地銀の将来はどうなるの?銀行ビジネスは衰退していくのか?MicrosoftやAmazonも近いうちに金融業に参入!?

はじめに

昨今、マイナス金利による収益悪化が都市銀行・地方銀行の収益に直撃し、特に地方銀行は極度の財政難に苦しんでいます。

金融業界ではITと金融が融合したフィンテック企業が登場し、営業店舗や多数の営業員といった従来の金融機関で必要とされてきた固定費をIT技術で大幅に削減することに成功しています。

そのような逆風の中、2019年に入りみずほフィナンシャルグループは2019年度以内にフィンテック事業を創出することを掲げています。また、ふくおかフィナンシャルグループは2020年度にネット銀行の設立を表明しています。

世界ではGoogleやAppleのようなIT企業が金融業に参入していて、MicrosoftやAmazonも近いうちに金融業に参入するでしょう。

IT企業では各社独自のクラウドサービスであるGCPやAWS、Azureを使って送金システムをより効率化するノウハウを持っているので、既存の銀行はIT技術をいち早く取り入れることが必須となっています。

そこで、今回は「そもそもなぜ銀行ビジネスが衰退しているのか」という背景から「今後の地銀動向」まで解説していきます。

なぜ銀行ビジネスが衰退しているのか

イメージでいうと安定していそうな銀行ビジネスですが、金融業界においてはかなり衰退しているという認識になってきています。

では、そもそもなぜ銀行ビジネスが衰退しているのでしょうか。

結論から言うと、マイナス金利による利ザヤ縮小です。

2016年2月から日本ではマイナス金利が始まりました。具体的に言うと、各民間銀行が日銀に預けている預金(日銀当座預金)の一部に、日銀がマイナスの金利を付加したことを指しています。

これにより、長期金利がマイナス圏まで低下しました。

一方、銀行のメインビジネスは民間企業への貸し出しです。その際、貸し出すお金は預金者の預金から来るのですが、預金金利より高い金利で貸し出すことで銀行は儲け(利ザヤ)が出るのです。

しかし、長期金利が低下することでそれに連動して貸出金利も低下し、銀行は利ザヤが低下してしまいました。

では、預金金利を下げたらどうでしょう?

現在、ほぼ0%の金利からさらに預金金利を下げると、預金者は他行の銀行口座に移ってしまいます。このような理由から、銀行はメインのビジネスで収益が低下しているのです。

また、現在さらなるマイナス金利の深掘りが検討されていて、特に地銀は財政難に苦しんでいるのです。

今後の地銀動向

では、今後の地銀はどうなるのでしょうか?

現在、銀行業界はIT企業に凌駕されつつあります。

というのも、銀行ビジネスは「貸し出しによる利ザヤ収益」の他に「送金サービス」があり、既存の送金サービスは利用者が割高な手数料を払っているという現状があります。

私たち銀行利用者は銀行からお金を送金する際に200円程度の振込手数料を支払います。しかし一方で、預金金利は年0.001%(三菱UFJ銀行2019年11月21日現在)しかないので、明らかに振込手数料が割高になっているのです。

このような高い手数料が発生する理由は、銀行が送金システムに利用している“全銀システム“を維持するために各行が費用を負担しており、その費用が送金利用者に転嫁しているからで、どうしても振込手数料が高くなるのです。

そこで、多くのIT企業やフィンテック企業は全銀システムを使わずに送金する仕組みを開発していて、その最たるものがFacebookのリブラなのです。

国際送金となるとさらに高い手数料を支払うことになりますが、IT企業の送金システムでは手数料をゼロにすることが可能になります。

このような流れのなか、銀行は貸し出しビジネスや送金ビジネスでIT企業に追い抜かれつつあり、ふくおかフィナンシャルグループのようにITを早急に取り入れる必要があります。

またSBIホールディングスの北尾氏が言うように、既存の銀行は営業店舗や人員をかけ過ぎていています。おそらく、地銀では多くの人員削減が行われるでしょう。

現に、日本の金融環境と同様の状況である欧州でも2019年に入り、ドイツ銀行やコメルツ銀行で大幅なリストラが決行されています。

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