目次
はじめに
富裕層の方々や高所得者にとって、資産管理会社の設立は魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。しかし、資産管理会社の設立には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。本記事では、資産管理会社の設立におけるメリットやデメリットを詳しく解説していきます。資産の運用・管理を最適化するために資産管理会社の設立を検討されている方々にとって、参考になる情報を紹介します。設立の手続きや運営についても触れながら、資産管理会社を利用する際のポイントをみていきましょう。
資産管理会社のメリット
節税効果
資産管理会社の主なメリットは、所得税よりも税率の低い法人税が適用されるため、節税できることです。
また、資産を法人名義で管理することにより、相続時に手続きが簡素化されることもメリットです。個人であれば、相続時に保有資産の名義変更手続きが必要ですが、資産管理会社であれば法人の株式を引き継ぐだけで手続きが完了します。
その他、資産管理会社であれば、家族を役員に就任させて、役員報酬を支払うことができる点もメリットです。これにより、家族へ所得を分散することが可能となります。
資産の最適化と収益の最大化
資産管理会社は、さまざまな投資対象から商品を選択し、バランスのとれたポートフォリオを構築することで最適な資産運用戦略を立案できます。
また、資産管理会社は最長10年の損益通算が可能なため、資産運用を行う上で大きなメリットがあります。資産運用や事業は必ずしも安定した利益を上げられるとは限りません。長期間の損益通算が可能となることで、収益を最大化させることが可能です。
このような運用の最適化は、個人にとっては難しい場合がありますが、資産管理会社であれば専門知識と経験を持ったプロのアドバイスにより実現できます。
専門知識と経験に基づくアドバイス
資産管理会社は、資産運用に精通した専門家のアドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑えながら、最大の利益をあげることができます。
また、専門家とともに資産管理を行うことで、業務を効率化することができ、別の事業を展開したり、メインの事業に専念することが可能となります。
資産管理会社のデメリット
費用と手数料の負担
資産管理会社を設立すると、法人を維持するために税理士報酬などのコストが発生します。また、赤字であっても法人住民税が発生するため、継続的なコスト負担が必要となります。
その他、資産管理会社を設立する際に、法人登記手続きや収入印紙代などのコストが発生することもデメリットです。
依存度と制約の増加
資産管理会社を利用することで、個人としての業務や責任は減りますが、資産管理会社への依存度が高まります。資産管理会社の提案や運用方針に従わなければならないため、個別の意思決定や自己裁量は制限される場合があります。自身の意見や運用方針に応じた柔軟性を求める場合には、あらかじめ注意が必要です。
リスク管理と損失の可能性
資産管理会社は専門家がリスク管理を行いますが、投資や運用においてリスクを排除することはできません。市場変動や経済情勢の変化により、投資資産の価値が減少する可能性もあります。資産管理会社設立によって、個人資産の収益やリスクの多くは第三者の手に委ねられることになります。このため、専門家の選択や業務範囲の明確化など、資産管理会社設立には注意すべき点も多くあります。
資産管理会社の設立における手続きとポイント
法的手続きと規制の確認
資産管理会社を設立する際には、法的な手続きや規制に従う必要があります。許認可や法人登録の手続き、適切な監督機関との連絡など、専門家の助言を受けながら、適切に手続きを進めることが重要です。
また、資産管理会社を設立した場合は簡単に廃業できない点に注意が必要です。廃業するには会社清算手続きが必要となるため、資産管理会社の設立は慎重に行うべきでしょう。
適切な会社形態の選択
資産管理会社の設立には、会社形態の選択が必要です。株式会社や合同会社など、法的規定や事業展開に適した組織形態を選ぶ必要があります。会社の目的や経営方針、株主構成などを考慮し、綿密なプランニングが必要です。
まとめ
資産を最適化するために、資産管理会社の設立は有益な選択肢です。専門家から適切なアドバイスを受けることで、資産の最適な運用やリスク管理を図ることができます。しかし、費用や手数料の負担、会社への依存度と制約の増加、リスク管理と損失の可能性など、デメリットも存在します。設立に際しては、法的手続きや会社形態の選択、業務を委託する専門家の選定などを慎重に行う必要があります。

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