
目次
はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
今回のテーマは、「未上場会社オーナー7億円の持株会社を活用した資産運用事例」です。未上場会社を経営されている富裕層の方の資産運用をお手伝いした事例を、弊社で未上場会社オーナーを数多くサポートしているアドバイザーの藤村と共にお伝えします。
藤村「私はこれまで、多くの未上場会社オーナーの方々の資産運用をお手伝いしてきました。攻めのパターン、守りのパターン、その中間のバランス型など、お一人おひとりの状況に合わせて、さまざまな形でお手伝いさせていただいております。」
世古口「未上場会社オーナーの方の資産運用の傾向や特徴はありますか。」
藤村「皆さん共通して年収が高いという特徴があるので、一般的な富裕層よりもリスク許容度が高く、それに伴い運用目標もかなり高い方が多い印象です。」
世古口「現役で会社を経営されているオーナーの方であれば、安定した収入があるため、多少リスクを取ってでも資産を成長させたいとお考えの方が多いのではないでしょうか。」
藤村「はい、そのような方が多い印象があります。」
※本記事でご紹介している内容は、あくまでも一例であり、すべての方に当てはまるものではありません。
資産状況や投資目的、リスク許容度によって最適な運用方法は異なります。
未上場会社オーナー7億円の持株会社を活用した資産運用事例
資産配分(当初)
世古口「こちらは資産配分シートの当初の状態です。まずはご本人様情報から見ていきましょう。」

藤村「30代後半の男性の方で未上場会社オーナーの経営者です。家族構成は奥様とお子様の3人家族、年収は1,800万円で、国内不動産はご自宅をお持ちです。」
世古口「30代後半なので、年齢がかなり若いですが、実際にこのような未上場会社オーナーの方で、資産運用を検討されている方はある程度いらっしゃるのでしょうか。」
藤村「そうですね。特に最近はIT系の企業の方や未上場会社オーナーの方もかなり多くいらっしゃいます。」
世古口「20代で起業して、30代になったらこの程度の資産が貯まっている方は珍しくないと思います。では、この方の資産状況がどうなっているかを見ていきましょう。」
藤村「まずは左の金融資産から見ていきます。日本株式が1,200万円、日本債券が700万円、オルタナティブが500万円、現預金は7億3,000万円となっています。事業会社の余剰資金も個人の資金と考える前提となっているので、この現預金の中には、それも含まれています。右側が実物資産で、ご自宅の不動産が1億8,000万円、借入が7,000万円ほど残っている状況です。」
世古口「次に全体のバランスを簡単に見ていきましょう。」
藤村「総資産合計の比率、純資産に対してどれだけ借入をしているかを見ると、108.1%となっています。次に金融資産比率と実物資産比率を見ると、金融資産比率が80.7%、実物資産比率が19.3%です。外貨比率は0.6%、株式比率は1.6%、債券比率は0.9%となっています。」
世古口「現預金の割合が大きすぎる一方で借入比率が低く、金融資産に偏っています。そのため、外貨・株式・債券のいずれも比率が十分ではないバランスになっています。では、この方のご要望、どのようなお考えを持っているのかを見ていきましょう。」
藤村「1つ目は、資産の大半を占めている事業会社の余剰資金7億円の有効活用です。この方はまだ年齢も若く、かつ年収が高いので、資産をある程度成長させながらしっかりと分散をとってバランスよく運用していきたいというのが2つ目のご要望です。
3つ目は、年間の運用目標を年間+7%としています。4つ目は、今回特に重要なポイントとなりますが、事業会社のまま運用するのではなく、それ以外の主体で資産運用していきたいというご要望でした。」
世古口「最後の事業会社以外の主体で運用したいというご要望は、どのようなことが目的で考えていらっしゃるのでしょうか。」
藤村「そのまま事業会社で運用すると、従業員の方にご自身の資産状況が知られてしまうことを気にされていました。ですから、今回は事業会社以外のところで運用したいというご要望をお持ちです。」
世古口「事業資金と運用資産は個人的な資産と捉え、分けて管理・運用したいということですね。」
運用目標の設定
世古口「このようなご本人様情報や資産状況、ご要望を踏まえて、今回の運用をするにあたり、目標を設定しました。それをご説明します。」

