はじめに
不動産の2025年問題をご存じでしょうか。
2025年問題は2022年の生産緑地の問題と2023年の世帯数減少の問題に引き続き、不動産の市況に影響をおよぼすのではないかと指摘されている問題です。
2025年問題とは一体どのような問題なのでしょうか。
不動産オーナーや不動産売却を検討中の方が知っておきたい2025年問題について解説します。
2025年問題とは?
2025年問題にはふたつの意味があります。
・大阪万博による影響
・後期高齢者の人口増加による影響
2025年問題にはふたつの意味があるため、不動産情報をチェックするときはどちらの意味で使われているか注視する必要があります。
2025年は大阪万博により不動産の価格が上昇する可能性あり
ひとつは「関西を中心に不動産価格が上がる可能性がある」と指摘される問題です。
2025年といえば大阪万博ですよね。
大阪万博の開かれる関西地方では、万博を開催する地域を中心に不動産価格が上昇するのではないかといわれています。
東京オリンピックなど世界的なイベントでも不動産市況が影響を受けるだろうと同様の指摘がなされました。
大阪万博も大きなイベントになるため、日本国内だけでなく海外からの旅行者も期待できます。
2025年は大阪万博という一大イベントにより、不動産市況が影響を受けるといわれているのが2025年問題のひとつの意味です。
2025年は後期高齢層の増加により空き家などがさらに深刻化する可能性あり
2025年には「後期高齢層の人口の増加により不動産価格が下がり傾向になるのではないか」という指摘もあります。
2025年は団塊世代がちょうど後期高齢者層になることから、年金や不動産、健康保険などが増加による影響を受けるのではないかと懸念されています。
後期高齢層とどうしても切り離して考えられないのが介護や人口の問題です。
たとえば、高齢の両親を介護しなければならなくなり、介護施設に入所させました。
両親が賃貸住宅に住んでいれば、空室になる可能性もあるでしょう。
両親が戸建てに住んでいれば、介護施設にいる間は空き家状態になる可能性があります。
また、高齢の両親が亡くなると、同様に空き家や空室の問題になるわけです。
2025年問題ではサービスの破綻や年金、健康保険への打撃が不安視されていますが、空き家の増加などによる不動産価格の下落も問題視されている状況です。
2025年問題を前にしておくべきことは?
不動産はウッドショックや新型コロナ、生産緑地の2022年問題など、多くの問題を抱えています。
そこに2025年問題が重なると、市況に影響が出ることも考えられます。
2025年問題の難しいところは、ふたつの意味を持つところです。
大阪万博による不動産相場の上昇。
そして、空き家や人口に関わる高齢層の増加による不動産相場の下落など、上昇と下落の可能性が同じ年に対して指摘されているため、2025年問題のどちらの意味も考えたうえで動く必要があるのではないでしょうか。
将来的に空き家になりそうな戸建ての売却処分や、空室率が高くなってきている賃貸物件の換金など、早め早めに今後の動きについて考えておくことが重要です。
まとめ
生産緑地や新型コロナの問題に引き続き、2025年には万博や後期高齢者の問題があります。
2025年は「万博による不動産価格の上昇」と「後期高齢層の増加による空き家や空室、不動産価格の下落」の両方が問題になっているため、対処が難しいという特徴があります。
不動産オーナーや投資家は、早い段階で2025年問題について考えておくべきではないでしょうか。
上昇と下落のどちらにも対処できるように、空室状況の見直しや売却の検討など、資産の整理をはじめてはいかがでしょう。
不動産の処分をはじめとした資産の整理は、今後の問題点を見据えて、プロに相談しておこなうことをおすすめします。