2020
10/23

はじめに

事業を営んでいる方は「次の世代に事業を受け継ぐこと」が課題のひとつになります。
事業を営んでいる以上、どこかのタイミングで事業承継を検討することが重要なことではないでしょうか。

事業承継を検討する際には相続と混同しないことも大切です。
相続と事業承継は「受け継ぐ」という点で似ているため、混同されることがあります。
相続と事業承継は別物なので、計画や検討の際には混同しないよう注意が必要になります。
混同してしまうと、相続対策も事業承継も失敗しかねないからです。

経営者が知っておきたい事業承継と相続の違いについてわかりやすく解説します。

相続とは

相続とは、亡くなった人の財産を相続人が受け継ぐことをいいます。
亡くなった人の財産を「遺産」といい、亡くなった人を「被相続人」といいます。

人が亡くなると、その人の所有していた預金や有価証券、不動産を被相続人自身が自由に使うことはできません。財産の管理もできなくなってしまいます。
子供や配偶者、直系尊属、兄弟姉妹といった被相続人に近しい人に遺産を受け継いでもらう制度が相続なのです。

事業承継とは

事業承継とは、育てた会社を後継者に継いでもらうことをいいます。
会社の経営権などを次の世代の経営者に承継することが事業承継なのです。

相続と事業承継の違い

相続と事業承継には異なる点が4つあります。

相続は被相続人の財産を継ぎ事業承継は会社を継ぐ

相続の対象になるのは被相続人の預金や不動産といった財産(遺産)です。
対して事業承継の対象になるのは会社です。会社の株式や経営権、技術、知識など、会社を今後も経営するために必要なものを後継者に承継させることになります。

相続は死の瞬間に開始するが事業承継にそのようなルールはない

民法には「相続は被相続人の死の瞬間に開始する」というルールがあります。
相続手続きをしてはじめて相続が開始するのではなく、法律のルールにより死の瞬間にはじまっているわけです。
対して事業承継には相続のようなルールはありません。
会社の経営者が亡くなったからといって、死の瞬間に会社が勝手に承継されるわけではないのです。

相続人になる人と事業承継人になる人の違い

相続の場合、法律で相続人になれる人が定められています。
法定相続人は被相続人の子供や配偶者、直系尊属(両親など)、兄弟姉妹になります。
遺言書などを活用すれば相続人以外に遺産を渡すことも可能ですが、法律で定められている基本的な相続人は子供や配偶者などの被相続人に近しい人たちです。

事業承継には相続人のようなルールはありません。
従業員から後継者を選ぶこともできれば、親族から選ぶこともできます。
経営者次第です。

相続の方法と事業承継の方法が違う

相続の主な方法は遺言書の活用や遺産分割協議などになります。
遺言書は被相続人が遺産分割を指定する方法で、遺産分割協議は相続人の話し合いで遺産の分け方を決める方法です。

事業承継の主な方法は、親族や従業員など特定の人に承継する方法やM&Aなどがあります。
M&Aには分割や買取、合併などの方法があり、この3つの方法がさらに吸収合併や新設分割など、いくつもの手法にわかれているのです。
どの方法を選ぶかは会社の状況などによります。

まとめ

相続と事業承継は「次の世代に受け継ぐ」という点で混同されがちです。
特に会社を経営している人は自分の相続と会社の事業承継をわけて考えなければ、事業承継と相続の有効な対策がとれない可能性があります。
混同した結果、自分の相続について考えていたはずが会社の事業承継の計画になってしまったり、事業承継の計画が自分の遺産分割計画になってしまったりすることもあるのです。

事業承継と相続は別物です。
事業承継と相続の違いを知って、弁護士などの専門家に相談しながら、ニーズに合った計画を立てることが重要です。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

<ご注意事項>

  • 当社の所属金融商品取引業者等は株式会社SBI証券、東海東京証券株式会社、エアーズシー証券株式会社です。
  • 当社は所属金融商品取引業者等の代理権は有しません。
  • 当社はいかなる名目によるかを問わず、その行う金融商品仲介業に関して、お客様から金銭および有価証券のお預かりを行いません。
  • 各商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

[金融商品仲介業者]

商号等:株式会社ウェルス・パートナー

登録番号:関東財務局長(金仲)第810号

[所属金融商品取引業者]

商号等:株式会社SBI証券

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会

商号等:東海東京証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:東海財務局長(金商)第140号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人日本STO協会

商号等:エアーズシー証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第33号

加入協会:日本証券業協会

ご相談はこちらから
お名前*
お名前カナ*
メールアドレス*
電話番号*
第一希望日*
ご希望のお時間*
第二希望日*
ご希望のお時間*
面談場所*
ご相談を希望するアドバイザー
当日は代表の世古口が同席する場合がございます。
大まかな保有資産額を教えてください。*
ご年収を教えてください
当社を知ったきっかけ*
ご相談内容
利用規約*
上記でご入力いただいた内容は、当社からの連絡や情報提供などに利用するためのもので、それ以外の目的では使用いたしません。
また、その情報は、当社以外の第三者が利用することはございません。(法令などにより開示を求められた場合を除きます)
詳しくは、個人情報規約をご覧ください。
https://wealth-partner-re.com/policy/