2021
07/20
資産管理会社

はじめに

富裕層には「資産管理会社」を設立して、自身の資産を管理されている方が多いです。この記事では、資産管理会社を使うメリットデメリットと、設立をおすすめするケースについて解説します。

富裕層が利用する資産管理会社とは

富裕層が利用している資産管理会社の役割は、自身の資産を法人資産として管理することです。資産管理会社を設立する主な理由は、節税と相続対策です。

個人での所得には所得税が課されますが、所得税は税率が高めに設定されています。しかし、資産管理会社として所得を申告すれば所得税よりも税率が低い法人税が課され、納税額を抑えられます。

また、資産管理会社を活用すれば相続資産を分散できるので、相続対策にも利用できます。富裕層は少しでも多くのお金を手元に残すために、資産管理会社を活用しているのです。

富裕層が資産管理会社を設立するメリット

富裕層が資産管理会社を設立するメリットは3つあります。

節税になる

資産管理会社を設立すれば税率が低めの法人税が適用されるために、節税できる可能性があります。資産管理会社を設立していない場合は、自身の所得に対して最高税率55%の所得税が課されてしまいます。

一方で資産管理会社を設立した場合、最高税率30%の法人税が適用されます。税率が下がるので、必然的に納税額を抑えられます。

このように資産管理会社であれば税率の低い法人税が適用されるので、節税につながるのです。

相続対策になる

資産管理会社を設立すれば相続対策になる可能性があります。資産管理会社を活用すれば、家族に「役員報酬」という形での支払いが可能です。

家族に役員報酬を支払う形を取れば、相続税よりも低い所得税の税率で資産を移行できます。ちなみに、最高税率は相続税が55%なのに対して所得税は45%なので、相続で受け取るよりも納税額を抑えられます。

相続税が課される額が多い富裕層にとって、資産管理会社は相続対策にもなるのです。

経費にしやすい

資産管理会社を利用すれば、経費として計上できる範囲が広がります。

例えば、個人事業主でマイカーを経費にするのは家事按分の範囲でないと難しいです。一方で、法人であればマイカーにかかる費用全額が経費として認められる可能性があります。

経費に落とせる範囲が広がれば課税額が下がり、結果的に納税額を抑えられます。経費として認められやすいことも、資産管理会社を設立するメリットです。

厚生年金に加入できる

資産管理会社を設立すれば、年金保障が手厚くなる厚生年金に加入できます。国民年金しか加入できない個人事業主と違って、リタイア後も豊かな生活を送ることができるでしょう。

実際に厚生年金に加入できることで、国民年金だけの方に比べて倍以上も年金をもらえます。資産管理会社は豊かな老後を過ごすためにも有効な手段になるのです。

ちなみに厚生年金は法人に対して加入義務があるので、その点は理解しておきましょう。

富裕層が資産管理会社を設立するデメリット

富裕層が資産管理会社を設立するデメリットは3つあります。

法人を設立するコストが掛かる

資産管理会社を設立するにあたって以下のコストがかかります。

登記時の登録免許税
定款の認証手数料
定款の謄本手数料
収入印紙代
司法書士への報酬

これらを合計すると合同会社は10~15万円、株式会社は25~30万円くらいかかります。設立時にコストがかかるため、資産管理会社を活用しても節税できないケースもあるのです。

資産管理会社設立にあたっては、費用がかかることは理解しておきましょう。

社会保険料を負担する義務が生じる

資産管理会社の設立によって、国民健康保険よりも保険料が割高の社会保険に加入する義務が生じます。ただし、社会保険料は収入によって決められるので、ご自身の年収を最低限に抑えれば大きな負担にはならないはずです。

とはいえ、国民健康保険よりも保険料が上がってしまう可能性があることは理解しておきましょう。

法人を維持するコストが掛かる

資産管理会社の設立後に、法人を維持するためのコストがかかることもデメリットです。

個人事業主の場合は赤字であれば、税金は課されずに済みます。反対に、法人の場合は赤字であったとしても年間7万円が住民税として課されます。

このように、節税のために資産管理会社を設立しても、税金という形で法人の維持コストがかかってしまいます。

資産管理会社を設立した方がいいパターン

資産管理会社を設立した方がいい方には3パターンあります。

副業および不動産投資をしているサラリーマン

副業および不動産投資をしているサラリーマンは、資産管理会社の設立がおすすめです。給与所得以外の収入が一定額を超えてくると、法人を設立した方が税金を安くできるケースがあります。

先述の通り、資産管理会社を活用すれば税率が低い法人税が適用されます。また、法人化すれば経費として認められやすくなるので、結果的に節税につながります。給与所得以外の収入がある方は一度検討してみてはいかがでしょうか。

個人事業主

個人事業主も、資産管理会社を設立するのがおすすめです。個人事業主でも収入が一定額を超えてくると、税率が低い法人税を適用した方が税金を安く抑えられるケースが出てきます。

さらに厚生年金への加入が必要となるので、老後も安心できるようになります。節税メリットに加えて豊かな老後を送れる可能性があることから、資産管理会社の設立を検討してみてもいいでしょう。

相続税が発生する可能性がある資産家

相続税が発生する可能性がある資産家も資産管理会社の設立がおすすめです。資産管理会社を活用すれば、資産を家族に役員報酬という形で渡せるので、資産を分散しやすくなります。

また役員報酬として渡した際に課される所得税の方が相続税よりも税率が低いので、節税につなげられるケースがあります。逆に、資産管理会社を使わないと課税される相続資産が多くなってしまい、多額の税金を課されてしまうかもしれません。

相続対策のひとつとして資産管理会社の設立を検討してみましょう。

まとめ

資産管理会社の主なメリットは、節税と相続対策です。税率が低い法人税で課される仕組みを利用することで、納税額を抑えることが可能です。ただし、設立にあたってコストがかかるので確実に節税を見込めるわけではありません。

税金に悩んでいる富裕層は一度、資産管理会社を設立した場合の納税額を試算してみてはいかがでしょうか。無料個別相談を実施しているので、まずは気軽にご相談ください。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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