アセットアロケーションとは?あなたの資産を守るためのアセットアロケーションの調整方法について解説!

はじめに

資産運用の基本は長期・積立・分散投資です。そこで重要になってくるのがアセットアロケーションです。アセットアロケーションを理解することで、低リスクで長期的に安定した資産運用が可能となります。

アセットアロケーションを決めずに資産運用すれば、
「資産形成期に資産が思ったよりも増えない」
「老後に暴落が起きて資産が枯渇する」

ということにもなりかねません。

この記事では資産運用の基本ともいえるアセットアロケーションについて解説します。

アセットアロケーションとは

アセットアロケーションの意味

アセットアロケーションとは「資産配分」のことです。私たちが保有する資産は、さまざまな種類に分類することができます。株式、債券、現金、米国株式、国内株式、ハイテク株、金融株……など多岐にわたります。

それぞれの資産にはリスクが高いがリターンが期待できるものや正反対にリターンが期待できない分、リスクが低いものなどの特性があります。

資産運用を計画的に進めるために、資産の特性を考慮して、目的にあった資産を選んでいく必要があります。

アセットアロケーションとポートフォリオの違い

アセットアロケーションとよく似たものにポートフォリオもあります。むしろポートフォリオの方がなじみのある言葉かもしれません。

アセットアロケーションで決めることは、資産の配分です。それに対して、ポートフォリオは具体的な金融商品の配分です。

順序としては「アセットアロケーションで資産配分を決めたのちに、ポートフォリオで銘柄選定をしていく」という順序になります。

このことからも資産運用の基本はアセットアロケーションにあるということがわかるでしょう。

アセットアロケーションの種類

資産クラス別アセットアロケーション

資産クラスをリスク・リターンが高い順に並べると以下のようになります。

・外国株式
・国内株式
・不動産
・外国債券
・国内債券
・預貯金

伝統的4資産ともいわれる外国株式・外国債券・国内株式・国内債券への投資が基本的な国際分散投資となります。

不動産は一般的にはREITという不動産投資信託のことを指します。ファンドが投資資金を不動産に投資・運用し、その成果を投資者に分配するというものです。

カントリーアセットアロケーション

国別の資産配分のことで、先進国・新興国・国内の株式や債券が代表格です。米国など特定の国への投資もこれに含まれます。

・国内株式
・国内債券
・米国株式
・先進国債券
・新興国株式
・新興国債券

将来性も含めて米国への投資が近年主流になっています。しかし、「米国最強」を妄信し、米国の一国だけに投資するのはやはりリスクが高いといえるでしょう。

先進国には米国や日本、イギリス、スイスなどが含まれます。先進国は経済的にも政治的にも安定していることが多く、20ヵ国以上への分散投資もされているので、比較的無難な投資対象といえます。

新興国には中国やインド、トルコなどが投資対象です。これからの経済成長が期待できますが、政治的に不安定な国も多いのでボラティリティ(価格変動)が高いのが特徴です。
特に新興国債券は格付け会社からリスクが高いと判断されているものもあるため、アセットアロケーションに組み込む場合は慎重な判断が必要になります。

セクターアセットアロケーション

業種別のアセットアロケーションですが、業種は景気によって売上が左右され、さらに景気には好況や不況などのサイクルがあります。業種を分散すれば、どの景気のときでも安定した運用が可能となります。

・金利敏感セクター・・・ハイテク関連株、金融株
・景気敏感セクター・・・素材株、工業株
・ディフェンシブ・・・エネルギー株、ヘルスケア株、通信株、公共株

リスクの面では金利敏感セクターや景気敏感セクターは金利や景気の影響を受けやすいです。金利や景気の動きによっては大きく成長しますが、下落局面になると大幅に売り上げが落ちる傾向があります。つまり「値動きが激しい」ということです。

また「業種別」と聞くと、個別株をイメージしやすいですが、セクター別ETFや投資信託という選択肢もあります。セクター別ETFや投資信託は、同じセクターの複数の企業に分散投資されるので個別株での運用よりもリスクが低いです。

アセットアロケーションの比率の決め方

アセットアロケーションの比率について解説する前に大前提があります。

それは「リスクとリターンは表裏一体」だということです。リターンが多い資産はリスクが高く、その逆も然りです。その大前提を常に念頭に置いておきましょう。

リスク許容度を基準に決める

アセットアロケーションにおいて特に大事なのが「リスク許容度」です。

・リターン重視の資産形成期なら、株式や不動産(REIT)、米国株、ハイテク株を多くし、積極的な配分。
・リスクの低い運用をするなら、債券やヘルスケアなど不況にも比較的強い堅実的な配分。

このようにリスク許容度に応じたアセットアロケーションにすることで、目的に合った資産運用が可能となります。しかし、リスク許容度は人によって違いますし、同じ人でも年齢や状況によっても変わってきます。そのため、状況に合わせてアセットアロケーションを調節していく必要が出てきます。

例としては
・年齢が若い、独身 →ハイリスクハイリターンなアセットアロケーション
・年齢が高い、既婚者 →ローリスクローリターンアセットアロケーション

ここまで紹介してきたのはあくまで例えなので、ご自身のリスク許容度を基準に考えてみてください。

違う値動きのするものを組み合わせる

違う値動きのするものを組み合わせなければ分散にはならないという点も大事です。

例えば、株式や債券は逆相関の値動きをすることが多いです。それらを組み合わせることでより低リスクな運用ができます。

配分を決めてくれるバランス型ファンドを購入する

ここまでアセットアロケーションの比率の決め方について解説してきましたが、多種多様な資産があり、それぞれの特性を理解するのは大変だと思います。

そこでもう一つ選択肢に加わるのが「バランス型ファンドの購入」です。バランス型ファンドはこれまで紹介してきた資産に分散投資・運用してくれるというものです。

バランス型ファンドにも、国別の株式や債券を投資対象とする4資産型やそれにREIT等を加えた8資産型など、ファンドによって特徴が異なります。他にも株式重視型や債券重視型といったバランス型ファンドもありますので、目的によって選ぶことができます。

バランス型ファンドにもさまざまな種類がありますが、一度購入してしまえばファンドが機械的に運用してくれます。その後のアセットアロケーションを考えずに済むという点では合理的な選択肢ともいえるでしょう。

しかし、デメリットもあります。
まずは短期的な利益が見込めない点です。
リスク分散ができている反面、株式市場が好調な時でも、機械的に同じ比率でしか運用をしないので資産を拡大するチャンスを逃してしまうのです。

次に、比較的信託報酬が高い傾向がある点です。長期運用の場合、信託報酬が安ければ安いほどいいです。バランス型ファンドを、選ぶ際には信託報酬のチェックも忘れずに。

とても便利なバランス型ファンドですが、このようなデメリットについても把握しておきましょう。

まとめ

資産を形成したり、守るためにアセットアロケーションの調整は資産運用の基本です。
しかし、アセットアロケーションに正解はありません。

各自のリスク許容度やライフスタイルによって変わるので、「現在」のご自身に合ったアセットアロケーションを考えてみてください。

アセットアロケーションは資産運用の成否を決めると言っても過言ではないのです。

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