資産運用を検討する際、多くの方が証券会社や銀行といった既存の金融機関をまず思い浮かべるのではないでしょうか。
近年、「IFA(資産運用アドバイザー)」という存在が注目を集めています。
ただ、IFAに資産運用の相談をしようと思っても「IFAに任せて本当に大丈夫なのか?」と不安に感じる方もいらっしゃることでしょう。
本記事では、
- IFAとはどのような存在なのか
- IFAと証券会社との比較
- IFAに資産運用の相談をするメリット
- IFAに資産運用を相談するときに不安な注意点
などを解説します。
資産1億円以上を保有する富裕層の方々の資産運用の助けになればと思います。
目次
IFAとは何者なのか?証券会社との比較
IFA(資産運用アドバイザー)とは、証券会社や銀行に属さず、独立した立場で顧客の資産運用をサポートする専門的なアドバイザーです。
IFAは特定の金融商品の営業ノルマを持たず、顧客の利益を最優先に考えて助言や提案を行うことが可能です。
証券会社との具体的な違いを表にまとめました。
IFAと証券会社の比較チャート
比較項目 | IFA | 証券会社 |
所属 | 独立系(個人・法人) | 企業所属 |
提案できる商品 | 複数の金融機関含む幅広い金融商品 | 自社の商品が中心 |
営業ノルマ | なし | あり |
報酬体系 | 資産残高に応じたフィー型、手数料が還元されるコミッション型など | 売買手数料中心 |
担当者の転勤や配置換え | 基本的になし。ずっと同じIFAが担当する | 異動により頻繁に変わる |
顧客との利害一致 | 一致している(成功報酬型)
顧客第一主義 |
一致しない(販売重視)
自社のノルマや方針が優先 |
中立性 | 高い(顧客本位) | 低い(販売側) |
提案の自由度 | 高い | 限定的 |
IFAは顧客目線で独立した立場のアドバイザーです。顧客第一主義であり、自由度の高い提案に特徴があります。
IFAに資産運用の相談をするメリット
IFAに相談することには3つのメリットがあります。
資産運用や資産管理に不安を覚えているのであれば、IFAへの相談をおすすめしています。
IFAは顧客第一主義の提案が可能
IFAは特定の金融機関のノルマや商品の縛りがないため、真に顧客のニーズに合った商品選定と資産配分が可能です。
営業のための提案ではなく、顧客の資産と人生設計をベースにした提案が受けられるのです。
IFAは中立的なアドバイスや分散投資の提案ができる
投資信託・債券・株式・保険・オルタナティブ投資など、幅広い選択肢からバランスの良い資産配分ができます。
たとえば、日本円の預金比率が高い方には米ドル建て債券を提案し、為替リスクヘッジやインフレ対応も視野に入れた運用設計が可能です。
証券会社のように会社の方針やノルマもありますので、真に中立的な立場でのアドバイスが可能になっています。
IFAは継続的かつ長期的なサポートが可能
IFAの報酬体系は資産の継続保有に連動していることが多く、顧客の資産が増えればIFAも報酬が増える“Win-Win”の関係です。
売買手数料ではなく、長期的な成果にコミットしている点も安心材料となります。
また、IFAには証券会社のような異動がありませんので、ずっと同じスタッフが担当する点もメリットです。同じスタッフと長期的に関係を深めることが可能であり、担当が変わる度に資産状況など同じことを説明する必要もありません。
IFAに資産運用を相談するときに不安な注意点
IFAに相談する際は不安な注意点があります。
こうした不安には「IFAをよく選ぶこと」で対処可能です。
不安①IFAの質には差がある
IFAにはフリーランス的に活動する個人や、小規模事務所が数多く存在しています。実績・信頼・スキルの面で差があるため、見極めが非常に重要です。
不安②大手金融機関ほどのブランドや体制がない場合も
組織的な安心感やブランド力を求める方にとっては、IFAの“個人経営的”な側面が不安になることもあるでしょう。そのため、IFA本人の人間性や経歴、サポート体制の有無をよく確認すべきです。
不安③セキュリティ・コンプライアンスの確認
IFA自身が資金を管理することはありませんが、提携する証券会社が信頼できるか、契約や説明が適切かなど、法律面・管理面でのチェックも欠かせません。
IFAは富裕層の資産状況などセンシティブな情報に触れます。そのため、IFAのセキュリティ・コンプライアンスについては慎重に確認することが重要です。
自分がIFAに相談するのに向いているのか不安!向いているのはこんな方
