2020
12/21
経済・マーケット

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界経済を減速させています。しかし、国際通貨基金(IMF)によると、2020年の中国経済の実質GDPは前年比1.9%増で、主要国・地域の中でプラスになった唯一の国になりそうです。

また、2021年には8.2%の成長率になり、米国の3.1%を大きく上回る予想です。2025年には中国の経済規模が米国の9割に達するとの見方もあり、中国の存在感は今後ますます大きくなっていくことが予想されているのです。

この記事では、コロナ禍でも成長を続ける中国経済について解説します。

中国の新型ウイルス対策

中国は徹底した新型コロナウイルス対策により、危機をいち早く封じ込めました。2020年11月30日時点の主要国の累計感染者数は、以下の通りです、

米国  1,324万4,417人
インド  939万2,919人
ブラジル  629万272人
フランス  226万789人
スペイン  162万8,208人
ドイツ   105万2,494人
日本    14万5,457人
中国     8万6,512人

1日当たりの新規感染者数がほぼゼロまで減った中国経済は、4~6月期に3.2%成長となり、実質国内総生産(GDP)はドル換算産で3.3兆ドル(約350兆円)と、米国(4.3兆ドル)との差を縮めたのです。

IMFの予測によると、世界経済の2020年の実質成長率は-4.4%。米国が-4.3%に落ち込むほか、ユーロ圏も-8.3%と沈み込みます。感染拡大が緩やかな日本も-5.3%と振るわない中、中国は+1.9%とプラス成長となる見込みなのです。

中国は新型コロナの発生地といわれ世界経済に悪影響を与えたものの、4月初旬には正常化に動き出し、輸出の好調がその後も続いていることが、経済成長につながっています。

中国の回復が目立つのは、製造業の比率が高いからです。サービス業中心の国は外出規制によって経済の回復が遅れているものの、製造業は新型コロナウイルスの打撃が比較的小さくなっています。中国のGDPの約4割は製造業なので、輸出中心に業績が回復しているのです。

世界経済への影響力を増す中国

中国の経済規模はリーマン・ショック時の2008年で米国の31%でしたが、2021年には75%に迫ります。2030年には米国を抜いて中国が世界最大の経済規模になると予測するエコノミストもおり、飲料大手コカコーラや自動車大手のゼネラル・モーターズなど、多くの米国企業も中国市場への依存を高めているのです。

しかし、中国は企業活動への政府の介入や知的財産権保護の不十分さなど、企業にとって多くの問題を抱えています。中国経済への依存は、企業活動のリスクにもなりかねないのです。中国経済への依存が高まれば、企業が中国政府に逆らえなくなる恐れもあります。

中国に依存するリスクを避けるためには、米国が世界経済のけん引役を再び果たすことが重要です。また、欧州や日本など他の先進国も、米国と共同歩調をとりながら経済成長を取り戻すための政策が求められているのです。

中国株への投資

コロナ禍でも成長が見込まれている中国にも、日本の証券会社を通じて投資できます。ただ、中国株を取り扱っていない証券会社もあるので、注意が必要です。ネット証券では、SBI証券や楽天証券、マネックス証券などで購入可能です。

中国の取引所

中国株を取引できる取引所は、大きく分けて中国本土にある「上海取引所」「深セン取引所」、香港にある「香港取引所」の3つがあります。

もっとも規模が大きいのは上海取引所で、中国国内の大企業が集まっているのが特徴です。次に規模が大きいのは香港取引所です。香港取引所は米国市場の影響を受けやすいものの流動性や透明性が高く、日本の個人投資家にも人気があります。

もっとも規模が小さいのは深セン取引所です。日本のジャスダックやマザーズのように、ベンチャー企業の株式を多く扱っています。

中国株のメリット

中国株のメリットは、今後も大きく経済が成長すると見込まれている中国に投資できるという点です。高い経済成長が期待できる中国株への投資は、株価が上がっていく銘柄も多いと考えられます。

また、値動きの大きい銘柄が多いことも特徴です。値幅が大きければ、短期間で大きな利益を狙うことも可能です。ただし大きな損失を被る可能性もあるので、複数の銘柄に分散投資するなどして、リスクを軽減させた投資をするようにしましょう。

中国株のデメリット

日本株に比べ、中国株の情報は得にくいというのがデメリットの一つ。インターネットで海外のニュースを得やすくなっていますが、個別銘柄の情報はなかなか入ってこないというのが現状です。証券会社で中国株のレポートなどが出ているので、こまめにチェックする必要があります。

また、中国共産党の政策の影響が大きいというのもデメリットです。いきなり政策が変更されたり、民間企業に介入したりする可能性があるというのが、中国株投資のリスクになります。

まとめ

2020年のコロナ禍でも、中国経済はプラス成長を維持すると見られています。そんな中国の株式市場にも、国内の証券会社を通じて投資できます。ただ、情報が限られていることや値動きが大きいので、リスク管理を徹底した運用を心掛けるようにしてください。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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