富裕層のための債券投資戦略〜②ハイブリッド証券の基礎知識〜

はじめに

富裕層の方の資産形成において、最も資産ポートフォリオの中で多いのは債券かもしれません。

今回は富裕層の方の債券投資戦略について4つのテーマに分けてお話をさせていただきたいと思います。

・外国債券の基礎知識
・ハイブリッド証券の基礎知識
・最新の債券投資環境
・富裕層の債券投資事例

この記事では、「ハイブリッド証券の基礎知識」についてお話をしていきます。

ハイブリッド証券とは


出典:(株)ウェルス・パートナー作成

上の図をご覧ください。会社が倒産した時にお金が返ってくる順番が、普通社債がまず最初に返ってきます。

それでもお金が会社に余ると、ハイブリッド証券を持っている人に返し、それでもお金が余ると株式を持っている人に返す、ということで倒産時の弁済順位が、普通の社債よりも遅いということで劣後債と言われています。バランスシートの中では普通の負債と、株式の中間にある資産、資本と負債の中間にある資産なのでハイブリッド証券と言われています。

お金を受け取る順番が遅い代わりに、利回り、収益性が普通社債よりも高く、普通社債が3%〜4%だったら、ハイブリッド証券の場合は5%〜6%などの利回りがあります。

ハイブリッド証券の種類

ハイブリッド証券の中には種類がいくつかあります。
先ほどのイラストの中にもありますが、普通の劣後債が一番基本にあって、永久劣後債、満期がない劣後債。CoCo債、ヨーロッパの金融機関が発行しているような、若干リスクを、条件を付与したようなそういう債券もあります。これがハイブリッド証券になります。

先ほどお伝えしたような債券の種類、ハイブリッド証券も含めた債券の種類ごとに、リスクとリターンが異なるわけです。債券に特殊な条件が付いていくごとに、リターン、収益性や利回りが上がってくるというような仕組みになっていますので、債券の種類ごとにリスク・リターンを見ていきたいと思います。

債券種類ごとのリスク・リターン


出典:(株)ウェルス・パートナー作成

上記のグラフをご覧ください。5種類の債券があります。一番左の国債から見ていきたいと思います。

国債

国債は全ての基準になっている債券です。イメージはドル建てで、アメリカ国債になります。アメリカの国債はリスクでいうと一番低く、左側にあるほど低いです。リターンも一番低いです。リターンは青色のところです。一番基礎になる債券になります。アメリカの国債の金利にどれぐらいリターンが上乗せされるか、リスクを上乗せしてリターンが上乗せされるかということになります。

社債

右側の社債にいくと、アメリカの金利が基準金利になっています。そこにその会社の信用リスク、その会社独自の倒産してしまうリスクの分が上乗せされることによってリターン、利回りが高まるということになっています。

ハイブリッド証券

そこから右側がハイブリッド証券になります。

ハイブリッド証券の中で一番リスク・リターンが低いのが劣後債です。
期限が決まっており、何年後かに返ってくるというのが普通の劣後債です。
先ほどお伝えしたように、どういうリスクが上乗せされるのかというと、倒産時のお金が返ってくる順番が遅いリスク、倒産時のリスクが高まっているということによって、リターンが普通の社債に上乗せされるというイメージになります。

その右側が永久劣後債です。どういうリスクが上乗せされるのかというと、満期がありません。

債券というのは5年後10年後に返ってくるというのが基本ですが、満期がありません。
定められてないかわりに、繰上償還日というのが定められています。その時に償還させるかどうかを発行会社が決めることができるのがこの永久劣後債です。

そのため、償還日にお金を返したくないと発行会社が言ったら、返ってこない場合もあります。

そのあとも金利はちゃんと支払われますが、このようなリスクもあります。
そういうリスクが上乗せされることによって、普通の劣後債よりも利回りというのは基本的に高くなっています。

一番右側、CoCo債というのは、ハイブリッド証券の中では一番リスクが高くてリターンが高い債券です。CET1トリガーリスクというのがあります。CET1というのは自己資本の比率が7%か5%かという、その債券ごとに定められた比率を下回ってしまうと、株式になったり、元本が毀損してしまうというような特別な条件が付与されているのがCoCo債です。

そういったリスクが付与されている代わりに、普通の劣後債よりも利回りが一般的には高くなっています。

債券を発行している会社によっては、CoCo債よりも普通の劣後債の利回りの方が高くなっている時もあります。普通の社債の方が高くなっている時もあるので、一概に言えないですが、一般的にはこういう仕組みであり、リスク・リターンという考え方をするのがいいのかなと思います。

富裕層のための債券投資戦略〜①外国債券とは?〜

債券に関するご注意事項
(1) 個人向け国債
個人向け国債を募集により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
個人向け国債は、原則として、発行から1年経過すれば中途換金が可能です。なお中途換金する際、原則として「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」の中途換金調整額が、売却される額面金額に経過利子を加えた金額より差し引かれます。ただし、発行から一定期間の間に中途換金する場合には、中途換金調整額が異なることがあります。
(2) 円貨建債券
円貨建債券を募集・売出し等又は各金融商品取引業者との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。
債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。
(3) 外貨建債券
外貨建債券を募集・売出し等又は各金融商品取引業者との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。
外貨建債券を円貨で購入される場合、為替取引には為替スプレッドがかかります。
外貨建債券の利金・償還金の円貨での受取を指定した場合、為替スプレッドがかかります。
外貨建債券の途中売却は、外貨決済のみの受付となります。
外貨から円貨への為替取引には、各金融商品取引業者の定める為替スプレッドがかかります。為替スプレッドについては各金融商品取引業者のWEBサイト等をご確認ください。 。
債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営、財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがあります。詳しくは「外国証券の国内店頭取引について」及び「公社債の売買取引について」をご覧ください。
外貨建債券は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
詳しくは、各金融商品取引業者のWEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

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