2019
05/31
最終更新日:2019/06/07

1.はじめに

資産運用を始めるあたり、色々と悩みますが、まずはお金の仕分け(分類)から始めましょう。お金の仕分け(分類)とは、お金を幾つかのカテゴリーに分類することです。これは、次々に金融商品を買ってしまい、気付いたら生活費などの必要なお金まで、株などにつぎ込んでしまったとならないために、とても大切なポイントです。

仕分け(分類)することで、その特性に応じた金融商品の選択も可能となり、無理のない資産運用が出来るようになります。この仕分け(分類)そしてその特性に応じた運用について、お客様の立場から分かり易く説明します。

2.手持ち資金のどのくらいまで株式、債券などに投資できるか

どのくらいまで手持ち資金を使っていいのか。資産運用を本格的に考える方は、最初にぶつかる疑問です。金融商品の種類によっては値動きの大きいものもあるので、不用意に手持ち資産をつぎ込むと大きな損失を被る可能性があります。そこで仕分け(分類)が必要となってきます。

3.手持ちの資金を3つに仕分け(分類)

仕分けのポイントは、お金の必要度(生活資金、使用予定がある資金)に注目して仕分けし、「余裕資金」を見つけ出すことです。

(1)1つ目:生活資金

まず、一つ目は「生活資金」です。これは日常生活と緊急時に必要なお金です。できれば生活費の1年分は確保したいところですが、最低でも生活費の半年分は確保しましょう。

日頃、生活費を意識したことがない方は、ちょうどいい機会ですので、ご家庭の年間の生活費を洗い出すのも良いと思います。大雑把に掴みたい時は、年間の「手取り」から、その年の「貯蓄高」を引けば、生活費の概要は掴めます。

(2)2つ目:使用予定がある資金

二つ目は、将来、だいたい10年くらいの間に使用予定がある資金です。例えば、お子さんの教育資金や住宅購入の頭金といったお金です。一つ目の「生活資金」との違いは、すぐには現金としては引き出せないといった差があります。

例えば、普通預金は、いつでも下せますが、定期預金は決められた期間はお金が下せないといった違いがあり、元本保証は同じですが、すぐに現金化できない分、仕分け(分類)が違うのです。

(3)3つめ:余裕資金

さて、いよいよ「余裕資金」です。この資金は手持ち資金から「生活資金」と「使用予定がある資金」を引いた資金で、すぐには必要としないお金です。この資金を投資などに回すことが可能な資金で、いわゆる増やすお金です。

4.3つの仕分けごとの運用は?

さて、お金の仕分け(分類)が終わったら、次は仕分け(分類)ごとに、どのような運用を行うか、すなわち、どのような金融商品の選択が可能なのか見て行きましょう。

(1)リスクとリターンとは?

まず、その前に「リスク」と「リターン」についてお話します。よく聞く内容ですが、具体的にはどういうことでしょうか。「リスク」とは値動きの幅を指す言葉です。「リターン」とは結果を表す言葉です。プラスのリターンもあれば、マイナスのリターンもあります。

「リスク」と「リターン」は表裏一体で、大きなプラスのリターンが出そうな金融商品は、大きなマイナスのリターンも出る可能性があります。

(2)リスクとリターンに合わせた運用

以上、お金を3つに仕分けしましたが、それぞれの仕分け(分類)に応じた適当な金融商品を見て行きましょう。

まずは、「生活資金」に適した商品は元本保証ですぐに現金化可能な普通預金、郵便貯金など、「使用予定のある資金」は基本的には元本保証ですが、すぐには現金化が難しい定期預金や個人向け国債など、「余裕資金」はリスクもリターンも大きくなる国内外の株式、外国債券、外貨などです。

(3)リスク許容度に応じた運用を

お金の仕分けに応じた金融商品の選択の例を示しましたが、「余裕資金」を活用した投資とはいえども一歩踏み出すには少しためらいがあるのではないでしょうか。それは、「余裕資金」といえども、「大きく下げたらどうしよう」などと不安になってしまう場合も少なくありません。

この不安は投資の経験や性格など人によって違い、これを「リスク許容度」といいます。

(4)仕分けとリスク許容度に応じて投資しよう

投資をする際には、このような「リスク許容度」を自分でチェックすることが必要です。持っている金融商品の値が大きく下げても、冷静でいられるのかどうかがポイントになります。資金を運用する際には、「余裕資金」を株、債券などに投資する場合もあります。

そのような際、もし、自分は「リスク許容度」が低いけど、株、債券などで資金を運用してみたいと思われる方は自分自身での運用はお勧めしません。このような場合は、専門に相談するのがよいでしょう。

5.まとめ

これまで、まずはお金の仕分け(分類)、そしてそれに応じた「リスク」と「リターン」から候補となる金融商品、そして「リスク許容度」を見て来ました。「余裕資金」があるけど「リスク許容度」が低い方は、無理に自分で運用せず、専門家に相談しましょう。

きっと、納得の行くアドバイスがもらえると思います。アドバイスをもらいながら、無理のない資産運用を行って頂き、有効に資産を増やして頂ければと思います。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者14万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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