2020
03/25
最終更新日:2022/01/19
経済・マーケット

はじめに

先物取引とはデリバティブ取引(金融派生商品)の一種で、株式や債券などから派生して新しくできた金融商品です。デリバティブ取引には、先物取引のほかにオプション取引やスワップ取引があります。

先物取引の定義は、以下の通りです。

1.将来のあらかじめ定められた期日に

2.株式や債券など特定の商品(原資産)を

3.現時点で取り決めた価格

で売買することを約束する取引です。

将来のあらかじめ定められた日に、現時点で取り決めた価格で買う約束をしておけば、期日が来たときに市場価格が上がっていても、市場価格よりも安い値段で買うことができます。

また、先物取引は期限日前に、市場価格で反対取引による差金決済ができます。差金決済とは、購入代金を支払わずに、買値と売値の差額のみを決済する方法です。

たとえば、1,000円で買ったものを1,200円で売った場合、差金決済すると差額の200円を受け取れます。一方、購入代金を支払って購入したものを受け取ることを現物取引といい、通常の株式や債券の取引などのことです。

先物取引は、少額の証拠金で多額の取引ができるレバレッジ効果(てこの効果)があります。ただ、高いリターンを得る可能性がありますが、大きな損失になる恐れもあるのです。

先物取引は「ハイリスク・ハイリターン」の金融商品なので、価格の変動によっては証拠金よりも大きな損失がでる恐れもあります。先物取引をする場合はリスク管理をしっかりすることが大切です。

代表的な先物取引には、日経平均株価を対象にした日経225先物取引やTOPIX先物取引、長期国債先物取引などがあります。また、金や原油などを対象にした商品先物取引もあります。

日経平均先物(日経225先物)とは?日経平均との違い

日経平均先物(日経225先物)とは、日経平均株価を原資産とする株価指数先物取引のこと。

実態のない指数とみることが言え、日経平均先物とも言われます。
ちなみに、日経平均とは日本を代表する225銘柄の修正平均値のことを言い、実態のある指数と言えます。

先物取引と株式取引の違い

代表的な先物取引である「日経225先物」と、現物株式との違いを見ていきましょう。

1.買いだけでなく売りからも取引できる

先物取引は、値段が上がると予想したときに「買い」から取引できます。これは、現物株式と同じです。一方、値段が下がると予想したときでも、「売り」から取引を始めることも可能です。

売りから入り、予想通り値段が下がれば買い戻すことで利益になります。ただし、予想に反して値段が上昇した場合には、損失が発生します。

2.取引できる期限が決まっている

現物株は、その企業が倒産しない限り株式を保有しておくことが可能です。これに対し、先物取引には取引の期日があります。日経225先物では、3・6・9・12月の第2金曜日が決済日です。

決済日前であればいつでも売買できますが、期日になれば自動的に決済されます。

3.高い流動性

決済日の近い日経225先物は非常に高い流動性があります。流動性とは、「買いたいときに買える」「売りたいときに売れる」ということです。現物株も流動性の高い銘柄はありますが、新興市場などでは流動性の低い銘柄もあります。

流動性を気にせずに取引できるという点は、先物取引のメリットです。また、日経225先物は取引時間が長いというメリットもあります。現物株取引と日経225先物の取引時間は、以下の通りです。

現物株     
9:00~11:30、12:30~15:00(東証)
9:00~11:30、12:30~15:30(名証、福証、札証)
そのほか、PTS市場ではそれぞれ取引できる時間が異なります。

日経225先物
8:45~15:15(日中立会)
16:30~翌6:00(夜間立会)

4.個別銘柄の選択が不要で倒産リスクがない

日経225先物は指数(日経平均株価)を対象としているので、現物株のように個別銘柄を分析・選別する必要はありません。また、現物株の場合は、その企業が倒産したときのリスクを考えておくことが必要ですが、日経225先物は指数が対象なので倒産リスクはありません。日経平均株価に採用されている225社に分散投資しているのと同じ効果があるからです。

日経225先物取引には、mini(ミニ)取引もある

日経225先物の取引単位は、日経平均株価を1,000倍した金額が最低取引単位です。たとえば、日経平均株価が20,000円の場合、日経225先物の取引金額は以下の通りです。

20,000円×1,000=2,000万円

日経225先物は証拠金取引なので、72万円(2020年2月7日時点)の証拠金で取引できますが、取引金額が大きいと感じる人もいるでしょう。

しかし、日経225先物には、取引サイズを10分の1にした日経225mini取引があります。日経225miniの取引サイズは、日経平均株価を100倍にした金額になります。つまり、

20,000円×100=200万円

が取引金額になるのです。

証拠金も10分の1の7万2,000円になる(2020年2月7日時点)ので、初心者の人は、日経225miniで取引を開始するようにしましょう。

まとめ

今回は先物取引、とくに日経225先物の仕組みについて解説しました。先物は証拠金取引なのでレバレッジ取引ができることや、買いだけでなく売りからも利益が狙えるというメリットがあります。

ただし、思惑と反対に動いた場合は、大きな損失がでる恐れがあるのでリスク管理が大切です。日経225先物を始めるときは、取引金額が小さい日経225miniから取引するようにしましょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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