藤村「1つ目は“攻めと守りでバランスのいい資産配分”です。特にこちらを重視しています。未上場会社オーナーの方の場合、リスク許容度が比較的高く、高い利回りを目指す方が比較的多いとお話ししましたが、この方の場合は攻め一辺倒では不安ということで、しっかり守りとして土台を固めながら、長期的に資産成長を狙っていくことを目標にしています。
2つ目は“金融・実物を含めたあらゆる資産へのリスク分散”です。これも1つ目の目標の“バランス”に関係しますが、金融資産のみ・実物資産のみというわけではなく、あらゆる状況に備えるために、さまざまな資産カテゴリーにしっかりと分散させていくことも目標にしています。
3つ目は“運用純資産の年間リターン+7%”です。米国債の利回りは現在4%から、社債でも5%ほどが守りの状況でも狙えるので、+7%を狙っていくことを一つの目標としています。
4つ目は“持株会社を作って資産運用の主体とする”です。事業会社以外で資産運用するということですが、個人で運用する選択肢もありますが、今回はオーナー100%の持株会社を新たに作り、そこで資産運用することを目標として挙げています。」
世古口「まずはこのような目標を設定して、これを実現するための資産配分を提案していくという流れです。」
資産配分(再配分)
世古口「こちらが再配分後の資産配分シートです。減少資産、増加資産の再配分案を確認していきましょう。」

藤村「今回は事業会社で得た7億円の余剰資金を再配分していく形です。増加させる資産は、日本株式に3,000万円、先進国株式に1.4億円、新興国株式に4,000万円投資しており、特に今回は、目標の年間リターンが+7%なので、株式も多く組み入れています。また、守りの体制がしっかりと土台として整っているからこそ攻めも機能する形になるので、先進国債券にも2.2億円投資していくことをご提案しました。」
世古口「株式の合計が2.1億円、債券が2.2億円なので、株式と債券はほぼ同額で投資できています。まさに攻めと守りをどちらも両立させているイメージですね。」
藤村「その通りです。それ以外には外国REITに2,500万円、オルタナティブに5,000万円、こちらはサテライト資産といわれる資産で、株式や債券では補いきれないため分散投資しています。
次に国内不動産です。今回は金融資産だけでなく、レバレッジも掛けて投資していきたいというご意向でしたので、5.1億円の国内不動産と約3.5億円の借入も活用したご提案になっています。そして、コモディティ金に2,500万円、コモディティその他に1,000万円と、さまざまな資産に分散し、どのような状況でも対応できるポートフォリオを構築しています。」
世古口「この再配分によって比率がドラスティックに変わっています。次に、再配分後の投資効果を見ていきましょう。」
再配分の投資効果(分散・成長)
世古口「この方が重視しているリスク分散と資産成長の2つについてご説明します。」

藤村「借入比率は、かなり大きめの不動産に投資するので148%まで上昇しています。ここでは148%ですが、まだ年齢も若いので、今後は200%くらいまで増やしていくことを一つの目標として考えています。
実物資産比率は19%から56%とかなり上昇しており、これによって金融資産と実物資産のバランスも同程度の割合になりました。かなりバランスも取れていると思います。
外貨比率は0%が58%になりました。この方は、長期的には円安になるのではというお考えをお持ちであるため、外貨比率を50%以上に高めていくことも重要なポイントでした。その点は今回の資産配分で達成できたと考えています。
株式と債券の比率はほぼ同じで、攻めと守りのバランスはかなり等しくできたと思います。」
世古口「いずれも運用目標を達成するような資産配分の比率になっているということですね。成長についてはいかがでしょうか。」
藤村「今回の運用目標は年間+7%以上と想定しています。株式やオルタナティブ(ヘッジファンド)を取り入れつつ、国内不動産においては適切なレバレッジを効かせることで、純資産に対するリターンは+7%以上を十分に狙えると考えています。」
世古口「債券の期待リターンは概ね年+4%~5%だと思いますので、それではこの方の目標は達成できないということですね。」
藤村「はい。ですから、今回は株式も同程度の比率で投資することによって+7%以上は達成できるのではないかと見ています。」
世古口「債券の期待リターンは+4%~5%にとどまりますが、期待リターンが高い株式やヘッジファンド、レバレッジを効かせた国内不動産を組み入れることで、ポートフォリオ全体として+7%以上を目指す運用になっているということですね。」
持株会社のイメージ
世古口「この方は、事業会社以外の主体で運用したいというご要望をお持ちであったため、今回は持株会社を作って運用しています。この持株会社は、未上場会社オーナーの方特有の資産管理会社とも呼べる会社であり、若干専門的でもありますので、こちらのイラストを見ながらご説明します。」

