はじめに
空き家問題は人口の少ない地方都市の問題だと思っていませんか。
実は、空き家問題は人口の多い東京をはじめとした大都市の方が深刻化しているとも言われているのです。
空き家問題はなぜ問題なのか。
そして、空き家の件数が多い県や少ない県はどこなのでしょう。
不動産の所有者なら知っておきたい「空き家問題の今」をお伝えします。
空き家問題の何が「問題」なのか
よく「空き家は問題」と言われます。
しかし、一体何が問題なのでしょう。
空き家とは「人が住まなくなって1年経った家」のことです。
家を所有していても必ず住まなければならないというルールはありません。
「不動産所有者の自由なのだから、住んでいない家を放置しても問題ないのでは」と思うかもしれません。
空き家には以下のような問題点があり、周辺住民などとトラブルになる可能性があります。
・空き家にしておくことで周囲の景観を損ねる
・空き家にしておくことで家の倒壊などのリスクがある
・空き家が犯罪や害獣、害虫の温床になることがある
・空き家のゴミや臭いから周辺住民からクレームが出る可能性がある
・空き家は台風などの災害時もリスク要因になる
空き家でもきちんと管理されていれば問題ありません。
管理が不十分で周囲に迷惑をかける(かけている)と判断されれば、固定資産税の特例措置から除外されることになります。
家があることで固定資産税が軽減されていますが、「特定空き家」に指定されて状況が改善されなければ、固定資産税の軽減措置がなくなり、固定資産税が6倍になるという問題点があるのです。
空き家自体が問題なのではなく、管理されていない空き家が周辺住民や所有者の問題になるということです。
空き家問題の実態は?空き家の多い県とは
空き家問題の実態を知るために空き家の多い県についても知っておきたいものです。
空き家の多い県を知っておくことでその県に不動産を所有している人は問題への対処や心構えをする機会ができるからです。
空き家の多い県は次のようになっています。
1位 / 東京都
2位 / 大阪府
3位 / 神奈川県
4位 / 愛知県
5位 / 千葉県
6位以下は北海道や兵庫県、埼玉県などが続きます。
空き家の多い県の特徴は東京や大阪などの大都市という共通点があります。
空き家は地方都市の方が多いと思うかもしれませんが、大都市ほど空き家の件数が多いという意外な結果でした。
また、大都市の周辺の自治体に空き家の件数が多いという結果でもありました。
空き家問題は東京都などの大都市に不動産を所有している富裕層にとって身近な問題だと言えるのではないでしょうか。
空き家の件数が少ない県はどこなのか
反対に空き家の件数が少ない県は人口の少ない地方都市です。
1位 / 鳥取県
2位 / 福井県
3位 / 島根県
4位 / 佐賀県
5位 / 山形県
6位以下には秋田県や富山県、沖縄県などが続きます。
人口が比較的少ない県や人口の減少が多い県ほど空き家の件数が少ない傾向にあるという結果です。
空き家トラブルを防ぐためにすべきこと
注意したいのは空き家の件数が多いからといって、それがただちに空き家問題と結びつくわけではないということです。
管理されていない空き家と空き家件数は別物になります。
しかしながら、空き家の件数が多いということは、将来的に空き家問題や空き家トラブルに関係するリスクがあるということではないでしょうか。
空き家トラブルを防ぐためにも「空き家管理の見直し」や「空き家の早めの処分」などを検討してみてはいかがでしょう。
まとめ
空き家の件数は地方都市よりも大都市やその周辺の自治体が多いという結果でした。
空き家の件数が即座に空き家問題につながるわけではありませんが、将来的に近隣住民とのトラブルや税金負担増などを防ぐために、管理の見直しや早めの処分など対処を考えてみてはいかがでしょう。
空き家の処分や将来的な活用などに悩んだら、専門家にも相談してみるといいでしょう。