目次
はじめに
野村総合研究所によると、5億円以上の金融資産を持つ「超富裕層」は約9万世帯存在していて、さまざまな資産運用の方法があります。ただ、無計画に投資をすることは危険であり、自分のニーズや期待するリターンを確認し、資産運用の専門家であるIFAなどに相談してライフプランに合わせた運用計画を立てる必要があります。この記事では、5億円以上の資産を持つ超富裕層の資産運用の方法や、注意点などについて解説します。
金融資産5億円を保有している方は資産運用を検討しよう
出典:野村総合研究所
野村総合研究所の調査によると、純金融資産(預貯金や株式、債券、投資信託、一時払いの生命保険や年金保険など、世帯として保有している金融資産の合計額から不動産の購入に伴う借入などの負債を差し引いたもの)が5億円を超えている「超富裕層」は、2021年時点で約9.0万世帯となっています。
富裕層は、資産運用を効率よく行うことができます。富裕層はお金に余裕があり早くから資産運用を始めることができるため、複利効果をより多く受けとれるからです。複利効果とは、利益を再投資することで、利息が利息を生み出し、お金がどんどん増える効果のことです。複利効果は、長い時間をかけるほど大きな金額を得られるため、富裕層が資産運用に成功する確率は高くなります。
貯金5億円ある人におすすめの資産運用方法やポートフォリオ
金融商品には、債券など「ローリスク・ローリターン」の金融商品と、株式など「ハイリスク・ハイリターンの金融商品」があります。債券、株式、不動産、投資信託のリスクとリターンの関係は、以下の通りです。
5億円以上の資産を持つ富裕層の資産運用とポートフォリオは、約180兆円の公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が参考になります。GPIFでは、以下のように国際分散投資しています。
国内株式 25%
外国株式 25%
国内債券 25%
外国債券 25%
そして、GPIFの年金積立金の運用実績は、以下の通りです。
出典:GPIF
貯金5億円で30年間の資産運用シミュレーション
GPIFの21年間の運用成績は3.78%なので、年率4%で運用したときのリターンを計算してみましょう。5億円の資産を持つ富裕層の資産運用を、年率4%で運用した場合のシミュレーションは、以下の通りです。
単利で運用した場合は11億円になり、複利で運用した場合は約16億円になります。30年という長期で運用した場合は、複利の効果が大きくなることがわかると思います。
貯金5億円で資産運用するときのポイントや注意点
5億円の資産運用は金融商品の選択肢が増えるため、まずはライフプランと自分の運用方針が合致しているかどうかを確認する必要があります。無計画に投資をしてしまうと、自分のニーズと期待するリターンが合わずに失敗することがあるからです。自分が運用する目的を明確にし、どの程度のリスクを取れるか、どの程度のリターンを期待するかを考えて、攻めと守りの比率を決めるようにしてください。運用目的が明確であれば、より適切な投資先を選ぶことができます。そして、ライフプランに合わせた運用計画を立てることで、長期的な資産形成を成功させることができるのです。
金融庁「投資の基本」
【富裕層向け】IFAへ貯金5億円の資産運用の仕方を相談しよう
金融資産が5億円ある場合、攻めの資産運用と守りの資産運用の両方を同時に行うことができます。どちらを重視するかによって、どんな投資先を選ぶかを考えることが大切です。ただ、自分で運用するのが難しい場合は、資産運用のプロであるIFAに相談することもできます。プロの投資アドバイザーであるIFAは、顧客のニーズやリスク許容度に合わせて、カスタマイズされたポートフォリオを提供してくれます。適切な投資先を選ぶことで、より高い利回りを得られるようになるのです。
まとめ
5億円以上の資産を持つ超富裕層は、攻めの資産運用と守りの資産運用の両方を同時に行い、適切な投資先を選ぶことができます。ただ、自己運用が難しい場合はプロの投資アドバイザーであるIFAに相談するのがオススメです。ライフプランに合わせた運用計画を立て、目的に合わせた投資先を選択することが成功のカギになるからです。
一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。