藤村「今回は未上場会社オーナーの方が100%株式を保有している持株会社を新設しました。持株会社が事業会社の株式を100%持っている点もポイントとなっています。このような資本構成の場合、事業会社の余剰資金を配当金として無税で吸い上げることが可能です。実際に今回は、そのような形で配当を持株会社へ移し、そこで運用する形になっています。」
世古口「補足ですが、持株会社は設立から1年間は配当を出せないため、最初は事業会社から持株会社への貸付金という形にしておきます。そのうえで、1年後に7億円の配当を出すことで、貸付金と相殺する形にしています。その点をご留意ください。」
藤村「配当金の7億円が左側のバランスシートの純資産のところにあります。この7億円を、金融資産や不動産投資に活用して運用していく点が今回のポイントとなっています。」
世古口「オーナーが個人で事業会社の株式を保有し、そこから7億円の配当を受け取る場合、半分の約3.5億円の税金がかかります。一方で、持株会社は特別な関係にある親会社であるため、持株会社への配当については課税されません。
このような観点からも、未上場会社オーナーの方にとっては、事業会社で運用するよりも、配当で資金を持株会社に移して、その中でさまざまな資産に投資して資産形成していくことは、まさに王道のパターンといえるでしょう。」
まとめ
世古口「最後に、今回のテーマである『未上場会社オーナー7億円の持株会社を活用した資産運用事例』をまとめます。ポイントは4つです。」
ポイント1)目標リターンが高いなら株式・オルタナティブ・不動産が必要
藤村「今回は運用目標を+7%以上に設定していることから、債券だけでなく、株式・オルタナティブ・不動産にも分散して投資している点は重要なポイントと考えています。」
世古口「この方は純資産の目標リターンが+7%だったので、株式やオルタナティブや不動産を組み入れていると思いますが、運用目標が4%~5%程度でいいという方の場合、債券のみで運用するという選択肢はあり得るのでしょうか。」
藤村「債券が中心ということは念頭にありますが、オルタナティブは入れないという選択もかなりあるかとは思います。」
世古口「なるほど。国内不動産に関しては借入を使って投資することになると思いますが、不動産には投資せず、金融資産のみで運用するオーナーもいらっしゃいますか。」
藤村「人それぞれかと思います。今回のように運用の原資が事業会社の余剰資金である場合、万が一、事業会社で急に資金が必要になることもあります。不動産は流動性が低いため、そのリスクを回避するために金融資産のみで投資したい方もいらっしゃいます。その点はオーナー様のお考え次第ではないかと思います。」
世古口「事業会社によって資金繰りの状況は千差万別であるため、オーナーの希望との兼ね合いで、今回のように複数の資産に分散するケースもあれば、債券のみで運用するパターン、国内不動産を入れないケースなど、さまざまなパターンが想定できるということですね。」
ポイント2)オルタナティブは実績リターンが高いヘッジファンドを活用
藤村「オルタナティブの分野はイメージしにくいと思いますが、今回は実績で年間9%位のリターンをしっかり出しているようなヘッジファンドを活用するのがよいのではないかというご提案をしました。」
ポイント3)国内不動産は借入比率高め自己資金比利回りを向上
藤村「国内不動産に関しては、まだお若く、かつ年収も高く、資産規模も大きいというかなり良好な属性であったため、大きな借入を活用して投資できた点も重要でした。そこを十分に活用して自己資金に対する利回りを高められた点も大きなポイントであったといえるでしょう。」
ポイント4)持株会社で事業性資産と創業家資産の公私分別管理
藤村「持株会社で運用することで、事業資金とオーナー個人の資金を分別して管理することができます。事業会社でそのまま運用してしまうと、銀行から融資を受ける際の評価に影響することや、従業員に運用状況が知られてしまうことを気にする方もいらっしゃいます。そうした点を踏まえると、分別管理ができる点はかなり重要なポイントではないかと思います。」
世古口「本日は『未上場会社オーナー7億円の持株会社を活用した資産運用事例』という内容でお届けさせていただきました。」
藤村「事業会社で運用するべきか、それとも持株会社で運用するべきかでお悩みの方もいらっしゃると思います。私はウェルス・パートナーにおける実務も含め、これまで数多くの事業会社オーナーの方の資産運用をお手伝いしてきました。その経験から、お力になれる部分は必ずあると考えております。ぜひ一度、個別面談をお申し込みください。」
https://wealth-partner-re.com/meeting/