエーションを見ると新興国株式への投資は十分に魅力があります。

また、先進国と比較して若い労働人口動態や高い総需要、そして企業業績の堅調さを考慮しても、依然として新興国の潜在的な成長力は高いものと考えられます。

以上を考慮すると、特に株価の割安さから世界経済の緩やかな拡大も相まって、新興国の株価は中長期的にプラス方向に上昇していくでしょう。

ただし、短期的には米ドルの動きと資源価格の値動きがボラティリティーを高める大きな要因となります。この2つが安定的に推移する見通しが立てば、新興国株式はより一層の上昇が見込めます。

4.まとめ

投資対象国の選別や上述したリスク要因には注意したいところですが、新興国株式のバリュエーションや潜在的な高成長力などを考慮すると、現在は新興国株式へ新規に投資する良いタイミングなのかもしれません。過去に新興国株式への投資経験がある人を含め、一度ご検討してみることをお勧めします。


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