目次
はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
今回のテーマは、「超忙しい開業医のための2億円ベスト米国債ポートフォリオ【利回り4.5%】」です。
私たちのお客様の中には、医師や会計士の方が非常に多いのですが、共通しているのは、皆さんが本当に忙しいということです。あまりにも忙しすぎて、資産運用に関して考える時間がない、ましてや投資後に定期的にその状況を見直す余裕もないという方が多いのが現実です。そこで、今回は、そうした超忙しい方々に向けて、私が考える最適な米国債ポートフォリオをご紹介できればと思います。
▼今回の内容はYouTubeでもご覧いただけます
米国債10年利回りの推移(過去20年)
簡単にではありますが、米国債の利回りの推移についてお伝えします。
米国債ポートフォリオ最新設計例(2025年2月)
私が考える2億円のベスト米国債ポートフォリオです。2025年2月の最新の市場環境をもとに、米国債ポートフォリオの設計例を作成しましたのでご覧ください。
10債券に分散し、1債券あたり2,000万円ずつ投資する構成になっています。すべて米ドル建ての米国債であり、格付けはほぼ最高評価の「AA+」クラスとなっています。
このポートフォリオの特徴は、債券の残存期間(投資してから償還されるまでの期間)です。10債券に分散し、それぞれの満期は10.9年、12年、14.3年、16.3年、20.6年、22.6年、25.7年、28.8年、30.8年となっています。ポートフォリオ全体の平均残存期間は20.6年で、異なる期間の債券を組み合わせることで、長期的な利回りを確保しています。
次に、利回りについてですが、今回のポートフォリオでは、米国債の利回りは4%前半から4%後半が中心となっています。ポートフォリオ全体の平均利回りは4.55%であり、満期まで保有すればこの利回りが米ドルベースで確定します。
このポートフォリオのポイントは2つあります。
ポイント①利回りの高さ
1つ目のポイントは利回りの高さです。先ほどもお伝えしたように、米国債は世界で最も安全性が高く、安心して保有できる資産の一つです。その米国債で4.55%の利回りを確保できる点は大きな魅力です。私はこの業界で20年以上携わっていますが、このような状況はめったにありません。アメリカの経済力を考慮すると、通常、市場では2〜3%程度の利回りで推移することが多いため、現在の水準は非常に魅力的だと言えます。
ポイント②残存期間の長さ
2つ目のポイントは残存期間の長さです。残存期間が長い債券だけで米国債のポートフォリオを作っていますが、残存期間が長いことによるメリットが2つあります。その1つ目が高利回りを長期的に享受できるということです。仮に利回りが高くても、5年後に満期を迎える債券であれば、高い利回りを確保できたとしても、その利回りが維持されるのは5年間に限られます。しかし、今回のポートフォリオの平均残存期間は約20年であるため、現行の利回り水準が長期間維持される可能性が高いと考えられます。現在の利回りが魅力的であると判断するならば、できるだけ残存期間を長くすることで、高水準の利回りをより長く享受できるポートフォリオになっています。
残存期間が長いことによる2つ目のメリットは、このポートフォリオであれば10年間保有し続けることができる点です。残存期間を確認すると、最も短い債券でも10.9年あるため、それまでは元本の再投資を検討する必要がなく、利息を受け取るだけで済みます。さらに、利息は自動的にドルで再投資することも可能であり、運用の手間を最小限に抑えられます。少なくとも10.9年間は運用を気にせずに済むため、多忙な開業医の方にとっては非常に魅力的です。実際、私たちのお客様の中にも、資産運用の管理に時間を割けないことから、残存期間の長い債券を中心に構成し、一定期間は運用を気にせずに済むようにする方が多くいらっしゃいます。
また、現在60代の方であれば、10年後には引退を迎え、資産運用について考える時間が持てるようになっているかもしれません。その場合、10年以降に償還が始まる今回のポートフォリオのように残存期間を設計することで、ご自身のライフプランや人生設計に適した債券ポートフォリオを構築できるのではないかと思います。つまり、ポイントは利回りの高さと残存期間の長さにあるということです。
まとめ
では、今回のテーマ、「超忙しい開業医のための2億円ベスト米国債ポートフォリオ【利回り4.5%】」をまとめます。ポイントは4つです。
ポイント1)米国債利回り4.5%は久しぶりの超チャンス
この利回りを素直に受け入れるべきだと考えています。
ポイント2)運用期間長く戦略をコロコロ変えなくていい
残存期間が長いため、運用期間が長くなることが特徴です。その結果、頻繁に投資戦略を変更する必要がなく、株のような大きな値動きもありません。このため、運用戦略を変えずに安心して保有し続けることができ、特に忙しい開業医の先生には適していると言えます。
ポイント3)米国債ゆえ忙しい開業医でも安心して長期保有できる
米国債は世界でも最も安心して保有できる資産の一つです。他の国の国債や社債と比較しても、米国債は特に安定性が高いため、忙しい開業医の先生でも安心して長期的に保有することができます。
ポイント4)多忙さやライフプランに合った残存期間を設計
今回のポートフォリオは、残存期間が10年以上の債券で構成されていますが、開業医の先生のライフプランや多忙度に合わせて残存期間を設定することが重要だと思います。例えば、現在の5年間が非常に忙しく、仕事だけに集中したいという場合は、残存期間を5年以上に設定することも可能です。また、10年後に引退を考えて資産運用を見直す場合、残存期間を調整することもできます。今回のように10年以上の残存期間の債券で構成することも選択肢の一つであり、先生の多忙さや年齢、ライフプランに合わせた柔軟な残存期間の設計が最適だと考えます。
本日は、「超忙しい開業医のための2億円ベスト米国債ポートフォリオ【利回り4.5%】」という内容でお届けさせていただきました。

株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中