目次
はじめに
テクニカル分析では、主に「順張り」と「逆張り」の2種類があります。この記事では、逆張り指標として有名な「移動平均乖離率」「RSI」「騰落レシオ」について解説します.
テクニカル分析には順張りと逆張りがある
テクニカル分析には、主に移動平均線やモメンタムなど順張りと、RISや騰落レシオなどの逆張りに分けることができます。順張りは「トレンド系指標」とも呼ばれ、相場の流れについていく手法です。
一方の逆張りは「オシレーター系指標」とも呼ばれ、相場の買われすぎや売られすぎを判断するテクニカル分析。つまり、逆張りは「相場の過熱感」を見極める指標なのです。
逆張りの注文方法
逆張りは、相場が下落している時に買い注文をだし、上昇している時に売り注文をだします。つまり、相場の流れと反対の注文をだすのです。そして、逆張りは相場の転換点を狙って注文をだすので、うまくいけば大きな利益を狙えます。
たとえば下落相場では、相場の底を狙って注文をだします。うまく底値近辺で買えれば、最大限の利益を得られる可能性があるのです。
逆張り指標はボックス相場で有効
逆張り指標は、ボックス相場で有効です。ボックス相場とは、上限と下限がある程度決まった範囲内で価格が推移している状態。ボックス相場は方向感がないので、レンジの下限と上限をうまく見極められれば、逆張りがしやすいのです。
また、レンジ相場になると下限と上限が見極めやすく、トレンドが発生しているときよりも上下を短いスパンの値動きになるので、取引チャンスが多くなるというメリットもあります。
逆張りは損失を抱えたままになりやすい
逆張りをする時の注意点についても解説します。逆張りで買った後に価格がさらに下がった場合、買い増しをする「ナンピン買い」をする人がいます。売られすぎと思って買っているので、さらに価格が下がったら買いのチャンスと考えるからです。
しかし、下落トレンドを作って価格が下がった場合、ナンピン買いを何度も繰り返すことになります。そして、損失を抱えたままポジションを持つことになってしまいます。
しかし、株価は半値以下に下落することも珍しくありません。投資は安く買って高く売るのが基本ですが、どこまで下がるか正確にはわかりません。
たとえば買値から10%下落したら損切りするなど、リスク管理をきちんとしないと大きな損失を抱えたままになってしまうので、注意が必要です。
逆張り指標3選
逆張りでよく使われるテクニカル指標を3つ紹介します。
移動平均乖離率
移動平均乖離率とは、現在の価格が移動平均線からどの程度離れているかを表したものです。移動平均線に対して乖離が大きいと、そろそろ相場の反転が近いと判断する逆張り指標になります。移動平均乖離率の計算方法は、以下の通りです。
移動平均乖離率=((当日の終値ー移動平均の値)÷移動平均の値)×100
移動平均は
日足:5、25、75、100、200
週足:13、26,52
がよく使われます。
価格が移動平均線から大きく下に離れ、乖離率のマイナスが大きくなった場合、「買い」のサインです。一方、移動平均線から大きく上に離れ、乖離のプラスが大きくなったら「売り」と判断します。
たとえば、5日移動平均線で10%、25日移動平均線で15~20%離れると、相場は反転しやすいといわれています。ですから、その水準に近づいたら逆張りで注文を入れるのです。
RIS
RSIは逆張り系のテクニカル分析の代表格で、「Relative Strength Index」の頭文字をとったものです。日本語では「相対力指数」といい、売られすぎや買われすぎを判断する指標として利用されています。
RSIは過去一定間の上昇幅の合計を、同期間の上げ幅の合計と下げ幅の合計で割って、100を掛けたものです。計算式で表すと、以下の通りです。
RSI(%)=A÷(A+B)×100
A:上げ幅の合計
B:下げ幅の合計
期間は14日を使うのが一般的です。そして数値は0~100で表され、20~30%以下で売られすぎ、70~80%以上で買われすぎと判断します。
RSIは計算方法も簡単で、1本のラインで表されるので非常にわかりやすいテクニカル指標です。ただ、トレンドを作る相場では、RSIで売られすぎ、買われすぎのシグナルがでていてもトレンドの勢いが続く場合もあります。
きちんと損切りラインを設定しておくことや、移動平均線など他のテクニカル指標と合わせて判断するようにしてください。
騰落レシオ
株式市場全体の買われすぎ、売られすぎを判断する指標として「騰落レシオ」があります。騰落レシオは、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率から株式市場の過熱感を見るテクニカル指標で、計算式は以下の通りです。
騰落レシオ(%)=値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数×100
通常は、25日間の値上がり銘柄数を25日間の値下がり銘柄数で割った「25日騰落レシオ」を使います。25日間の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が同じなら、25日騰落レシオは100%になります。
そして、25日騰落シオが70%を下回ると「売られすぎ」と判断し、120%を超えると「買われすぎ」と判断するのです。
まとめ
逆張り指標はうまくいけば大きな利益を狙えますが、トレンドが続く相場では損失を抱えてしまいます。安易なナンピン買いは控え、相場が反転しなかったら損切りをするなど、リスク管理を徹底するようにしてください。