目次
はじめに
本日のテーマは、「2024年の医師のベスト資産運用TOP3」です。年が明け、2024年になりましたので、今年1年、どのようなものに投資すればよいのか、ベストな資産運用のTOP3をお伝えします。それだけでなく、そのようなオススメの資産クラスを使って、具体的にどのように資産配分していけばよいのかという資産配分例も合わせてご説明します。
TOP3発表
2024年の医師のベストな資産運用TOP3を、3位から順に発表します。
3位「先進国株式」
2024年の医師のベストな資産運用TOP3を、3位から順に発表します。
TOP3の3位は、先進国株式です。海外の主要先進国の大きな企業が発行している株式というイメージになります。中心は、世界の中心であるアメリカなどの株式になると思いますが、アメリカ(有力圏)を含む国々で発行している海外の先進国株式を3位にしました。
世の中の金利が低下傾向にあって、2022年はかなり金利が上がることに苦しめられました。2023年は金利が下がり(実際にはそれほど下がっていませんが)、さらに2024年は下がる予想があります。株式が復調し、2022年の負けを取り戻す形でこのような外国株式が上昇しました。2024年以降も金利が低下していて、株式にとってはプラスの状況が続くという見方になっているので、資産ポートフォリオの中には、割合としては多めに含んでよいというのが、この先進国株式であると思います。
2位「国内不動産」
TOP3の2位は、国内不動産です。医師の方々の資産運用の課題として、物価が上がった時のインフレ対策があります。物価が上昇しインフレになるに伴い、収入もそのまま上がるとは限らないのが医師の方の収入の特徴であると思います。インフレになり物価が上昇した時に、保有している資産の価格が上昇したり、家賃収入が増えたりするような形を作るには、国内不動産が最も適していると思います。ですから、国内不動産はポートフォリオに割合として多く含んでいた方がよいというのが、2024年の資産運用ではないかと考えます。
それ以外にも、医師の先生の特徴として、銀行からの信用力が非常に高いので、借入を有利な条件で行うことで、国内不動産投資も有利に進めることができる可能性が高いという意味でも、2位となりました。
1位「米ドル債券」
TOP3の1位は、米ドル債券です。一時点よりは債券の利回りが下がっていますが、それでも、歴史的に見るとまだまだ高い水準にあります。ただ、2024年の後半以降は債券の利回りも下がっていく可能性が高いといわれています。2024年の前半のうちに、できるだけ期間が長い債券で米ドル債券なども保有(投資)しておくことで、長期間、今の高い利回りを維持することができる可能性は高いと思いますので、米ドル債券に投資する価値はあると考えます。
特に、お忙しい医師の先生にとっては、こちらの債券のように、投資した後、特にメンテナンスや管理の手間がかからない、投資自体に時間を取らせない資産は非常に相性がよいと思います。そういった意味でも、1位は米ドル債券にさせていただきました。
以上のように、2024年の医師のベストな資産運用TOP3の3位は米国株式を含む先進国株式、2位は国内不動産、1位は米ドル債券となりました。
2024年の資産配分ポートフォリオ(当初)
先ほどのTOP3で発表したような2024年のオススメの資産を、どのように活用して資産のポートフォリオを組めばよいのか、資産配分の再配分例をお伝えします。具体的に、このような属性の方の場合、当初はこのような資産配分で、このように再配分した方がよいという順でお話しします。
こちらが資産配分シートです。左側が金融資産、右側が実物資産、一番下が全体のバランスになっており、本人情報は右下です。資産配分は、現預金が資産の中心で2億2,000万円、右上が不動産で1億8,000万円、ローンが7,000万円、こちらはご自宅です。金融資産は現預金が多く、国内不動産はご自宅が大半というイメージです。
全体の資産のバランスは、純資産が3億3,000万円に対して総資産が4億円なので、レバレッジ比率は121%、金融資産と実物資産の比率は、金融資産55%:実物資産45%、外貨・株式・債券は保有していないので0%となっています。それぞれの配分比率が非常に大事になってくるので、ここのバランスをとって資産配分するのが重要です。
本人情報は、55歳の男性で開業医、家族構成は奥様・長男・次男の4人家族、年収は5,000万円、国内不動産で自宅をお持ちの方です。再配分するにあたり、この方の希望は特になしとします。モデルの資産配分ですので、私が考える最適な配分にするという前提で考えていきます。本人の希望が入ってくるといろいろと変わってきますが、希望なしの前提です。2つ目に最大公約数の最適配分を提案するということですので、多くの方に当てはまるような最適配分とし、一般例としてご理解いただければと思います。
2024年の資産配分ポートフォリオ(再配分)