資産運用について相談できる先としては証券会社や銀行などがありますので、「自分は果たしてIFAへの相談に向いているのか」と不安になる富裕層の方もいらっしゃることでしょう。
IFAへの相談が向くのは次のような方です。
- 資産1億円以上を有し、今後の資産戦略を見直したいと感じている方
- 証券会社の担当者が頻繁に異動し、継続的な対応が望めないと感じている方
- 投資商品を売られるのではなく、ライフプランに沿った助言が欲しい方
- 相続・法人資産の活用・節税なども視野に入れた包括的なアドバイスを求めている方
不安なく相談できるIFAを見極める6つのポイント
不安なく相談できるIFAを選ぶポイントは6つあります。
IFAの提携先の証券会社に不安はないか(大手・ネット証券など)
IFAは富裕層の方の資産を自分で預かるのではなく、個人・法人で選んだ信頼できる証券会社に預けるという流れで管理します。
IFAの提携先の証券会社が信頼できるか。口座開設先としてセキュリティなどに不安がないか。このようなポイントをよく確認し、IFA選びをすることが重要です。
IFA本人の経歴・実績(職務経歴や資格など)
IFAにはさまざまな経歴を持ったアドバイザーが存在します。
証券会社出身のIFAもいれば、プライベートバンカー出身のIFAなどもいますので、IFA選びの際はそのアドバイザーの職務経歴や資格などをよく確認して選ぶことが重要です。
提案内容が顧客に合わせたものであるか
一言に富裕層といっても、資産状況やリスク許容度、投資方針はさまざまです。
顧客の属性や資産、リスク許容度などに合わせた提案をするIFAを選ぶことが重要になります。
反対に、自分の考えを押し付けてくるIFAや、リスク許容度などを無視してリスクの高い金融商品を勧めるIFAなどは、不安のもとになりますので、選ばない方が無難です。
リスク説明やデメリット説明に不安がないかどうか
きちんとしたIFAは金融商品や投資のメリットだけを強調するのではなく、不安なポイント(リスクやデメリット、注意点)なども説明します。
故意にリスクやデメリットを隠している様子はないか。メリットだけを強調していないか。このようなポイントをチェックして相談するIFAを決めることが重要です。
IFAのコミュニケーションが継続的で誠実か
「顧客になってもらうまでは頻繁に連絡する」「顧客になってもらったらあまりコミュニケーションを取らない」というIFAも少なからず存在します。こういったIFAの場合、契約した富裕層の方は「状況はどうなっているのか」と不安になることでしょう。
IFAを選ぶときは定期的にコミュニケーションを取ってくれるか。契約してからも誠実かつ継続的に連絡や報告をしてくれるか、などのポイントが重要です。
契約後のアフターフォローや資産運用の定期見直しがあるか
市場は常に変動します。また、富裕層の方の資産状況や考え方も時間と共に変わる可能性がありますので、資産運用のプランは定期的な見直しが必要です。
契約後のアフターフォローや資産運用の見直しにもしっかり対応してくれるIFAを選ぶことが重要になります。
資産運用をIFAに任せて大丈夫?不安なく相談できるアドバイザーを見極めるためのポイント|まとめ
「IFAに任せて不安はないか?」という問いに対する答えは、「IFAの質と相性によりけり」です。
IFAという仕組みそのものが優れているかどうかではなく、そのIFAが「あなたにとって信頼できる存在かどうか」「あなたがIFAへの相談に向いているか」で考えることがポイントです。
資産運用の提案やアドバイスをするIFAは人生に寄り添う長期的なパートナーです。大切な資産を任せる以上、“人”を見極める目が問われます。
私たちウェルス・パートナーは富裕層専門のIFAとして資産規模・ライフプラン・価値観・リスク許容度などに応じた中立的なアドバイスをご提供しています。特定の金融商品に偏ることなく、お客様の目的達成に本当に必要な戦略を一緒に考えます。
ウェルス・パートナーはあなたに最適な資産運用のお手伝いをいたします。

株式会社ウェルス・パートナー
ポートフォリオマネージャー
慶應義塾大学商学部卒業後、三井住友信託銀行株式会社へ入社。
富裕層や会社経営者、地主を中心とした資産運用、相続対策のコンサルティングに従事。お客様と強い信頼関係を築きたいと思い株式会社ウェルス・パートナーに入社。富裕層、会社経営者の資産配分最適化を行う。具体的な金融資産の投資実行サポートや地主への相続対策を主とした税務の最適化、資産管理会社設立、運営のアドバイス、サポート。また会社経営者の資産承継サポートを行う。