資産10億円を保有している世帯は「超富裕層」に分類されます。超富裕層の資産運用は、増やすよりも大きく減らさないことが大切です。この記事では、資産10億円を運用するときの目標利回りとポイントについて解説します。
目次
資産10億円を保有している人は日本人は「0.17%以下」
野村総合研究所によると、純資金融資産(預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有している金融資産の合計額から不動産購入に伴う借入などの負債を差し引いたもの)が5億円以上の世帯は「超富裕層」に分類され、2021年は9.0万世帯、105兆円の保有資産規模とされています。「超富裕層」の割合は全世帯の0.17%にすぎず、さらに資産10億円以上の世帯はさらに絞られ、「大金持ち」というイメージがふさわしいでしょう。
資産10億円をどう使うべき?
資産10億円というのは、多くの人にとって夢のような話です。しかし、単に資産を保有しているだけでは、資産を守ることはできません。資産を守るためには、いくつかのルールを守る必要があるのです。
ここでは、富裕層が10億円の資産を減らさないために守るべき3つのルールを解説します。
1.リスクを分散させる
10億円すべてを株や不動産など特定の資産に投資するのはリスクが高すぎます。リスクを回避するためには、株式、不動産、債券、預金など、さまざまな資産に分散して投資することが重要です。
2.専門家のアドバイスを受ける
10億円もの資産を運用するには、専門的な知識と経験が必要です。金融機関の担当者やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などの専門家に相談することで、資産を有効活用するためのアドバイスを受けることができます。
3.タックスプランニング(税金対策)
10億円の資産を保有すると、さまざまな税金がかかります。税金対策をしておくことで、資産をより有効に活用することができます。
10億円の資産を減らさないためには、これらのルールを守ることが大切です。
10億円の資産運用方法するためのポイント
資産10億円あれば、ほとんどの金融商品に投資できます。ただ、一つの資産に集中投資してしまうと、その金融商品の価値が下がった場合に大きな損失がでる恐れがあります。
ですから、分散投資が必要です。分散投資とは、1つの資産に集中投資するのではなく、複数の資産に分散して投資することです。資産分散を行うことで、リスクを低減し、安定したリターンを得ることができます。
分散投資には、以下の4つの方法があります。
資産の分散:株式、債券、不動産、金などの異なる資産に投資する
地域の分散:国内、海外の異なる地域に投資する
時間の分散:一度にまとまった資金を投資するのではなく、定期的に分散して投資する
銘柄の分散:複数の銘柄に投資する
分散投資は投資のリスクを低減し、安定したリターンを得るための有効な方法です。資産分散を行うことで、より安心して投資を行うことができます。
資産10億円を資産運用する時、利回りはどのくらい?
資産10億円の資産運用で参考になるのが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用です。GPIFでは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式を25%づつを「基本ポートフォリオ」とし、長期での運用を行っています。
GPIFの2001年度~2022年度第3四半期までの収益率は3.38%(年率)となっています。資産10億円の資産運用も大きく増やすよりも長期的な観点で大きく減らさない運用が大切なので、GPIFと同じ程度の利回りを目指せば十分だと考えています。
資産10億円を使って、守りの資産運用を行いたい
資産10億円は超富裕層に分類されます。超富裕層になるには、高収入の職業に就いているか、起業や投資で成功していることが条件となります。
超富裕層になれたとしても、資産を守るために資産運用をすることが大切です。資産運用とは、自分の資産を増やすために投資をすることです。資産運用には、株式投資、債券投資、不動産投資など、さまざまな方法があります。
ただ、資産運用を行う際には、リスクを分散させることが重要です。リスクを分散することで、特定の投資先の値動きに影響されにくくなります。また、資産運用を行う際には、特定の金融機関に属さず顧客本位の提案が期待できるIFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)に相談することをおすすめします。
まとめ
10億円の資産運用では守りを重視し、幅広い資産に分散投資することが大切です。ポートフォリオは、GPIFの基本ポートフォリオ(国内株式25%、海外株式25%、国内債券25%、外国債券25%)を参考にし、年率3%程度を目標にするようにしてください。
5億円以上の金融資産を持つ超富裕層におすすめの投資先とは?
一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。