「資産5億円以上の富裕層」と聞けば、一般の人からは「もうお金で悩むことなんてないだろう」と思われるかもしれません。しかし、実際にこの水準の資産を保有する富裕層の多くは、より複雑で難しい悩みを抱えているケースも多いようです。
たとえば、資産が一定規模を超えると「守り」が優先され、単なる運用成果ではなく「いかに資産を効率よく保全・承継していくか」が重要なテーマになります。
本記事では、資産5億円以上の富裕層が直面しがちな資産運用の悩みを7つに分類し、それぞれの背景と代表的な解決策を紹介します。
目次
資産5億円以上の富裕層が抱える悩みと解決策
資産5億円以上の富裕層は、資産運用についてさまざまな悩みを抱えています。
ここでは、資産5億円以上の富裕層が抱えるおもな悩みと、効果的な解決策を解説します。
悩み1:インフレや為替変動による実質的な資産目減り
ここ数年のインフレや為替の変動によって、実質的な資産目減りに悩んでいる富裕層の方が多くみられます。
■ よくあるケース:
- 日本円での預金や国内不動産に資産が偏っている。
- 海外旅行や輸入品購入などで「円の弱さ」を体感し始めている。
■ 背景: 2022年頃から日本国内でもインフレが進行し、さらに円安が長期化しています。資産の大部分を円建てで保有していると、実質的な資産価値が目減りするリスクが高まっています。
■ 解決策:
- 米ドル建て債券や外貨建て資産への一部シフト
- 通貨分散されたファンド(グローバルREITや世界株式)を活用
- 為替ヘッジ付きの商品やオプションを使った為替リスクコントロール
為替変動や海外金利を読みながらの運用は難易度が高いため、経験豊富なIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)のサポートを受けることで対応がスムーズになります。
なお、米ドル債券など外国債券は、長期保有によって為替リスクをヘッジすることが可能です。
詳しくは以下の動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
今、富裕層が円安でも米ドル債券に投資する理由
悩み2:最適な資産配分(アセットアロケーション)が分からない
最適な資産配分(アセットアロケーション)は、投資目的や運用目標、資産背景、リスク許容度など、さまざまな要素で異なります。
このため、「最適な資産配分が分からない」「今の資産配分でよいのか」と悩みを抱えている方も多くいらっしゃいます。
■ よくあるケース:
- 現在の資産配分が適切か不安だが、誰にも相談できない。
- 新しい投資先(ヘッジファンドやプライベートエクイティ)にも興味があるがリスクが読めない。
■ 背景: 資産5億円以上ともなると、株式や債券、不動産に加え、プライベートエクイティやヘッジファンド、オルタナティブ投資など、より幅広い投資対象が視野に入ってきます。どの資産にどれだけ配分すべきかという判断には、専門的知識とリスク管理能力が必要です。
■ 解決策:
- 現状のポートフォリオを第三者に分析してもらう
- 目標ベース資産配分(例:生活資金・資産形成資金・承継準備資金)
- 資産クラスごとにストレステスト(リーマン・ショック級の下落時にどうなるか)を行う
IFAを活用することで、家族構成・事業内容・ライフスタイルに合わせた資産配分が可能となります。
悩み3:不動産比率が高く、資産の流動性が低い
不動産は、金融商品と異なり売却や換金に時間がかかり、流動性が低い点がデメリットです。
また、「管理が必要」「空室リスクがある」など、不動産特有の悩みも多く聞かれます。
■ よくあるケース:
- 不動産で3〜4億円の資産を保有しており、現金化が進まない
- 相続対策でアパートやタワマンを購入したが、管理や空室に悩んでいる
■ 背景: 富裕層にとって不動産は節税・収益・資産保全などメリットのある資産と言われていますが、リスクもあります。特に地方や需要の低いエリアでは空室リスクや資産価値の下落リスクも無視できません。
■ 解決策:
- ポートフォリオ全体に占める不動産比率を30%〜40%に抑える
- 不動産保有が多い場合、一部売却し、米ドル債券など流動性の高い資産へ転換
- 賃貸運用ではなく出口(売却)戦略を重視した資産設計
なお、不動産は外国債券との相性がよく、国内不動産と外国債券をあわせ持つ富裕層の方は、とても多いのが現状です。詳しくは以下の動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
悩み4:信頼できる運用パートナーが見つからない
大手証券会社や銀行の担当者は頻繁に変わり、「長期的に相談できる相手がいない」と不安に思う富裕層の方が多いようです。提案される商品も「その会社で今お勧めとしている商品」が多いと感じる方が多くいます。「本当に自分のことを考えてくれているのか分からない」という不信感が根底にあります。
