2021
03/09
資産運用入門

はじめに

今回は株主優待についてお伝えしたいと思います。株式投資のリターンには値上がり益などのキャピタルゲイン、配当金などのインカムゲインなどがあります。

株主優待は、企業が株主に対して長期に保有してもらうために自社の商品、サービスなどを提供する制度です。株主優待は株式のリターンのうち配当金などに近い性質があります。企業も株主優待を個人に提供することにより、自社の株式を長期で保有してもらいやすくなるため、安定株主を作ることができるメリットがあります。

株主優待の魅力は大きく分けると以下の2つです。

株主優待の魅力① バラエティ豊かな株主優待

企業によりそれぞれの特色を生かした様々な株主優待を設定しています。
わかり易い例として航空会社や鉄道会社の株主優待券(無料券や割引券)や優待パスがあります。

例えばANAの株主優待券は100株保有で1枚もらえます。(保有株数によってもらえる枚数が変わります。)。優待券1枚で国内線の運賃が普通運賃から半額となります。
JR各社や私鉄各社は自社の鉄道の優待無料券や保有株数を多く保有する株主には、無料パスを提供しています。自社沿線に商業施設や遊園地などがある場合は、割引券なども提供している場合が多いです。

小売各社も自社の系列店の割引券などを優待に設定している場合が多いです。
優待も系列店で買い物をすることが場合には、魅力的な選択肢となります。
例えばイオンでは、100株以上でイオン系列店でのショッピング時に常時3%のキャッシュバックが受けられるオーナーズカード(優待カード)がもらえます。

電気機器や機械メーカーなど消費者向けの事業を行っていない企業でもカタログギフトやクオカード、お米などの優待を設定する企業が増えています。このようなバラエティ豊かな優待から投資先の企業を選ぶ楽しみも魅力のひとつです。

日本証券業協会が発表した「平成30年度の証券投資に関する全国調査」では株式の購入理由として「配当金がもらえる」が全体の52%、次いで「株主優待が受けられる」が全体の36%となっており、実際に個人投資家の株式投資の大きな動機になっています。

株主優待の魅力② 定期預金を大きく上回る優待利回り

株主優待はもらえる優待品を現金に換算すると低金利の銀行預金より大きな利回りとなることも魅力の一つです。例えば家電量販店のビックカメラの株主優待はビックカメラグループの各店舗で使える買い物優待券です。ビックカメラ株を100株保有している場合(保有期間1年未満)には、半期に1度2000円と1000円相当の買い物優待券がもらえます。

2/5現在 ビックカメラ株の終値は1209円となっていますので100株を購入するのに120,900円が必要です(手数料等は考慮していません)。年間合計3000円の買い物優待券で利回りを計算すると3000÷120900円で約2.5%にもなります。

さらに前期の実績の年間配当金は1株あたり13円、100株で1300円となりますので、配当も加えて利回りを計算すると(1300+3000)÷120900円で約3.6%と利回りはさらに高くなります。

この利回りはあくまでビックカメラで買い物をする場合という条件が付きますが、0.1%以下の定期預金金利と比べると申し分ない利回りとなります。また、金券ショップやネットオークションで株主優待券などを換金することも出来ます。

株主優待のもらい方

株主優待をもらうためにはどのようにしたらよいのでしょうか? まずは株主優待を受け取るために投資する企業を決めます。次に証券会社を通して目的の企業の株式を購入します。

株主優待や配当金は株主であればいつでも受け取ることが出来るわけではなく、株式を発行している企業が定めている権利確定日に株式を保有していることが必要です。

例えば3月末(31日)が権利確定日の場合は、株式の受け渡し日(決済日)は取引から2営業日後なので逆算すると2021年3月末決算銘柄の場合、29日中に株式を購入しておかないと株主優待を受けとる権利を得ることは出来ません。大体の企業は決算月と同じ月に株主優待や配当などの権利確定日を設定していることが多いです。3月末決算の企業であれば3月末が権利確定日、中間決算で株主優待を実施している企業であれば9月末が中間決算分の株主優待の権利確定日となります。

株主優待で気をつけたいこと

株主優待はあくまで企業が個人投資家を中心に株の長期保有を促すために設定しています。そのため定期預金の金利と異なり、常に約束されたものではなく、企業の業績が悪化した場合などには、株主優待制度が廃止されてしまう場合があります。

また、最近では長期保有の株主を優遇するため、保有期間が長くなればなるほど株主優待の内容が良くなる制度を導入する企業も増えています。
また、株主優待目的の投資であってもあくまで株式への投資なので、値上がりや値下がりなどのリスク・リターンにはよく留意しましょう。

株主優待を受けとることは出来たものの、株価が値下がりしてしまいトータルで損失となってしまうケースも考えられます。また、
権利確定日直前には、権利取り狙いの買いが入りやすく株価が上昇することが多くあります。
このような点をよく理解して投資を行えば、株主優待は非常に魅力的な資産運用の方法の1つとなります。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者14万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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