2020
01/28

はじめに

2000年前後から世界中でIT企業が多く誕生し、今や米国のGAFA(Google、Amazon.com、Facebook、Apple)や中国のBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)が世界の数多くの産業における固定費を大幅に削減し、利益率を高める高速化されたビジネスモデルを実現しています。

それだけでなく、日本国内でも楽天のような企業を筆頭に多くのIT企業が設立されています。しかし、世界的に見て医療や教育、金融業界は規制や免許などの参入障壁の高さからITの導入が進んでいないという現状がありました。

しかし、2020年に近づくにつれて特に金融業界においてITの導入が加速しています。

ここ10年ほどでFintech(金融+IT)という言葉が台頭し、今や金融業界はFintech企業が牽引しているような状況になっています。

みなさんもよく、「AI」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、Fintech企業ではまさにAIの導入が進んでいるのです。

そこで今回は「金融機関のAI導入事例」や「なぜAIを導入するのか」、「AIの資産運用の仕組み」について分かりやすく解説します。

金融機関のAI導入事例

以下では金融業界(銀行、証券、保険)におけるAIの導入事例を紹介していきます。

・保険料算出

保険会社のビジネスは、簡単に説明すると「顧客ごとに将来起こる得る病気や事故のリスクを確率的(統計的に)に算出し、その人に見合った保険料を設定している」のです。

顧客ごとに計算される保険料はアクチュアリーと呼ばれる「数学(統計学)の専門家」が正確に計算しているのですが、現在ではこの計算をAIが行うようになっているのです。

・顧客対応

多くの金融機関はコールセンターを設けていて、顧客が質問をしたいときに電話で対応しています。
しかし、スウェーデンの銀行SEBでは顧客からの質問にAIがチャットで対応するようになっているのです。

少し詳しい説明をすると、ここで使われているAIは顧客対応のノウハウをあらかじめ訓練されており多くの状況で対応可能な業務知識を持っていました。

そこに、チャットで会話するためのAI技術の一種である自然言語処理の能力を付け加えることで、文字を読み込み、文字で回答する技術を与えたのです。

・住宅ローンの審査と不正利用

住宅ローンの審査は住宅の購入価格に対して収入が見込めるか把握することが必要になります。銀行側はローンに付け加えられた金利が儲けになるので、返済能力の無い顧客には融資することができません。

最近では国内の住信SBIネット銀行でローン審査の可否と不正の検知をAIで行っているそうです。

・AIによる資産運用

今まで資産運用を任せるのであれば投資信託を買って資産運用会社のファンドマネージャーに運用を委託するというのが基本でした。

しかし、最近になってロボアドバイザーというAIが資産を運用するようになり、株取引の敷居を下げてくれるようになっています。

なぜAIを導入するのか

AIを導入する理由は大きく2つあります。

・破格ともいえる安さでサービスを提供できる

証券会社の高い手数料は概ね以下のメカニズムで引き起こされています。
多くの営業員が、日本全国の支店で商品を売り込む⇒(営業員の)人件費と(支店の)賃料を賄うため手数料を高くする

また銀行の送金手数料は概ね以下のメカニズムで引き起こされています。
他社の銀行への送金する⇒送金のため全銀システムを利用する⇒全銀システムの利用料を銀行が負担しないといけない⇒顧客から「送金手数料」として全銀システムの利用料を賄う

以上のように、私たちが普段利用している金融サービスは構造的に手数料を支払わなければならなくなっているのです。

しかし、営業員が一人もいなかったらどうでしょうか?
また、支店が1つもなかったらどうでしょうか?
銀行であれば、全銀システムを利用しなければどうでしょうか?

当然、手数料はゼロ近くまで抑えられるのです。

そして、これらを実現したのがAI(IT技術)なのです。

・24時間いつでも高速かつ確実に処理を行える

また、AIは安さを提供するだけでなく、利便性と確実性を実現するのです。

24時間いつでも稼働できるのはもちろん、ローンの審査など仕組み化された業務は高速で確実に処理できるのです。

何人もの従業員の役割を1つのAIが担って、また見間違いやど忘れなど人間にありがちなミスは起こさないのです。

そのようなことから、便利で信頼性の高いサービスが実現できるのです。

AIの資産運用の仕組み

WealthNaviやネット証券ではAIが資産運用からアドバイスまで行う「ロボアドバイザー」が導入されています。

最近では、誰かに資産運用を任せたいとき、投資信託の購入ではなくロボアドバイザーという選択肢があります。

ただ、仕組みが分からず不安という方もいると思いますので簡単に仕組みをご説明します。

AIの資産運用は、「過去の株価の傾向を読み取って、明日の株価を予測する」という仕組みです。

ただ、完全に予測できるかと言えばそうではありません、最近の中東リスクの高まりや、米大統領選の予測、英国の合意なき離脱など“これまで経験したことのない事”については全く予測できないので突発的な出来事には人間の介入なしでは対応できないのです。

しかし、それ以外の日常的な株価予測については過去の傾向を読み取ることが人間よりも正確になっています。

それらの点を踏まえたうえでロボアドバイザーを利用すると、突発的なイベントが少なければロボアドバイザーの方が有利な結果が得られることが多いことが分かるでしょう。

また、突発的なイベントが起きたとしたらそれは人間にも予測不可能なため運が悪かったと思うしかないという側面もあります。

金融機関のIT導入は価格面でもサービス面でも利便性・信頼性を高めています。ご自身で調べてみると今までよりも充実した生活が送れることでしょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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