■ 解決策:中立性の高いIFAやプライベートバンクの利用IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)やプライベートバンクを活用することで、プロフェッショナルな運用支援を受けることが可能です。金融商品販売ではなく、資産全体を俯瞰しながら、顧客の利益に基づいた提案が可能になります。
なお、一時は富裕層の方に人気の高かったプライベートバンクですが、最近では国内金融機関で運用する方が増えています。詳しくは以下の動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
悩み5:相続・事業承継への備えが不十分
資産規模が大きくなるほど、相続対策の難しさが増します。特に事業承継を控える方にとっては、自社株の評価や後継者問題も絡むため、極めて複雑な課題となります。
解決策:早期からの承継設計と専門家の活用
相続・承継問題は高度な専門知識が必要となるため「専門家チームの力」を借りることが重要です。税理士、弁護士、IFAが連携し、以下のような対策を検討することが必要です。
- 遺言信託・民事信託
- 資産管理会社の設立
- 株式の移転と事業承継税制の活用
- 生命保険の活用
早めに準備を進めることで、税負担を減らし、資産をスムーズに次世代へ移すことが可能となります。
悩み6:情報収集する時間がない
経営者や開業医など、高所得者層は日々多忙で、制度変更や金融市場の動向を逐一チェックすることは困難です。気づいたときには制度改正のタイミングを逃し、損失や機会損失が発生することもあります。
解決策:定期的な情報収集体制の構築
定期的に資産運用の状況を確認し、改善提案を受けられる体制を構築しましょう。信頼できるIFAがいれば、以下のような対応が可能です。
- 四半期に一度の運用レポート提出
- 税制改正や金融環境の変化に応じた提案
- ポートフォリオの見直しアドバイスやリバランス
これにより、本人がすべてを把握しなくても安心して資産管理ができます。
悩み7:「守る」ばかりで「増やす」ことができていない
大きな資産を築いた後、「資産を減らしたくない」「リスクを取りたくない」という心理が強まり、預金や日本国債などの低リスク・低リターン商品に偏るケースが少なくありません。しかし、長期的にはインフレや金利上昇局面で実質価値が減少するリスクもあるため、一定のリターンを追求することが重要です。
解決策:攻守のバランスを取った運用戦略
必ずしもすべてを「守り」に寄せる必要はありません。資産の一部をリスク性資産(米国株、外国債券、プライベートエクイティ、ヘッジファンドなど)に分配し、運用益を狙うことで資産全体の増加を目指すことが可能です。特に5億円以上の資産を持つ方であれば、リスクを取る余力も十分にあります。
IFAという第三の選択肢
日本ではまだ一般的ではないものの、欧米では富裕層の資産管理においてIFAが主流です。IFAは銀行や証券会社などの金融機関から独立しており、中立的な立場で顧客に最適な商品やサービスを提案できます。
IFAの特徴
- 顧客の側に立った助言
- 証券会社や銀行の商品に縛られない
- 長期的に担当者が変わらない
- 外貨資産、債券、保険、不動産など幅広く対応
今後の富裕層資産管理の主軸として、IFAの存在はますます重要になっていくでしょう。
富裕層専門資産運用会社ウェルス・パートナーとは
株式会社ウェルス・パートナーは、富裕層専門の資産運用アドバイザー会社として、多くの経営者・医師・士業・資産家の方々からご相談をいただいております。
特に私たちウェルス・パートナーが得意としているのが、保有資産の資産配分最適化、資産運用設計のコンサルティングです。
【資産配分最適化の例】
特にウェルス・パートナーの資産配分最適化、資産運用設計のコンサルティングは、以下のような方におすすめです。
- 現在の資産ポートフォリオが最適かどうか確認したい方
- これから運用を始めようと考えているが、何から始めていいか分からない方
- 将来の日本財政やインフレリスクに対して不安を抱えている方
- 普段、仕事が忙しく最適な資産配分について考える時間がない方
- 金融機関や不動産会社から商品を勧められているが投資すべきかどうか悩んでいる方
私たちウェルス・パートナーは社内に専任のアドバイザーを抱えており、チーム体制でポートフォリオ設計・最適化に取り組んでいます。
まとめ:5億円以上の資産を「未来に活かす」ために
資産5億円という金額は、誰もが築けるものではありません。しかし、その金額を持つがゆえの「悩み」や「判断の重さ」は、想像以上に大きなものです。
大切なのは、悩みを放置しないことです。信頼できるプロフェッショナルとの連携により、客観的なアドバイスと柔軟な対応を受けながら、「守り」と「攻め」のバランスを取った戦略的な資産運用を実現していくことです。
当社ウェルス・パートナーでは、5億円以上の資産をお持ちの方に向けた無料個別相談を承っています。
外国債券、株式、ヘッジファンド、不動産などへの投資アドバイス、相続対策までトータルで支援いたします。
無料個別相談はオンラインでも可能、土日も対応しておりますので、ご希望の方は、以下よりお気軽にお申し込みください。