ウェルス・パートナー代表の世古口です。当社は事業の1つとしてIFA (金融商品仲介業者)を行なっています。IFAとは簡単に説明すると保険代理店の証券版です。資金は証券会社に預けてもらうのですが、提案や取引の受発注は独立した業者が行うという仕組みです。今回の記事では私がインデックスファンドだけで資産運用するのはつまらないと感じている理由についてご説明します。
インデックスファンドとは日経平均やS&Pなどの指数にパフォーマンスが連動するファンドです。アクティブファンドの9割がこのインデックスファンドに勝てないという過去のデータがあり、金融の資産運用に関してはインデックスファンドが中心でいいと思います。しかし、本当にインデックスファンドだけでいいのでしょうか。私はインデックスだけで運用するのはつまらないと感じています。
なぜ「つまらない」かというと指数に連動している、つまり平均的な運用だからです。平均なので頭を使う必要がありません。人間は平均以上を目指したくなる生き物です。私も同じです。平均を上回るパフォーマンスをα(アルファ)と言います。インデックスが5%であるファンドが10%のパフォーマンスだとすると差の5%がαとなります。私は資産運用において、このαをいかに得るかということを考えることに楽しみを感じています。
私のインデックスファンド以外のファンドへの投資はヘッジファンドやベンチャーキャピタルファンド(以後:VC)です。ヘッジファンドは超高報酬の天才ファンドマネージャーに高度な資産運用をしてもらう投資です。VCは設立したばかりの未上場会社に投資して、その会社が上場したりM&Aで会社売却したときにキャピタルゲイン(値上がり益)を得るという投資です。ヘッジファンドは過去21年間の運用で一度もマイナスになったことがなく株価が20%下がった2020年も月間で一度もマイナスになっていません。一方でベンチャーキャピタルは6年前に投資しましたが、現在の実現した利益や株価評価では投資元本の6〜7倍くらいになっています。まさにαです。
ヘッジファンドは月に1度、ベンチャーキャピタルは年に1度、運用レポートが送られてきます。それを見るのは楽しいです。天才マネージャーが現在のマーケット環境で、どういう運用をしているのかや、どういう会社に投資しているのかが分かり本当に勉強になります。一方で投資しているインデックスファンドはここ数年パフォーマンスすら見ていません。インターネット証券で積立投資や外国ETFを持っていますが、ログインする気にならないのです。日経平均など指数を見ていればだいたいのパフォーマンスが予想できるのとなにより平均だからです。
今回の記事ではインデックスファンドだけでは資産運用はつまらない理由をお話ししました。あくまで私の私見で熱狂的にインデックスファンドが好きな方の気分を害してしまったら申し訳ございません。この記事が皆様の資産形成のお役に少しでも立つことをお祈りしております。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中