当初の状態から再配分した場合、このようになります。右下が再配分案です。2億2,000万円の現預金から2億円を使わせていただきます。増加させる資産としては、日本株式に1,000万円、先進国株式に2,500万円、これは、オススメの資産でお伝えした第3位のコア資産です。新興国株式に1,000万円、株式の再配分は合計で4,500万円になります。
先進国債券が9,000万円、主に米ドル建て債券なので、オススメのTOP3の1位の資産がこちらの先進国債券に該当します。次に、外国REITに1,000万円、オルタナティブ(ヘッジファンド)に1,500万円。国内不動産に1億円投資して、それに伴う不動産ローン(国内ローン)が7,000万円です。オススメTOP3の2位の資産がこの国内不動産に該当します。そして、コモディティ金が1,000万円、という配分になっています。
このような再配分を行うと、全体のバランスが一番下のように出ます。純資産3億3,000万円に対して総資産が4億7,000万円なので、レバレッジ比率としては142%になっています。当初の状態が121%でしたので、20%ほどレバレッジ比率が上がっていて、投資効率が高まっています。リスクを取り過ぎている水準ではないので、許容範囲で投資効率がいい具合に高まっているといえると思います。
次に金融資産と実物資産の比率ですが、金融資産38%:実物資産61%という割合になっています。多くの場合、金融資産と実物資産の比率は、金融4割:実物6割程度がバランスとしては適切であると考えているので、38%:61%で丁度いい割合になっていると思います。
当初は金融資産が少し多かったので、この部分の最適化ができたと思います。外貨比率は、48.5%になっています。当初は0%でしたので、円高に行くことにフルベットしていたイメージですが、多くの場合、外貨比率は50%を目指して再配分するとよいと思いますので、それに限りなく近い状態になっています。これで、円高になっても円安になっても、50:50に賭けているような状態になっているといえます。
次が株式と債券の割合です。これは、金融資産に占める株と債券の割合になりますが、株式25%:債券50%ですので、株と債券の比率は1:2という保有比率になっています。この例の場合は、年齢が55歳で退職するのは例えば10年~15年というイメージになると思いますので、このような資産背景という前提で考えると、この程度の株と債券の比率が割合としては基本的によいと思います。
以上がモデル資産配分の再配分例でした。冒頭でお伝えした2024年のオススメのTOP3の資産を中心に据えて、その他の資産にも分散してポートフォリオを構築している資産配分になっています。
まとめ
本日のテーマである「2024年の医師のベスト資産運用TOP3【新年特別版】」をまとめます。ポイントは4つです。
ポイント1)TOP3をコア資産に据え、その他資産にも分散
TOP3をコア資産に据え、その他の資産にも分散するのは、資産運用法としてはよいと思います。TOP3というのは、米ドル債券・国内不動産・先進国株式です。こういった資産をコア資産として資産配分全体の中心にして、割合としては7~8割を配分し、残りの2~3割をその他の資産にリスク分散して再配分するのがよいと思います。先ほどのモデルの資産配分もそのようになっています。この考えを中心に、ご自身の好みも織り交ぜながら配分していくとよいでしょう。
以下はそれぞれのTOP3の役割です。
ポイント2)米ドル債券で安定したインカムゲインを得る
米ドル債券は、安定したインカムゲインを外貨で得ることができるというのが一番のメリットで、多くの方が投資目的とされている内容かと思います。そのような目的を持って投資するとよいでしょう。医師の方の資産や収入の中心は日本円かと思いますので、その資産や収入を外貨に分散して定期的に外貨の収入を得ることができるのは、かなりメリットとしては大きいことです。
ポイント3)国内不動産で日本のインフレ対策
国内不動産の役割としては、日本のインフレ対策が結構大きいと思います。「物価が上がっても収入が上がらない」「資産が増えない」というのが、医師の先生方の資産配分の特徴ではないかと思われますので、国内不動産を持つことによって、日本の物価が上がると、物件の価格が上がったり賃料収入が増えたり、インフレについていける効果が期待できます。
ポイント4)先進国株式で海外のインフレ対策
先進国株式を持つと、海外のインフレ、経済成長についていくことができます。日本にいながら手軽にインターネットの証券口座などでできますので、先進国株式を海外のインフレ対策の中心に据えるとよいでしょう。
本日は「2024年の医師のベスト資産運用TOP3【新年特別版】」という内容でお届けさせて頂きました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中